【葬式 Q&A】棺に◯◯入れていい?喪主は誰がやる?・・・など

 

葬式 (葬儀・告別式) や通夜などで、弔辞 (お悔やみの言葉) を述べるときは、「忌み言葉」を避けるようにすることが最低限のマナーであり礼儀であり、常識です。

香典の包み方や渡し方、挨拶、服装なども、宗派や地域によって異なったりしますので、あなたの常識だけでなく、事前に確認が必要な場合だってあります。

 

というわけで、

多くの「葬儀・葬式の常識やマナー」は必要に応じて随時学んでいただくとして、ここではいくつか、「簡単な疑問」をQ & A方式で紹介したいと思います。

 

 

 

【Q1】菩提寺が遠いので今の生活圏で葬式をしたい

葬儀は菩提寺の宗派の作法にのっとって実施するのが基本です。つまり、菩提寺がどんなに遠方だとしても、葬儀を執りおこなう場所に菩提寺の僧侶に来てもらうのが原則なんです。

しかしながら、現実的には予算や時間的制約などからそうもいかないこともあるでしょう。ではいったいどうすればいいのでしょうか?

 

こういった場合にやるべきことは、葬儀の前に必ず菩提寺に連絡し相談すること。また、葬儀の後の法要も菩提寺の僧侶によっておこなうのが基本ですから (菩提寺がある場合は) 菩提寺を無視してはいけません。

相談の際には、納骨や法要の際には変わらずお世話になる旨をきちんと伝え、離檀と誤解されないようにするのが重要です。

 

菩提寺から、今の住まいの近くの同じ宗派の僧侶を紹介してもらい、そこで葬儀を済ませ、納骨の際に菩提寺にあいさつに訪れる、住職にお経をあげてもらう、という方法もあります。

何らかの事情があって、葬儀社に頼んで同じ宗派の僧侶を派遣してもらう場合であっても、菩提寺に対して事前の連絡や配慮を欠くと、最悪「葬儀をやり直す」というトラブルにまで発展する場合もありますので注意しましょう。

 

 

 

 

【Q2】愛用の釣りざおを棺に入れても大丈夫?

生前の愛用品を副葬品として棺に納めることはできますが、火葬の際に燃えないものや燃えにくいものは入れてはいけません。釣りざおやゴルフクラブなどは化学繊維・カーボン製品だったりするのでNG!

また、ガラス製品や有害物質が出るもの、燃やすと高温になって炉を傷つけるものなども入れられないので注意しましょう。よくわからない場合は事前に葬儀社さんに相談しましょう。

 

 

 

 

【Q3】喪主は誰がやるべきなの?

特に決まりはありません。ありませんが、後々の供養のことまでよく考えて決めないと、後で問題が発生するかもしれません。なぜなら、喪主は葬式だけでなく墓を継いで三十三回忌の弔い上げまで法要を取り仕切る役割を担っているからです。

そこで、「喪主は誰が務めるか」については事前に話し合っておくべきでしょう。繰り返しになりますが、配偶者や長男・長女が喪主をやらなければならないという決まりはありません。

 

「二男夫妻が家業を継いで親と同居している」場合など、二男が適任という場合だってあるでしょう。

もちろん、配偶者が喪主になってもかまいませんが、高齢の場合、葬式以降に続く法要をほかの誰がサポートしていくのかを検討する必要があります。

 

さらに加えていうと、葬儀の費用は祭祀主宰者(喪主)が支払い手続きをしますが、全額を喪主が負担するという法的な義務はありません。誰がどのように費用を負担するのかも事前に話し合っておきたいものです。

 

 

 

 

【Q4】「戒名」について教えて


 
葬儀が仏式の場合、戒名が必要です。ところで、「戒名」と呼ぶのは天台宗、真言宗、浄土宗のほか、曹洞宗、臨済宗などの禅宗系だということを知っていましたか?浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼ぶんですよ。

でも、筆者の実家は浄土真宗なのですが「法名」ではなく「戒名」と言っていたりします。この辺りはケースバイケースなのかもしれません。

 

ここでもう一つ、「院号」についても触れておきましょう。

 

戒名の最高ランクに位置するとされる「院号」は、もともと寺院を建立するなどお寺に貢献した功績者に授与されるものとされていました。しかし、江戸時代後期になると裕福な庶民がステータスとして院号を金銭で「買う」…ということが起こってきたのです。

こうして「戒名」の格付けが進み、ランクが上がると料金が高くなる、という本来の趣旨とは異なる「心」ではなく「金」第一のビジネス的な様相に変わっていったのです。この点をどう考えるかは皆さん次第ですね。

 

戒名はいくつかの部分で構成されています。

最高位の「院号」には季節感などを考慮した文字、院号の次のランクの「道号」には趣味や生き方など故人がしのばれる文字が使われます。道号の次の「戒名(法名・法号)」が本来の戒名です。「位号」は仏教徒としての位とされます。

 

しかし、お金で「戒名」のランクが上がったり下がったりするのは何だかおかしいですねー。

 

 

 

 

【Q5】葬式後、戒名料はどのように支払えばいい?

 
というわけで、

最後はその「お金」の話になってしまうのですが、「葬式後、戒名料はどのようにして払えばいいのか?」という質問にお答えしておきましょう。

 

実をいうと、「戒名料」という設定は本来ありません。全国の寺院の9割以上が所属する「全日本仏教会」は2000年、「戒名は売買の対象ではない」と表明し、「戒名料という表現を今後は使用しない」と宣言したのです。

つまり、現在、寺院への志納や読経に対するお礼など、寺院が受け取る金品はすべて「お布施」で統一されています。したがって、「戒名料」はお布施の中に含まれます。

 

(戒名のための) 金額は、宗派や寺院への貢献度などによっても異なりますので、不明であれば寺院にたずねましょう。戒名を生前にもらう人もいれば、葬儀に合わせてもらう人もいます。

後者の場合、「戒名料」は葬儀での読経に対するお礼などとまとめて、「お布施」として支払います。寺院には、葬儀の翌日か翌々日に喪主が出向き、お礼の言葉とともにお布施を渡すのが一般的です。

 

 

 

 

おわりに

 
いかがでしたか?

 

特に、日頃「宗教から離れた都会暮らし」をされている方などはこうした冠婚葬祭時の常識を全く知らないのではないでしょうか?

可能であれば、田舎に帰省の際などに、一度菩提寺の住職からお話を聞いてみてはいかがでしょう。葬儀の常識・マナー以外にも、「ありがたい言葉」を頂き、生きていく上での指針を示してもらえるかもしれませんね。

 


 

苦しいという言葉だけはどんなことがあっても言わないでおこうじゃないか。

–  高杉晋作 -

 

 

普通と言われる人生を送る人間なんて、一人としていやしない。いたらお目にかかりたいものだ。

–   アインシュタイン -

 

 

虹を見たければ、ちょっとやそっとの雨は我慢しなくちゃ

- ドリー・パートン -