凡人フレディ・マーキュリーを天才にした超絶歌唱力の秘密
1991年11月24日に亡くなったイギリスの人気ロックグループ・クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーは、生きていれば今年70歳。没後25年経っても、いまだ彼が愛され続けるのには理由があります。
黄色いジャケットの奇天烈な格好やタイツ姿、ステージ上で突拍子もなく腕立て伏せをするパフォーマンスなども彼の魅力の一つでしょう。しかし、何よりも、卓越した歌唱力こそが最大かつ唯一無二の魅力なのです!
ロックとクラシックの融合、オペラとのブレンド、他の人では歌いきれないであろう独特の世界観を作り上げました。潤んだ艶やかさ、鋭くもガラス細工のようなはかなさ、朗々とした雄雄しさ。これらが精妙に混交し、恍惚的なバラードを歌い上げ、世界中の人々を魅了し続けているのです。
最後のアルバム「イニュエンドウ」では、死期が近づき、声の響きに切なさが加わっていたようにも思えます。
そんなフレディ・マーキュリーの晩年は、「エイズウイルスに感染し発症している」ことや「ゲイである」ことなどを発表し、衝撃的なことばかりが目につきました。
結局のところ、彼は一体どんな人生を歩んできたのでしょうか?
・本名 : ファルーク・バルサラ
・生年月日 : 1946年9月5日
・身長:177cm
・出身地:タンザニアのザンジバル島
◯ 両親はペルシャ系インド人
◯ 幼少期はインドで過ごし、7歳のときにピアノを習い始める
◯ HIV感染合併症による肺炎のため、45歳で死去
《デヴィッド・ボウイ》
フレディ・マーキュリー追悼コンサートに参加し、クイーンと共にアンダー・プレッシャーをレコーディングしたデヴィッド・ボウイは、
「数あるロックパフォーマンスの中でも、フレディのそれは群を抜いていた。彼は明確に、手のひらの中に観客を抱くことのできる人だった」と賞賛しています。
《ブライアン・メイ》
クイーンのギタリスト、ブライアン・メイはフレディについて「スタジアムの最も離れた後ろの人まで、彼と繋がっているように感じた」とコメントしています。
フレディ・マーキュリーがクイーンとして行った最も有名なパフォーマンスの1つに、1985年のライヴエイドがあり、スタジアム全体の72,000人の観客が、パフォーマンスに合わせて叩いたり歌ったり揺れたりしました。
この時のクイーンのパフォーマンスは、「史上最高に素晴らしかったライブパフォーマンス」として今も脈々と語り継がれています。
1970年代から80年代にかけて輝かしい活躍を見せ、アルバム&シングルのセールスが3億枚を超えている「世界で最も売れたアーティスト」にリスト入りしている伝説のロックバンド、クイーン (Queen) 。
悲運の死を遂げる1991年までリードボーカルであった故フレディ・マーキュリーは“七色の声”と賞賛され、4オクターブの音域を最大限に活かし歌い続けた天才ボーカリストでしたが、昨今の研究でその声の秘密が解明されつつあります。
なんと!フレディは決して人並み外れた声の持ち主ではなかった…のかもしれないのです。
『伝説のチャンピオン』や『ウィ・ウィル・ロック・ユー』など、数々の名曲を残しているクイーン。
今も耳にするフレディの歌声はまさに変幻自在で、時には低くうなり、あるいは透き通るような伸びやかな高音で歌いあげたりと、表現力の豊かさに魅了されたファンも多いはず。
しかし、最新の研究では、フレディの声域はごくごく一般的な男性の声の、それ以上でも以下でもないという報告が発表されてしまいました。にわかには信じがたいことです。
もしフレディの声が特別豊かな音域に恵まれていなかったのだとすれば、声域以外にどんな秘密があってあれほどまでの存在感ボイスを残すことができたのでしょうか?
ある音声科学者たちが発表した研究論文によれば、フレディ・マーキュリーの魅力的な歌声は、彼の声域によるものではなく“喉”によるもの…らしいのです。
おそらく、多くのファンたちは「フレディは高いテノールの声の持ち主だ」と考えていることでしょう。しかし、彼の主声域はテノールとバスの中間のバリトンらしいのです。
さらに驚くべきことは、高低自在に歌い分けているかに思えたフレディの声域は「4オクターブもない」ことが判明したようなのです。
声域が4オクターブもなく、主声域がバリトン…これだけ聞くとまさに凡人中の凡人。だとしたら、あれほどまでの歌唱力を魅せつけてきたフレディは何なのでしょう?超人なのでしょうか?
その秘密は、常人にはけっして真似のできない極めて優れた“発声テクニック”にあります。「サブハーモニクス」なるものも、驚異の歌唱法の秘密だったのです!
「サブハーモニクス」は、ヴァイオリンの演奏で知られているスペック上は不可能な1オクターブ下の音を奏でる技術ですが、この現象をフレディは喉を巧妙に動かして引き起こし、彼特有の“うなり声”を生み出していたというのです。
「ビブラートの素早さとイレギュラーさを組み合わせるこの発声の特徴は、フレディ・マーキュリーがステージで魅せるエキセントリックで華々しい個性の演出に一役かっていた」と結論付けられました。
ではこうした発声法や歌唱法はフレディが自ら編み出したものなのでしょうか?
実は、これに近い歌唱法が中央アジアのアルタイ山脈周辺の民族に伝わる特殊な歌い方、喉歌(Tuvan、トゥバン)にあるらしいのです。ルーツは両親なのでしょうか?
いずれにせよ、
このフレディのエピソードから、私たちはたとえ何の変哲もないただの凡人であったとしても、工夫やアイデア次第で「光り輝く」何者かになり得る可能性もあるということです。
夢と希望、プラスαを胸に、一度きりの人生を大切に、存分に生ききりましょう!