ADHD当事者の体験に学ぶこと 【症例4つ】
ADHDの「症状」や「特徴」の現れ方は人それぞれです。育ってきた環境や性格・現在置かれている現状も個別に違うため、「対策」を一言で言うのは難しいのですが・・・
それでも、いろんな方々の体験談 (悩み) を知ることでホッと落ち着く部分もあるのではないでしょうか。そこで今回はいくつかの事例を記しておきたいと思います。
症例1
営業マンのAさん (30歳男性)は幼少の頃は活発で明るくクラスの人気者でした。 しかし一方で、漢字のテストではミスが多くなかなか点数が取れませんでした。
大学を卒業し、社会人となって28歳で結婚。現在は息子が1人いて幸せな家庭を築いていますが…
会社では
1. 仕事の進行状況が不明確
2. 数字が合わない
3. 順序立てて説明できない
といった困惑する状況が続いています。
その結果、
- 不安
- 焦燥
- 抑うつ感
を感じてしまい、ついには不眠症に!そこで居ても立っても居られず病院へ行ってはじめてADHDと診断されたのです。
「俺はADHDなんだ…」ということに気づきショックを受けますが、同時にこれまでの「生きにくさ」に合点がいき、少しホッとしました。
その後、薬物治療によりミスは減少し、全体の流れを把握して仕事をすることができるようになったということです。
症例2
30代の主婦Mさんは、3歳の男の子のお母さんです。結婚して専業主婦となり、家事全般を行っているのですが、なかなか思うようにはかどりません。
掃除、洗濯、料理、片付け・・・
優先順位がわからなくなり、自分が今何をしようとしていたのかさえ忘れてしまうことも。夕方になってから洗濯機を回すことだってあるのです。台所のシンクには汚れた食器が溜まりがちですし、「どうしてうまくできないんだろう?」と思い悩むまでになりました。
主人からは「もっとしっかりしてくれよ」と言われ、自己嫌悪の日々。。。
そんなある日、ふとテレビを観ていると、「片付けられないのはADHD(注意欠如・多動症・多動性障害)の症状のせいかもしれない」という話が。これを見たMさんは「自分もADHDなのかもしれない」と思い、病院を訪ねてみることにしました。
医師のアドバイスを受け、生活リズムを見直し、毎日のスケジュールを書き出すことを習慣にし、薬物治療をはじめてみると…
気持ちにゆとりが生まれ、笑顔が増えるようになっていったのです。
家事へのストレスが減り、前向きな自分に変化していったのです。
症例3
大学生のTさん (20歳男性) はテニスサークルに所属し、充実した日々を過ごしていました。人前ではいつも明るく悩みなどなさそうなTさんですが、実は「どうして自分はこんなにもダメなんだろう…」と思い悩んでいました。
- レポートの提出期限に間に合わない
- 出席日数が足りない
「留年になってしまう…」
他にも、
- 遅刻が多い
- 忘れ物が多い
- 約束を破ってしまう
といった特性が…
次第に憂鬱になり、専門外来で医師に相談してみると、ADHDということがわかったのです。医師は、「薬物療法は心理社会的療法をサポートするものです。心理社会的療法と薬物治療の2つを組み合わせて行うことによって治療効果を高めることができますよ」と説明してくれました。
治療をはじめて間もなく、Tさんの気持ちは上向きに!
症例4
25歳の主婦Fさんは、幼少時はヤンチャで、授業中はよく手を挙げ、指される前に答えて注意されるような子だったようです。
23歳で結婚し家庭に入りますが、「よく包丁で手を切る」「家事全般の段取りが悪い」「一生懸命やっているのに失敗ばかりする」・・・
夫婦喧嘩も多い・・・
ある日夫は、「もしかしたらこの人 (妻) は発達障害なのかもしれない」と思って病院で受診させます。
・・・
その後、薬物治療を行い、家事も夫婦仲もスムーズにいくようになりました。
まとめ
他にも、
衝動買いが止まらない、自分をうまくコントロールできないなど、「あれっ、私少し変かな?」「ちょっと人と違っているなぁ」と感じたら、一度受診してみてください。
適切な治療を行うことで本来の力を発揮できるようになり、自信も回復していきます。
いつまでも悩み続けていないで
希望と新しい生き方を獲得していってくださいね!
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