保険の「加入」「見直し」を考える際の重要なポイント

 

「何かあった時のために、保険にはやっぱり入っていた方がいいですよねー?」

これ、多くの方が家計相談でよく口にされる言葉です。

 

ほかにも、

「この保険、いいですか?」
「どの保険が良いですか?」

・・・

 

とにかく、「良いか、悪いか」が気になるようです。でも、ちょっと待ってください。そもそも、あなたに保険は必要なのでしょうか?

以下に述べる2つのポイントを参考に、もう一度よく考えてみてください。

 

 

ポイント① 必要性

 

🔵  死亡保険

あなたが家族 (親や子ども) を養っていて、万が一あなたに何かあった場合、家族の生活が困ってしまう…というのであれば「死亡保険」などの保険に加入する必要があるかもしれません。

そんな場合であっても、よくよく考えてみると、残された家族は国から遺族年金をもらえる可能性があります。うーん、実は、保険加入の必要性がない方もけっして少なくはないんですねー (この辺りの判断は、信頼できる専門家に相談されてみてください)。

 


🔵  葬儀費用

近年、「お葬式代ぐらいは (家族に迷惑かけず) 自分で残しておきたい」という方が多いようですが、そもそもお葬式費用っていくらぐらいかかると思いますか?

これはもちろん、人や地域などによって様々なのですが、一つの目安としては150万円くらいです (家族葬や直葬など、もっと安く済ませる方法もあります)。

 

ここで「お葬式のための」保険についてちょっと考えてみましょう。「お葬式のための」保険に加入していれば、いざ葬儀の際に必要経費は全て補填してくれます。しかしながら、果たしてあなたにこの保険が必要なのでしょうか?

あなたが会社員であれば、生きていれば受け取ったであろう (その時点の) 退職金を「死亡退職金」として給付してくれますし、個人型確定拠出年金や個人年金保険などで老後の積立をしていた場合、家族はその積立相当額を受け取ることができます。

 

加えて、あなたの預貯金など、資産の全ては家族が受け継ぐのです。これらのお金を合わせると、「もしものときのお葬式代150万円」は準備できそうな気がしませんか。

 

 

 

ポイント② 損か、得か

保険は、「貯蓄ではやりくりできない万が一に対して備えるもの」。そのため、本来は「平穏で保険金をもらうことがなければそれが一番良いこと」なのです。海外旅行傷害保険や自動車保険、火災保険などはその典型ですね。

例えば海外旅行傷害保険は、掛け捨て覚悟で旅行中の「安心」を買っているわけです。もしもの事態に備えて加入しているわけですから、「旅行から元気に帰ってきて、損をした」と考える人は少ないでしょう。

 

でも、これが入院保険となると意識が変わるようです。「入院してお金をもらって得をした」という方の声をよく聞きますが、実はこれ、給付金を受け取るためにそれなりの保険料を支払っているため、「損か得か」はよくわかりません。

例えば、医療保険の保険料を毎月3,000円として、これを10年間払い続けた場合、総支払保険料は36万円になります。この時、入院して受け取るのが日額5,000円だとすると、単純計算で72日間入院してようやく元が取れるわけです。

保険料を支払ってもしもの安心を買うわけですが、「私は (この10年間で) 72日も入院しないさ」と思うのであれば、(保険ではなく) 貯蓄で備えておいた方が得かもしれません (結果、どうなるのかは神のみぞ知る)。

 

 

 

まとめ

というわけで今一度、「社会保険」や「会社の制度」、「貯蓄・資産」などを計算し直し、各種「保険」が必要かどうかをじっくり考えてみましょう。その結果、「この保険は不要だった」というものが出てくるかもしれませんし、逆に「この保険は必要だ」というものが出てくるかもしれません。

「◯◯保険は不要」とわかっても、未だ不安が解消されない場合は「遺族年金」の制度をよく理解し、さらなる安心のために「貯蓄」「収入アップ」「支出削減」「投資」などの対策を考えてみましょう。

このように総合的に考えることで、「効果的」かつ「無駄のない」保険選びができるようになります。