保険の「加入」「見直し」で損をしないために
保険の「加入」と「見直し」で、「絶対にやってはいけないこと」って何だかわかりますか?
自らの意思ではなく「誰かの勧め」で加入してしまうこと。勧めるのは家族や友人、保険会社の営業職員、職場など様々ですが、この契約の際、ほとんどの方は商品の比較をしていません。
このような保険購入の在り方が健全であるわけがなく、気づかないうちに家計に大きな負担をかけてしまっているのです。以下のチェックポイントに1つでも該当する方は、今すぐ見直しを検討してみてください。
◉ 保険レディに勧められて契約した
◉ なんとなく、様々な保障が付いているから安心だと思っている
◉ 担当者が数年ごとに「保険の見直し」を勧めてくる
該当者は大損している可能性も…
以上のように、安易に保険に入ってしまうと大損してしまう可能性も!
例えば、定期保険 (死亡保障1000万円) をベースとして、そこにがん・心筋梗塞などの特定疾病に備える保険、糖尿病などの重度慢性疾患に備える保険、一般的な病気・ケガに備える医療保険を付けているとしましょう。
保障の範囲などにもよりますが、ある保険では「契約から15年間に支払う累計額は400万円」を軽く超えてしまいます。これを同じ保障内容のまま更新し継続すると、30年間で1000万円近くに達します。
この30年間の間に何事もなければ、この1000万円はパー…
「何事もなくてよかったぁ!」と素直に喜んでばかりもいられません。
適切な保険に入っていれば半額で済んでいた
例えば、上述した保険 (30年間で約1000万円も支払った) とほぼ同じ保障内容の別保険をみてみると、累計額はおよそ半額!
(不必要なものを省くともっと安く抑えることもできます)
その上、たとえ500万円以上の契約をする場合でも、貯蓄が増えたとき、子どもが成長したときなど、柔軟に見直せるものを選ぶことが重要だということを覚えておきましょう。
保険契約は長期にわたるものなので、 自由度が大事なんです。
なぜ人は保険の「加入」「見直し」を間違えるのか
では、どうして人は「大金を節約できる」にも関わらず、保険の加入時に綿密な比較をしないのでしょうか?
理由はシンプルで、数多の保険を吟味するのは非常に面倒なことだから。。。
契約する際には、否応なく「契約のしおり」「約款」などに目を通さなければならず、読み通すのは至難の業 (契約書は小さい文字で専門用語が並んでいる)。
保険金の支払い要件などを見ても、「別表 ◯◯ に該当し、別表△△の状態が60日間継続したとき」…などと書かれており、正確に読み解くのが非常に難しいのです。当然、「見直し」を勧められる際にもこの限りではありません。
しかも、1件でも多く契約を取りたい彼らは、自社顧客の「見直し」の方が契約成立に結びつきやすく効率が高いため、数年に一度、「見直し」を迫ってくるのです。
勧められるままに「見直し」の契約をし、以前は数百万円あった解約返戻金が、その後複数回の「見直し」によって10数万円に減額…なんてことも。。。
この時担当者は、「新しい保険を買うコストに充てたためでその分保険料は安くなっている」などと説明したりしています。
特に保障の必要性を感じていなかったにも関わらず、「もしも大病してしまったら」「もしも大怪我してしまったら」「もしもがんに罹ってしまったら」などとあれこれ考えてしまい、勧められるがままに保険に加入し見直しまで行ってきたのです。
「保険を解約し解約返戻金を貯蓄しておけば、ちょっとやそっとの病気には備えられただろう」と思うと残念でなりません。仮に、毎月の支払額が少なく、負担感を感じていなかったとしても、塵も積もれば山となります。
本来の保険の「見直し」は、子供の成長や貯蓄の増加、住宅購入などの節目で少しずつ「保険」から「貯蓄」へとシフトしていくものです。それを担当者に勧められるがまま「見直し」を続けていくと、貯蓄は増えず、いつまでも保険に頼らなくてはならないというジレンマに陥ってしまうので注意しましょう。
シンプルで割安な保険を選ぼう
とはいえ、これからの時代はさらに保険の重要性が高まっていくことでしょう。なぜなら、「税金」や「社会保険料」の負担が重くなる一方で、手取りの収入は減り続ける傾向にあるからです。
そこで私たちは、身の丈に合った保険を見つけて、みずからの家計を自衛することが求められます。では、保険選びはどうしたらいいのでしょうか?
まず、「他人に勧められて契約する」のをやめましょう!また、「様々な保障が付いているから安心」という考え方もやめましょう。もちろん、数年ごとの見直しに乗ってもいけません。
そもそも、無理して (背伸びして) 「保険」に加入した結果「貯蓄」ができない…となると危険なことこの上なしです。ちょっと手間はかかりますが、自分で調べて、比較検討して、「シンプル」で「割安」な保険を見つけることが賢明ではないでしょうか。
人生において、保険金や給付金を受け取れる状況はそうそう多くはありませんが、お金が足りなくて困る事態は結構な頻度でやってきます。
大切なのは、「できるだけ割安」な保険に加入し「必要な保障」を確保した上で、「貯蓄」や「投資」もしっかり行っていくこと。それこそが人生最大の保険になるのですから。