腹痛を劇的に緩和させる速攻ツボ押し術

 

「なんとなくお腹が痛い」「急にズキッとする痛みが」…このように、突然の腹痛に悩まされる方はけっして少なくありません。その原因は便秘・下痢・生理痛・ストレスなど多岐に渡ります。

薬を飲む…というのが一般的な対処法ですが、その前にまずはツボ押しを実践してみませんか?安心・安全なだけでなく、体質改善につながるかもしれないツボがあるんです。

というわけでここでは、腹痛に効果的なツボをいくつか紹介したいと思います。もちろん、原因によって効果的なツボは若干異なりますし、正しい知識も必要です。その点ご留意ください。

 

腹痛の主な原因は?

腹痛になる原因として、まず最初に考えられるのは

 
◉  過敏性腸症候群

・原因 :主にストレス
・症状 :急な腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど

 

◉  感染性胃腸炎

・原因 :暴飲暴食ストレスなど
・症状 :急な腹痛、吐き気、食欲不振など

 

このように、腹痛はストレス & 食習慣が原因となるケースが多いようです。ここで注意したいのは、「下痢」「吐き気」といった症状とともに急な腹痛が見られる場合、腸に異常がある可能性もある…ということです。

生活習慣の乱れによって、誰でも発症する可能性があります。そのため、少しでも気になったら速やかに消化器科・内科を受診するようにしてください。

 

 

 

女性の場合は「便秘」&「ガスだまり」の可能性も

便秘と腹痛には密接な関係があります。人は便秘になると腸内に腐敗ガスが溜まり、お腹が圧迫され、やがて腹痛になるのです。ちなみに、便秘の原因は「食物繊維不足」「水分不足」「運動不足」「睡眠不足」「冷え」などが考えられます。

生理中の女性であれば「ホルモンバランスの崩れ」が関係しているかもしれません。特に女性の方は、運動なし・大幅なカロリー制限だけ…という無理なダイエットを行うことで便秘に陥りやすい傾向にあります。気をつけましょうね。

 

 

 

下痢による腹痛を治すツボ

 

①  関元 (かんげん)

「関元」はおへそから指4本分下あたりにあるツボです。ここを刺激することで、下痢はもちろん生理痛にも効果があることが知られています。

特に過敏性腸症候群によるものに対して効果的です。なので、もしも会議中や電車の中で症状が現れたらこのツボを押して下痢止めを試みてください (指圧はあまり強くやらないのがポイント)。

 


 

②  天枢  (てんすう)

「天枢」はおへそから指3本分外側にあるツボです。このツボは特に大腸の機能を整えるのに効果的!「冷え」や「ストレス」などによる下痢止めに効果的なんです。「ストレスを感じやすい方」「もともと腸が弱い方」「寝冷えなどで腹痛を引き起こしやすい方」はここを指圧しましょう。

 


 

③  下痢点  (げりてん)

「下痢点」は中指と薬指の骨が合流する甲の中央あたりにあります。指先で軽く押して痛みを感じる方はここが腫れているケースが多く、腸の調子があまり良くない…ようです。この下痢点は、「暴飲暴食」「ストレス」「寝冷え」などが原因の下痢・腹痛に効果的!押し方は、強めにグッと力を入れたりグリッと揉んだり。

 


 

④  梁丘  (りょうきゅう)

「梁丘」はひざの約2.5cm上側、太もものやや外側にあります。このツボは、下痢中に異常活発となる腸のぜん動運動を正常化させるのに効果的!ただし、指圧の仕方に少しコツがあり、イスに座って行うのがポイントです。両手で握りこぶしを作り、小指の側面で約10分間梁丘をこすり続けます。

 

 

 

便秘による腹痛を治すツボ

 

①  便秘点  (べんぴてん)


 

「便秘点」は一番下の肋骨から指2本分下、背骨から指4本分外側のあたりにあります。このツボを確認し的確に指圧するのは大変かもしれませんが、胃腸との距離が近いため、便秘をはじめ腰痛にも大きな効果が期待できます。指圧の仕方としては、腰のくびれ部分に両手を置き、親指でピンポイントを押すようにするとやりやすいと思います。
 

背中ほどの効果はありませんが、耳にも便秘点はあります

 


 

②  大巨  (だいこ)

「大巨」はおへそから指3本分下、指3本分外側あたりにあります。この大巨は、便秘の中でも特に生理や妊娠初期の月経不順などに良く作用するようです。

つまり、生殖器系の不調による腹痛に重宝するツボと言えるでしょう。指圧するときは2点同時に押さえるのがポイントで、両手の指先を上手く使ってグッと力をかけると良いでしょう。

 


 

③  足三里  (あしさんり)

「足三里」はひざのお皿の外側、くぼんでいる部分からさらに指4本分下のあたりにあります。便秘のほかにも下痢吐き気頭痛など幅広い症状に効果が期待できます。

まさに万能のツボと言えるので、日頃から指圧しておきたいものですね。押し方としては、3本の指を中指のはらがちょうどツボにあたるようにあて、円を描くようにまわしながら軽く指圧してください。

 


 

④  神門  (しんもん)

「神門」は手首に広がっている横じわの小指側で、少しくぼんだところにあります。このツボは、精神的な緊張ストレスをほぐしたり、一時的なイライラ感を和らげたりするのに効果的!

そのため、ストレス性の便秘を起こしやすい方におすすめです。指圧は左手首と右手首、両方行ってください。少し痛いくらいの強さで約30回押すといいでしょう。

 

 

 

生理痛による腹痛を治すツボ

 

①  三陰交  (さんいんこう)

三陰交はくるぶし内側の頂点から指4本上のあたりで、ちょうど骨と筋肉の境目にあたります。生理痛は冷えから悪化することも多いですが、この三陰交はまさにこの冷えに効果的であると言えるでしょう。

押すときはゆっくりと息を吐きながら控えめに、そして息を吸いながら離すのが指圧のポイントになります (これを3回)。ちなみにこれで痛みを感じるようなら下腹部が冷えている…と言えるでしょう。

 


 

②  気海  (きかい)

「気海」はおへそから指2本分下にあるツボで、「気=生命力」「海=集まる」を表していると言われています。つまりこの気海は、「元気が集まるツボ」とも言えるでしょう。特に泌尿器系生殖器系に効果を発揮するツボで、疲れを感じやすい生理中やそれに伴う下腹部の痛みを生じたときに押してみるといいでしょう。指圧の仕方はゆっくりと控えめに。

 


 

③  腎兪  (じんゆ)

「腎兪」は背中にあるツボで、へその高さで腰に両手を置いたときに親指がちょうど届くあたりにあります。このツボは主に腰痛に効果的とされていますが、ほかにも腎臓の病気冷えなどいろいんな症状に対応しています。

つまり、腰が冷えることで悪化しやすい生理痛の緩和にも効果的なんです。指圧は位置の確認と同様、腰に両手を置いて行います。このとき、親指でクルクルと円を描くようにするのがポイントです。

 


 

④  合谷  (ごうこく)

「合谷」は手の甲にあるツボで、親指と人差し指の骨が合流するところよりも少し人差し指側にあります。押すとちょっと痛みが感じられる辺りです。この合谷の指圧は、生理痛以外にも全身の痛みに効果的!押すときは、骨の下の神経まで届くよう親指に力を込めるのがポイントです。

 

 

 

ツボ押し以外の腹痛を和らげる方法

 

①  マッサージ & 運動

腹痛を和らげる方法として、ガス抜きが即効性が高いことはご存知でしょうか?というわけで、マッサージや軽めのエクササイズをして、ガスを抜き、腹痛を改善させてあげましょう。中でも反時計回りにお腹をなでるマッサージは効果的ですよ!

 


 

②  身体を温める

身体を温めると腹痛は和らぎます。なのでツボ押しの際、カイロを使って行うとより効果的と言えるでしょう。さらに温かい飲み物を飲んでお腹を温めてあげましょう。

 


 

③  深呼吸をしてリラックス

腹痛を和らげる方法として、意外にも効果的なのが深呼吸です。身体の中に酸素をたくさん取り込むことで痛みが緩和されます。

 


 

④  お灸

お灸はほかの方法に比べて時間とお金に余裕がないと難しいのですが、その分ピンポイントでツボを温めることができます。腹痛解消と同時にリラックス効果も高いので、特にひどい腹痛に悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

「冷え」や「食べ過ぎ」が原因?と思ったら

温溜(おんる)を押してあげましょう!

 

 

温溜はひじを直角に曲げたときにできるシワの中央と、手首の親指側にある骨との中間にあります。腕をつかむようにして親指の先を当て、押したり離したりして刺激してあげましょう。

 

 

 

「ストレス」が原因?と思ったら

 

上巨虚(じょうこきょ)を押してあげましょう!

「上巨虚」はストレスが要因の腹痛に効果的なツボです。上巨虚は、上述した足三里から指3本分下にあります。両手の親指を重ね当て、気持ちよく感じる強さで3~5秒押して離す刺激を3~5分間繰り返します。