吐き気を伴う胃痛の原因と正しい対処法
近年、日本人は胃痛になりやすいといわれています。なぜなら、長年、繊維質が多く消化のよい和食に親しんできた私たちの胃袋は、食の欧米化に伴い肉食中心の食事になってきたからです。
消化に負荷がかかり、耐えられなくなっているのです。そこで今回は、「胃痛の原因と症状」「吐き気を伴う胃痛の原因と対処法」について書いていきたいと思います。
胃痛は様々な原因によって引き起こされます!
胃粘膜の炎症や損傷のほか、胃の筋肉がけいれんすることによっても起こり得るのです。
胃の粘膜を刺激するものとしては「アルコール」「カフェイン」「香辛料」「タバコ」などの刺激物が挙げられますが、アルコールやカフェインの場合は、適量であれば胃液の分泌を促す作用もあるので消化を助けるというメリットもあります。
もちろん、刺激物というのは辛いものだけでなく、熱いものや冷たいものなども含まれます。単純に、食べ過ぎ・飲み過ぎという不摂生も胃痛の原因となるのです。
気をつけましょうね!
さらに、ストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れも、胃痛を引き起こしてしまいます。
また、こうした生活習慣とは全く関係のない原因として、ピロリ菌が挙げられます。ピロリ菌は、胃を保護する粘液層で繁殖し、粘膜層を破壊し、胃の表面に炎症を起こすのです。何ともやっかいな存在ですねー。
(日本人の2人に1人がピロリ菌に感染していると言われています)
吐き気を伴う胃痛は、食べ過ぎ・飲み過ぎの時に感じることが多いのですが、これは胃に負担がかかり、胃粘膜に炎症が起こってしまうから。
また、ストレスによる自律神経の乱れも、吐き気を伴う胃痛を引き起こすことがあります。当然食中毒も、激しい胃の痛みと吐き気・嘔吐の症状を引き起こすのです。
<急性胃炎>
胃粘膜のただれによって、みぞおち辺りの痛みと吐き気のほか、腹痛、下痢を伴うことがあります。急性胃炎の原因は、ストレスや過労、暴飲暴食、不規則な生活、アルコール、刺激物の摂取など様々です。
<逆流性食道炎>
食べ過ぎや胃酸の出過ぎなどで、酸っぱい胃酸が込み上げてきます。喉がつかえた感じや、咳、声のかすれなどの症状が出ることも。
<胃潰瘍・十二指腸潰瘍>
胃や十二指腸の粘膜に炎症が起こり、粘膜がえぐられたような潰瘍ができている状態です。胃潰瘍の場合は、食事中や食後にみぞおち辺りが重苦しく痛みます。十二指腸潰瘍の場合、空腹時や胃酸の出やすい夜中にみぞおち辺りが痛み、食べ物を口にすると症状が落ち着くというのが特徴です。
<虫垂炎・腹膜炎>
急性虫垂炎の初期症状として、おへその辺りやみぞおちに激しい痛みと嘔吐があり、急性胃炎と間違われることが多いようです。虫垂炎が進行すると腹膜炎を起こし、適切な処置を施さないと生命に関わる危険もあります。暴飲暴食だけでなく、過労なども原因となります。
吐き気を感じた時は、安静にすることが第一です!
衣服をゆるめ、横になりましょう。軽い症状であれば胃の負担とならない消化のよいものを食べるようにし、様子をみてもよいでしょう。
また、副交感神経の働きを高めるために軽い運動を行ったり、体を温めたりするのも有効です。原因が食べ過ぎ・飲み過ぎ・ストレスとはっきりわかっている場合には、市販の胃腸薬を飲んでもよいでしょう。
ただし、胃痛や吐き気の程度が激しい場合や長く続く場合には、病気の可能性が考えられますので、必ず医師の診察を受けてくださいね。