肺がんの原因と初期症状について

 

肺がんは、肺や気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの理由でがん化したものです。日本においては、がんの中で最も死亡者数が多い病なのです。

(特に男性では、がんによる死亡のうち4分の1近くが肺がんによるものです)

 

進行するにつれ、周囲の組織は破壊され、血液やリンパの流れにのって拡がっていきます。近年、肺がん検診を受ける人が増えたこともあって「発見率は向上」しています。

しかしながら、肺がんは初期症状がなかなか現れず、初期段階の自覚症状がほとんどないため、発見された時はすでに…というケースが多いのです。

 

検診の受診率が上がり治療法が進歩しているにも関わらず、患者数が年々増加しているのは「(がんという) 自覚症状がない」からなのです。

咳がなかなか止まらない……3週間以上咳が止まらない。この場合、呼吸器に何か病気が発生しているかもしれません。そのうちの一つが肺がんなのです。

 

 

 

 

 

肺がんの特徴

肺がんには、「他の臓器に転移しやすい」という特徴があります。がん細胞は、規則性を無視した分裂を行って周囲の臓器へと広がっていくのです。

前述した通り、血流やリンパ系に入り込み、この流れにのって体の他の部分へと流れていくことも少なくないのです (転移)。

 

ご存知の通り、肺は呼吸によって取り込んだ酸素を身体の隅々にまで行き渡らせる…という役割を持つ器官です。そのため、体のあらゆる部分と関連性をもち、肺で発生したがんが全身に転移しやすいのです。

また、肺の周辺には重要な器官や臓器も多いため、肺がんが浸潤し転移が起こるケースも少なくありません。

 

 

このことを踏まえた上で、肺がんの原因と初期症状についてみていきましょう。

 

 

 

 

 

肺がんの原因
①  タバコ (喫煙)

肺がんの原因として最初に挙げられるのは「喫煙」です。喫煙者の肺がん死亡率は非喫煙者の4~5倍と言われています。

 

②  女性ホルモン (エストロゲン)

近年、肺がんの発症に女性ホルモン(エストロゲン)が関わっているという研究報告が発表されました。

月経の期間 (月経開始〜閉経までの期間) が長い女性や、エストロゲン補充療法を受けたことのある女性に肺腺がんの発症率が高いことが分かっています。

 

また、女性の中には肺の細胞に女性ホルモンがくっつく受容体を持っている体質の方がいます。こういった体質の方の場合、その細胞ががん化する可能性があると考えられています。

 

③  大気の汚染物質

大気汚染も肺がんのリスク要因です。人間は呼吸をするたびに空気中の様々な有害物質(細菌や雑菌、汚れやほこり、化学物質や黄砂など)を吸い込んでいます。

これらの有害物質は「気管」である程度取り除かれるのですが、肺まで届くものもけっして少なくありません。

 

その場合、肺の末梢部分にある肺胞で感知されて除去されるのですが、この時に発生する活性酸素が過剰になると正常な細胞まで傷をつけてしまうのです。

このことが、肺がんを発症させる一因となっているのです。つまりはPM2.5だって肺がんリスクの元だということを心しておいてください。

 

 

 

 

 

肺がんの初期症状とは?

肺がんは、他の病気と区別がつくような特徴のある病気ではありません。初期症状には、咳が出る以外に息切れ、胸が痛む、喀痰、血痰、発熱などがあります。特に8週間以上咳が続く場合、肺がんを含めた何らかの病気である可能性が高くなります。

このほか、多くのがんに共通する初期症状である全身の倦怠感、食欲低下、体重減少なども見られます。しかしながら、日本人の肺がんの多くは初期には特に目立った症状が見られません。

 

 

なので、

健康診断の際にオプションで肺がん検診を受けるなど、早期発見できるような心掛けが必要です。事実、初期の肺がんは、定期検診のレントゲン検査などで偶然見つかったというケースが多いのです。

 

 

 

 

 

咳や痰が止まらない場合は病院へ

肺がん以外にも、肺炎や結核など、咳は様々な病気のサインとなります。

そして、「肺がんの初期症状は風邪に似ている」ということを知っていれば、初期症状を見逃して進行がんに苦しむといった最悪のケースを回避することができるはずです。

 

最後に

肺がんは非常に進行の早い病気です。発生したら一刻も早く治療を開始する必要があります。少しでも気になることがあったらすぐに検査を受けましょう。

また、タバコは吸わないなど、普段から予防に努めることが重要です。早期発見さえできれば、肺がんは手術によって完治させることができます。

 

長く続く空咳や、痰の量の増加、胸の痛みなどを実感した場合には、できるだけ速やかに専門医の検診を受けてみてくださいね。

 

 

 


最終更新日:2017/12/16