「てんかん」の主な原因・症状・予防法 〜 加齢や発達障害が関係している場合も!

 

現在の日本は、4人に1人以上が高齢者 (65歳以上) という状態で、世界でも類を見ない「超高齢社会」になっています。そして、2035年頃には3人に1人が高齢者になると推計されています。

確かに「高齢化」は世界各国で起きているのですが、日本が「超高齢社会」に至った経緯はあまりにも急速で、介護負担の増大といった問題にもうまく対応しきれていないのが実情です。

 

参考までに、

総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率といいまして、

高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」14%を超えた社会を「高齢社会」21%を超えた社会を「超高齢社会」といいます。

 

日本がはじめて「高齢化社会」となったのは1970年です。それからわずか24年後の1994年には「高齢社会」、そしてついに、2007年には高齢化率が21%を超え「超高齢社会」となったのです。

(現在は、どんどん30%に近づいていっています)

 

 

そんな中、

皆さんは加齢に伴う「てんかん」が増えてきているという事実をご存知でしょうか?

「てんかん」は、てんかん発作 (けいれんなど) を繰り返す慢性的な脳の疾患 (病気) のことで、年齢・性別・人種に関係なく発病します。100人に1人の割合で、老若男女誰にでも発症する疾患なのです。

 

一般的な「てんかん」のイメージは、

「突然倒れて意識を失い、けいれんを起こす」大発作が挙げられます。一方で、体の一部が勝手に動いたり、会話の途中にぼんやりとしたと思ったらそのまま意識を失ってしまう…という小発作もあるのです。
 

 

 

 

「てんかん」の主な原因と症状

「てんかん」は遺伝する可能性があります。ですが、その遺伝子を受け継いだとしても、発作が発症するとは限りません。また、このような「てんかん」の多くは良性のため、治療しやすいと言われています。

 

 

ちなみに、「てんかん」の主な原因は2つ。一つは脳の病変が原因となる「症候性てんかん」。もう一つは、おそらくは神経細胞の過敏性が原因だとされている「特発性てんかん」です。

 

  もうひとつ、その原因がはっきりとわかっていないものを「潜因性」と呼ぶ場合もあります。

 

 

 

 

そして、

前述した通り、「てんかん」の主な症状は発作です。

 

◉  意識を失い、倒れてしまう大発作

◉  体の一部が勝手に動く部分発作

◉  話の途中などで急にぼんやりしてしまう発作

◉  見た目ではわからない自覚症状のみの発作
 

 

 

 

急増する高齢者の「てんかん」

繰り返しになりますが、一般的に「てんかん」と言えば、「けいれん」のイメージが強いのではないでしょうか。

ただ、近年急増中の加齢発症てんかんの特徴は、ボーッとしているように見えるだけ。。。

 

 

その間、本人は意識を失っており、入浴や車の運転時に起こってしまうと危険です。治療には薬がよく効きます。周りの人が、「もしかしたらてんかんでは?」と気づいてあげることが重要なのです。

そして、歳をとってから起きる「てんかん」の原因はいくつかあるのですが、大きく分けると2つ。

 

一つは「器質的てんかん」と呼ばれるものです。これは、脳卒中後や外傷後のてんかんなど、脳が傷ついて起こります。脳に異常が起きるという意味では上述した「症候性てんかん」に分類されるでしょう。

もう一つは、加齢に伴う「てんかん」です。こちらは、健康だった人が突然発症することが多いのです。脳の複雑な部分発作で、外見はボーッとしている、あるいは寝ているだけで、周囲の人が気づきにくい場合もあるのです。

 

加齢に伴う「てんかん」は症状が非常に地味で、医師にとっても診断が難しいことが多いようです。たまたま周囲が気づいて受診しても、「てんかん」とはわからず、うつ病や認知症と誤診されてしまうことも。
 

 

 

 

「てんかん」と発達障害の合併

加齢性てんかんの話とは全く異なるのですが、、、

 

「てんかん」に合併する症状に自閉症スペクトラム障害ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害があります (発達障害は脳機能に先天性の障害があるため、幼児期から発達に何らかの遅れや困難が生じる障害のこと)。

この発達障害と「てんかん」には共通の遺伝子変異があり、脳内の情報伝達を行う神経回路形成に異常が示唆されています。また、「てんかん」を発症していない発達障害者でも、発作性の脳波異常が認められています。

 

 

「てんかん」でみられる神経細胞の興奮・抑制バランスの崩れがどのようにして発達障害を引き起こすのかについては、現時点ではその因果関係は明らかになっていません。

ただ一つ言えることは、発達障害を持って生まれてきた人は、「てんかん」を合併している可能性もある、ということです。心当たりのある方は一度、医療機関で相談されてみてはいかがでしょうか。

 

そして、場合によっては「てんかん」で、障害者手帳を取得することができます。

合併症がなく、「てんかん」のみが疾患としてある方は「精神障害者保健福祉手帳」を取得できます。合併症がある場合は、それぞれ身体障害者手帳や療育手帳などと合わせて取得すれば支援の幅が広がります。
 

 

 

 

「てんかん」発作の予防策

 

🔵  睡眠不足をできるだけ避ける

🔵  「特発性てんかん」の方は飲酒を控える

 

🔴  刺激を避ける

刺激が原因で起こるてんかんのことを「反射てんかん」といいます。発作の引き金になる刺激は人によって異なりますが、強い光や特定の音、計算や読書などがあります。発作の誘因が明らかなら、それを避ければ発作を減らすことができます。

 

 

 

 

おわりに ☆
「てんかん」は、年齢や性別に限らず発症し、多種多様な発作を引き起こします。場合によっては「てんかん」と気付かれにくい発作もあります。

仮に正しく「てんかん」と診断を受けたとしても、治療で発作が良くならない…という場合だってあります。このような場合には、「もう一度検査を受ける」「セカンドオピニオンを求める」ことも一つの手段です。

 

ぼんやりとしてしまう意識障害を伴う「てんかん」の場合には、本人や周囲の人たちが発作に気づきにくいかもしれません。

いずれにしても、「てんかん」は、発作によっては周囲の協力や助けが必要になる場面が多々あります。必要な時にサポートをしたり受けたり、といった相互の協力が大切になってきます。

前もって、支援を受けられる体制を整えておきましょう!

最終更新日:2017/12/14