知的障害の息子に見事な教育をした母親の愛

皆さんは、知的障害の人に会ったことありますか?

 

街中や電車、バスの中などで奇声をあげている人や、会話でうまくコミュニケーションを取れない人…

見たことあるのではないでしょうか?

 

知的障害とは、

知的な能力が明らかにその年齢の平均よりも低く、発達が遅れとどまっていることを言います。知的発達の遅れが発達期 (18歳未満)までに出現し、日常生活や学習面に支障のある状態です。

 

つまり、金銭管理や読み書き、計算など、日常生活を送る上で頭脳を使う知的な行動に支障があるのです。

 

 

 

知的障害者の特徴

 

・感情のコントロールが苦手

・18歳以上でも、小学校5〜6年生程度の学力にとどまることが多く、少し理解力が弱い

・わからないことがあっても「わかりません」と言えない

・ぱっと見ても障害があることはわからない

・難しい会話が苦手で理解できない

 

・素直なため、人の悪意がわからず騙されやすい

・コミュニケーションがうまく取れない

・人付き合いが難しい

・社会適応力が弱く、環境に慣れるのに時間がかかる

・一般常識が通じにくいことがある

 

知的障害の息子に見事な教育をした母の愛

 

・暗黙の了解が通じない

・自由時間を適切に過ごす方法を見つけにくい (趣味を持たないなど)

・応用が苦手

・いつもと同じであることに安心する (変化が苦手)

・自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手

 

・合理的な判断をすることが難しい

・法的なことなど、複雑な意思決定が難しい

・難しい漢字が書けない

・難しい計算ができない

・何かを習得したり覚えたりするのに時間がかかる

・おっとりしていたり、ぼんやりしているように見える

・ストレスに弱い

 

など…

 

以上はあくまでも一例です。知的障害の人皆がこれらの特徴を全て持っているわけではありません。

 

また、一口に知的障害と言ってもその程度は様々で、一人ひとりの特徴は異なります。知的障害は知能指数 (IQ) だけで判断されるのではなく、「適応機能」と合わせて判断されるということも覚えておいてください。

 

 

 

 

知的障害者の現状

知的障害の原因・特徴・症状

多くの方は、「あの人おかしい。怖い。」などの印象を持つかもしれませんね。でも、そんなことはありません。

精神科での正式名称は「精神発達遅滞」と言い、全人口の1%はいると言われているんですよ。思ったより多くありませんか?

 

知的障害の定義はIQ70以下とされており、その85%はIQ50〜70の軽度の方々です (ちなみに、IQ50は10歳程度の知能とされています)。

でも、実際に話をしてみると素直な方が多く、周囲の人たちに安らぎを与えるオアシス的な方が多いんですよ。

 

原因としてはダウン症などの染色体異常や、未熟児、出産後のてんかん発作、頭部外傷、発達障害の合併症など…

基本的には一生治りません。

 

ですから、そのハンディキャップを背負った人生を、両親が生きている間にいかに社会に適応させていくかが勝負なんです。

 

 

今回は、そんな知的障害者の方とそのお母さんのお話をさせていただきたいと思います。

 

 

 

知的障害の子供とその母親の物語

この物語は、40代の知的障害男性健二さんとその母親裕子さんの、勇気と希望のお話となっています。

 

 

母の努力

知的障害者への支援と就職の現実

健二さんは出産時に未熟児として生まれ、その後の発育も遅滞、幼児期のIQは40ほど。精神発達遅滞としては中度レベルです。

健二さんは他人とうまくコミュニケーションをとることができず、、、

 

この現実に対して裕子さんは、子供の頃から徹底して暴力を振るわないよう、大声を出さないよう教育してきました。小学校では特別学級で、その後は養護施設へ。

この時裕子さんは、これまで勤めていた会社を辞め、息子が通う養護施設で働くことにしたのです。

 

もちろん、息子を特別扱いすることは一切なく、他の子供たち同様、立派な大人になれるよう、厳しく教育していったのです。

 

やがて、成長した健二さんに一般企業就職の話がきました。通常IQ40程度の場合、社員の多い一般企業への就職は難しいのですが、親としてはこんな嬉しいことはありません。

しかし一抹の不安もあります。

 

そこで裕子さんは、養護施設を辞め、自身も健二さんと同じ会社に勤めることにしたのです。

 

 

 

 

不器用、それでも一生懸命に働く健二さん

知的・発達障害者の就活事情

健二さんの仕事は自動車工場の塗装の仕事。簡単な作業なのですが、知的障害の健二さんにとっては非常に時間のかかるものでした。

 

それでも、工場で一番早く出勤し、職場の掃除をし、一番最後に仕事を切り上げていたのです。

一般的に障害者枠での就職は賃金が安いのですが、こういう素直で不器用なところが知的障害・発達障害の特徴でもあるんです。

 

コミュニケーションをうまく撮れないにも関わらず、健二さんの一生懸命さ・真面目さが評価され、工場の従業員には好かれ、驚くことに一度もトラブルを起こすことはなかったのです。

一般的に、ストレス耐性の低い知的障害の方たちは、少しのストレスでも身体症状をきたしたり、意識消失発作を起こしたり、うつ状態になったりしやすいものなので

 

 

 

 

イジメ…

障害者へのイジメは厳罰とすべし

工場に勤めて8年が経ちました。相変わらず休まず真面目に働いていたのですが、近頃どうも、体にあざを作ってきたり、顔に落書きをされて帰ってくるようになったのです。

裕子さんは何度も会社の社長に「イジメがあるのではないでしょうか?」と相談しますが、本人がうまく喋れないため事実はわかりません。

 

社長は「気になるようであれば辞めてもらってもいいですよ」と気のない一言。

 

実際には、リストラ転職で入って来た中年の男性が「なんでお前みたいなやつがここで働いているんだ!」と暴力を伴うイジメを行なっていたそうです。

 

本人はそのことを誰にも言いません。

裕子さんにも話しません。

 

それでも「絶対におかしい」と感じている裕子さんは、ストレスから来る病気として医師に診断書を書いてもらい、「しばらく病欠させたい」と申し出ようと考えたのです。

それでも本人はニコニコしながら「休まずに会社に行きたい」と訴えます。

 

 

裕子さんは目に涙を浮かべ、しばらく黙り込んでしまいました。

 

 

 

最悪警察へ通報することも視野に仕事を継続

生まれつきハンディを背負いながらも厳しい世間から受け入れられるよう熱心に根気よく教え、ストレス耐性を強くしていった母親の裕子さん。

「私がいなくなっても、一人でしっかりと生きていけるように…」

 

 

「ここまで来るのにこの子がどれだけ苦労し努力してきたことか」

「なぜ、イジメられなければならないの?」

 

裕子さんは悔しくて仕方ありません。

 

 

しかし、健二さんが笑顔で「会社は休まない」と言い張る以上、本人の意思を尊重しようと覚悟を決め、「もし、ひどいことになったら絶対に警察へ通報するんだ」という思いで息子を働き続けさせることにしたのです。

 

その後、イジメは発覚し、加害社員は辞めさせられ、健二さんにとってはまた平穏な日々が続くこととなるのです。

 

 

 

終わりに

知的・発達障害者家族の対応方法と社会のサポート

知的障害に限らず、自閉症や精神疾患を抱えている人たちは、周囲の対応次第で暮らしやすさが大きく変わってきます。

 

「うちの子は他の子と違うから。」

「かわいそうだから」

 

と過保護にし過ぎてしまう親も多いのですが、やはり、裕子さんのように、一人でも生きていけるように厳しく育てていくべきなんだと思います。

知的レベルが軽度の方でも、過保護に守られた環境で育てられてしまうと「引きこもり」になり、社会に適応するのが難しくなってしまうのです。

 

先天性の疾患や発達障害にも言えることですが、「治らない」ことを覚悟の上で、できるだけいろんな所に行かせ、本人のペースでゆっくりと、社会性・対人関係を身につけさせる必要があるのです。

 

その子が一人で自立して生活できるレベルまで持っていくことが、親としての役割なのではないでしょうか。

 

 

 

そう考えると、裕子さんはどんなに頑張ったことでしょう。

 

 

皆さんも、周りに知的障害の方をいたら是非考えてほしいのです。

 

彼らは子供の頃から大変な想いをした過去があり、その裏には、ものすごく頑張っている家族がいるということを…

 

 

今も笑顔で働き続ける健二さん…

その姿を温かく見守る裕子さん…

 

 

いつまでもお幸せに!

 

 

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