厚生労働省の調査結果によれば、日本人の平均寿命は男女ともに過去最高を更新し続けています。今後この長寿化はまだまだ続き、90歳まで生きる人はさらに増加していくことでしょう。
一方で、「職業病」により余命を短くしている方も少なくありません。あなたも、日頃の業務上の慣習やルーティーンワークから、知らず知らずのうちに体が蝕まれているかもしれません。
早死にか?長生きか?
あなたの仕事はどちらに属する職種だと思いますか?
もちろん、寿命には「遺伝」「生活習慣」「食事」「運動」「友達の数」など、いろんな要素が複雑に関係していますが、ここでは「仕事」との「関係を掘り下げて考えてみたいと思います。
例えば、以下に挙げるような職業は寿命を縮めやすいと言えるかもしれません。
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◉ 座りっぱなし
◉ 運動不足
このため、血管の病気が多いのがタクシーの運転手です。脚の血管が詰まり、壊死する閉塞性動脈硬化症という病気になりやすいとも言われています。
おまけに待ち時間などにタバコをよく吸うため、血管を傷め、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こしやすくなるというのです。
同じような生活習慣に陥りやすい職業として、ほかに作家や漫画家なども挙げられます。一方で、同じ運転手でもバスの運転手はどうなのでしょうか?
実は、時刻表の決まっているバスの運転手は、3分遅れたら3分取り戻さないといけないという焦り (ストレス) が大変なようです。スピード違反も信号無視もできませんし、遅れたままだと査定に響く。。。ストレスで心臓病の危険大なのです。
国交省の報告では、道路輸送業者の脳・心臓疾患による過労死の多さが指摘されています。その点、長距離トラックの運転手は想像するほど「悪くない」ようです。
もちろん、人によっては「座りっぱなし」「運動不足」「喫煙」といった悪習が慢性化している方もいるでしょうが、タクシードライバーと違い、『次のドライブインで休憩しよう』と自己管理で調整できる点が良いようです。
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肉体を酷使するガテン系職業の方はどうなのでしょうか?かつては3K (危険・きつい・汚い) と言われた建設業ですが、近年は加工技術が進歩し、「あらかじめ加工した木材などをプラモデルのように組み立てる仕事」と変化しているだけに、現場での危険度は下がっています。
こうしたことから、事故死するリスクは減ってきています。
一方で、流れ作業的な業務に従事している人たちは「達成感が少ない」ため、ストレスが続き、健康に良くないと言われています。
逆に整備工の人たちなどは達成感こそあれ、粉塵被害に遭っています。労基法でマスクを装着するなどのルールはあるのですが、実際には夏の暑い日などにマスクをつけない人も多いのです。
そういったことを総合して考えてみると、古い建物を解体する解体業者の方は寿命を縮めているのかもしれません。
粉塵マスクが義務づけられているにも関わらず、実際には使用せず、アスベスト公害などで呼吸器を悪くするケースが多いのです。というわけで、建設業においては作るよりも壊すほうがリスクが高いと言えるでしょう。
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牛丼チェーンなどの飲食店店長は、「バイトが言うことを聞かない」「上からは叱られる」「ノルマがきつい」といったことから「過労死」「うつ」「燃え尽き症候群」になりやすい職種と言われています。
他にも、スーパーの店長なども中間管理職的な立場の人たちですから、飲食店店長と同じです。儲かってうまくいってればいいのですが、そうでなければ「働きずくめ症候群」に陥ってしまうのです。
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「中間」でもキツイとなれば、サラリーマンならその下に位置する最前線の営業マンはどうなのでしょうか?
確かに、歩くことは体にいいのかもしれませんが、飛び込み営業 (のストレス) などは寿命を縮める原因の一つになってしまいます。また、食事が不規則、早食い、ノルマ地獄。。。
いきなり脳梗塞や心筋梗塞にならないまでも、逆流性食道炎や胃潰瘍になる可能性は高いと言えるでしょう。
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営業マンはしんどい…ということであれば、いっそ脱サラをしてラーメン店経営に転身したらどうでしょうか?でも、ラーメン店を経営するとなると必然的にラーメンばかり食べる食生活になってしまうし忙しくて長生きしにくいのでは、と思っていませんか?
例えば、元祖つけ麺で有名な「大勝軒」のオーナー山岸さんは80歳まで長生きされました。
ラーメン店の店長という職業は意外に長生きなのです。むしろ、毎日何杯もラーメンを食べているラーメン評論家の方が偏食傾向にあり問題のようです。そういった意味では、テレビのグルメレポーターもアウトです。
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夜のお仕事の方も、生活習慣の乱れという点においてはかなりリスクの高い生活を送っていると言えるでしょう。「夜働いて朝寝る」という逆転生活は、昼間にしっかりと眠れていれば特に体に悪影響はありません。
ただ、スナックなどは客のボトルをいかに減らすかが仕事なだけに、『一杯いただいていいかしら?』と自分も飲んで稼がなければなりません。売り上げのために飲む酒は、確実に肝臓を壊します。
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例えば、警察官の仕事は24時間勤務を3交代制ですが、使命感や達成感があるためポジティブに仕事に頑張れます。基本的に体が資本なので、自己管理は徹底しており、体力作りや筋トレもしているので消防士の方に肥満はいません。
そういった意味では、警察官や消防士といった職業の方は体は健康なわけですが、むしろ仕事の現場が危ない、と言えるでしょう。
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官僚の社会は、「コネ」「学歴」「しがらみ」がモノを言います。実力が全てではない特殊な世界なのです。こうした理不尽がまかり通るため、うつなどで自殺する人が多いのです。
そんな中、人を踏み潰してでも上に這い上がっていこうとする逞しい人間が国会議員としてやっていけるのでしょう。厚顔無恥な人は健康長寿なのかもしれません。
一方で、公務員の中で最も厳しいのは教師とも言われています。現代社会において、一番かわいそうな職業は教師なのかもしれません。教育委員会・親 (モンスターペアレント)・生徒・同僚…まさに四面楚歌でストレスが半端ありません。
教頭になったとたんうつになり、平教師に戻った人も少なくないようです。ラーメン店なら嫌な客に『代金はいらんから出て行けっ!』と言い放つことができますが、生徒や親を追い出すわけにはいかない教師は悲惨です。
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放射線技師は、昔は患者と一緒の部屋に入っていましたが、今は隣の部屋にいるのが普通なので問題ありません。むしろ、心臓カテーテルの手術をする医師は要注意です。鉛のエプロンなどで防御してはいるのですが、毎日手術をしている医師は被曝量が高くなります。
ですから、循環器のカテーテル班になると精子が減り、女の子しか生まれなくなると言われています (医療業界の都市伝説)。
そして、一般的に医師が長生きするかどうかはその人次第なところがあります。身を削ってでも人のために働き続けてしまう医師は疲弊して早死にする可能性がありますし、休日のゴルフを謳歌しながら適当にうまくやっている医師などは長生きするでしょう。
夜勤のある看護師は、きつい仕事だけに早死にだと言われているようですが、実際はローテーション勤務で週休2日が保たれています。極端な話、患者が死にかけていても時間がくれば交代できるのが看護師です。
その点、厳しいのは介護士です。夜中に呼び出され汚物の処理。。。看護師よりも安い給料で、心身ともにストレスが溜まります。介護士が新3K職となるようでは日本の未来は暗くなるばかりですね。
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放射線の見えない恐怖と闘っているのは、医療現場の放射線関係者だけではありません。高度10,000mの上空 (放射線量が激増するエリア) で働いている航空機乗務員もそう。
乗客としてたまに乗る分には問題ないのですが、ほぼ毎日空を飛んでいる航空機乗務員たちは、積算すると被曝量が高くなります。ガンとの関係性はあまり表になっていませんが、健康被害のリスクがあることは間違いないようです。
いかがでしたか?
あなたの仕事は大丈夫でしょうか?
農業従事者の方は農薬の怖さを知っているだけに、自分たちが食べる分は農薬を使っていません。
一番良いのは世襲制で働いているお坊さんかもしれません。世襲制でとにかく安定した仕事ですし、ストレスが少なくて済みます。
というわけで、「健康長寿」という観点から見た場合、教師、中間管理職、タクシー運転手、美食家‥‥などの皆さんは注意が必要です。
偏った生活を改めることができるかどうか。ただ、長生きできるような生活を続けていると、「その世界」では成功できない可能性があります。成功 (出世) を取るか長生き (健康) を取るか。あなたならどちらを選びますか?