産後うつとステージ恐怖症に苦しんだアデル!ジョージ・マイケルに愛の歌を捧げる
グラミー賞で5冠を達成した、イギリスが産んだ世界的な大人気歌手のアデルは産後うつと闘い、壮絶なステージ恐怖症から何とか抜け出して、その体験談をインタビューで以下のように語っています。
◉ 産後うつについて
「私は2012年の息子アンジェロの誕生後、ひどい産後うつになってしまいました。本当に恐ろしかった。」
加えて、投薬治療を拒否したとも語っています。
「このことは誰にも話さなかったわ。とても嫌だったのよ。」とアデルは続けます。「ボーイフレンドは私に、他の妊娠女性とも話すべきだって言ったけど、私は"冗談でしょ?ママ軍団とは絶対につるまないわ"って言ったのよ。」
「そうしたら気づかないうちに、妊婦さんや子持ちの女性に引き寄せられていた。彼女たちの方が少しだけ忍耐強いって分かったからよ。誰かに話しかけておきながら実は聞いていない、というのはものすごく疲れているからなの。」
結局のところ、アデルが産後うつとの闘いを"終らせた"のは、友人と心を通わせて話せるようになってから…だそうです。
「私の考えていた産後うつというのは、自分の子どもと一緒にいたくなくなることなの。子どもを傷つけてしまうのではないか、よい仕事をしてないんじゃないか、と心配になるのよ」
「だけど、私の場合は子どもに夢中だったわ。自分はとても無力だと感じた。人生で最悪の決断だったと感じたの。人によって様々な形で現れるものなのよ。」
◉ 「ステージ恐怖症」克服と、有名人であることの葛藤について
そしてアデルは、彼女にとってほとんど致命的とも言えるステージ恐怖症との闘いについてこのように語っています。
実はアデルは、キャリアが始まったばかりの頃、ステージ恐怖症が原因の"噴出性嘔吐"に悩まされていました。人知れぬ苦労の末、アデルはこの問題をどうにか克服しましたが、当時、儲かるツアーを辞めてしまうことに何の躊躇もなかったそうです。それほどまでに、彼女は追い詰められていたのです。
「レコード作りは今でも大好き!でも、喝采はもう二度と聞かなくても平気よ。ツアーに出るのは私のことを助けてくれたみんなに会いたいだけなの。」とアデルは言います。
「お金はどうでもいいの。お金目当てでやってるんじゃないしね。お金は、私の人生では重要ではないのよ。」
事実、アデルは彼女の昔話を売った家族や、彼女の写真を新聞社に売った幼なじみなど、彼女の存在で自分の周りの人々が変わってしまったことを目の当たりにしてきました。
「お金になるから、、、ということは理解するわ。けれど、仕事をもらうことだってできたでしょうに。問題は、名声にはそんなマイナス面があるってことなのよ。」
「多くの人たちには希望があって、その希望にしがみついて生きている。例えば、有名になりたいとか、賞賛されたいとか、何かを創りたいとか、良いことをしたいとか。」
「お金はみんなをおかしな方向に走らせるわ。まるでお金に脅されているように。私がそのいまいましいお金を着ているみたいに見えるのよ。」
そんな彼女は「子供を産まなかったら音楽の世界に戻ってはこなかった」とも言います。
ジョージ・マイケルの追悼歌を途中で中断したアデル
2017年2月、アメリカ・ロサンゼルスで第59回グラミー賞授賞式が開催され、スーパースターたちが集結。ここでアデルは5冠を達成したのです。
- 「年間最優秀アルバム」(『25』)
- 「年間最優秀レコード」(『ハロー』)
- 「年間最優秀楽曲」(『ハロー』)
- 「最優秀ポップ・パフォーマンス(ソロ)」
- 「最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム」
ビヨンセ、リアーナとの3強女子対決を制したのです。アデルの主要3部門独占は2012年以来2度目の史上初の快挙となりました。
アデルは受賞スピーチで壇上に立つと、大ファンと公言しているビヨンセに向かって「私たちアーティストは皆、あなたを尊敬し憧れている。あなたは私たちの光なの」と、アルバム『レモネード』への称賛を伝えると、その熱い思いを受け取ったビヨンセが涙ぐむシーンも見られました。
そんなアデルはジョージ・マイケル (2016年12月25日、53歳で死去) の追悼コーナーで、彼のVTRをバックに「Fast Love」を歌い始めたのですが、音響の問題を察知した彼女は歌うことを突然やめてしまったのです。
そしてこう言ったのです。
「本当にごめんなさい。でももう一度最初から歌わせて!この歌はジョージのためにもしくじるわけにはいかないの!」
アデルはどうしても完璧な歌をマイケルに届けたかったのです。彼女の真摯な表情を汲み取った会場からは暖かい拍手が起きました。
そして、再度のチャレンジで完璧な歌を天国のジョージ・マイケルに届けることができたのです。歌い終えたアデルは万感の思いからかしばらく客席に背を向けて立ち尽くし、振り返ると目に涙を浮かべていました。