強迫性障害の一つ「自己臭恐怖症」の原因と対策

 
「潔癖症」「物が捨てられない」など、1つのことに異様なまでに神経を払う症状を「強迫性障害」と呼びます。

ところで「マインドコントロール」ってご存知ですか?誰かによって思考や感情を操作されてしまう、いわば洗脳ともよぶべき技術です。

 
明石家さんま司会の人気テレビ番組「ホンマでっかTV」では、日常に潜む「マインドコントロール」が特集されていました。

宗教や洗脳といったイメージが強い「マインドコントロール」ですが、実はあなたの身の回りにはすでに「マインドコントロール」だらけだったのです。

 

 そこでここでは、「マインドコントロール」「強迫性障害」そして「自己臭恐怖症」について順に解説していきたいと思います。

 

 

 

「マインドコントロール」の方法

「マインドコントロール」とは、主に他の人の心理状態や情報をコントロールすることによって、特定の目的・意思・態度に誘導させる技術のことです。

悪徳商法であったり、宗教団体が人の弱みにつけこみ信仰心を持たせるなどといった犯罪に利用される場合もあります。
 

マインドコントロールの種類と方法

 
 

《マインドコントロールの方法》

 

☆ 思考操作

相手に誰か特定の人を絶対的な存在だと思わせ、そのグループの考え方が唯一無二の真理だと思わせること
 

☆ 感情操作

何か特定なことをこの上ない喜びだと思わせたり、過剰な自責の念を抱かせるようにすること
 

☆ 情報操作

都合の悪い情報を、「悪いもの」「間違っている」として遮断させること
 

☆ 行動操作

同じような状況にあるもの同士、常に集団やコンビで行動させるようにして、互いの行動をコントロールしあう役割を持たせること

 

 

 

日常に潜む「マインドコントロール」
例えば、レストランなどで太った店員が注文を取りに来ると、つい多めに注文してしまいます。また、ラーメン店などで凝った書体でメニューが書かれていたりすると美味しそうに感じてしまいます。

 

さらに、棚の右側に置かれている物が一番よく売れたり、「あなたしかいないの」という女性の言葉に騙されてしまう男性の心理なども、人間の習性を利用した「マインドコントロール」の一種と言えるでしょう。

 

 

 

マインドコントロールで自分を操作されないために

 

■できるだけ偏らない情報を取り入れるようにする

■特定の人やグループとのみ付き合うことを控える

■「自分自身」の意見や考え方をしっかり持つこと
 
 

さて、ここからが本題です!

 

 

 

「強迫性障害」の種類・症状・対処法
強迫性障害の種類・原因・対処法
 
強迫性障害は精神疾患の一つで、不合理だと自分でわかっていても、自分の意志に反して何かを繰り返し行ったり思考したりしてしまうものをいいます。

 
 

「縁起強迫」

《症状》

宗教的に間違ったことをしたり、縁起の悪いことをして病気や不運を招いてしまうのではないかという恐怖を抱く症状。

《対処法》

一般的に、強迫性障害に対する行動療法として、曝露反応妨害法と呼ばれる、恐怖・嫌悪感を曝露させたうえで、儀式的な行為を禁じるという方法が用いられます。 また、抗うつ薬を中心とした薬物療法やストレスの軽減なども強迫性障害に効果があると考えられています。
 
 

「不潔強迫」
《症状》
いわゆる潔癖症と呼ばれる症状です。
 
《対処法》

前項同様、行動療法として、本人が汚い、不潔だと思う行為を行い、手洗いや頻回な入浴をしないでおくことが治療法といえるでしょう。
 
 

「確認・加害強迫」
《症状》

確認強迫は、家の火の元、鍵・水道蛇口の閉め忘れなどが気になって何度も家に戻って確認してしまうもの。

加害強迫は、自分が知らないうちに人に危害を加えているのではないかと恐れるもの。


 
《対処法》

こちらに対しても、確認に一度も戻らないで一日過ごしてみる、といったやり方が治療上有効なようです。

 
 

「保存強迫」
《症状》
大事なものを捨ててしまったらどうしようという恐怖感から、ものを捨てられずため込んでしまうものをいいます。
 
《対処法》

そのほとんどが全く不要なものなので、家族など他人の協力を得ながら思い切って整理し捨てる、少しずつ不安に慣れていくという方法が治療に有効と言えます。
 
 

「不完全恐怖」
《症状》
本人にとって、ものが完璧な順番や秩序を保って並べられていないと不安が強くなるものを指します。

 
《対処法》
わざと本人の秩序と違うように物を並べてそのままにし、不安に耐えるトレーニングを行います。

 

 

以上のような強迫性障害は、精神疾患の中でも特に「治療の難しい病気」とされています。

ストレスが症状の悪化に影響を与えるケースが多いので、ストレスマネージメントを同時に行っていくことも大切なことなのです。
 

さて、

 

これまで述べてきた「マインドコントロール」や「強迫性障害」といったものの仲間として、「自己臭恐怖症」というものがあります。

 
 

自己臭恐怖症の原因・症状・解消法

自分の臭いが異常に気になってしまう…

 

近年、「スメルハラスメント」が社会的問題にもなっていますが、体臭や口臭に過敏になり過ぎることによって、自分の体臭に不安を感じる人たちが増えてきているようです。

 

 

 

「自己臭恐怖症」の原因と症状

「自己臭恐怖症」とは、自分の身体から不快な臭いが出ているために、周囲の人から「くさい!」と思われているんじゃないかと思い込むこと。

この原因としては、過去に、周囲の誰かに自分の臭いを指摘されたことがきっかけとなっています。几帳面で細かいことを気にしやすい性格の方に多い傾向があります。

 

自己臭恐怖症は強迫性障害の一種

 

《症状》

■自分の口臭・体臭などが人から嫌がられていると思い込む

■人の何気ないしぐさや行動が自分の臭いのせいであると思い込む

■自分の臭いが気になって人と接するのが嫌になる

■狭いところに人と一緒に入ることを恐れる

■自分の臭いを気にしすぎて生活が著しく制限され、うつ病を発症することも…

 

 

 

自己臭恐怖症の治療法

精神科において、自分が自覚している臭いと他人が感じている臭いに大きな隔たりがあること、また、人間は誰しも臭いを発するものであることを中心に精神療法が行われます。

うつ病などを併発している場合には、それに対して薬物療法などが行われる場合もあります。

 

 

 

自己臭恐怖症になりやすい5つのタイプ
 
■まじめ

■几帳面

■潔癖

■完璧主義

■人からの評価を気にしやすい

 

 

 

自己臭恐怖症が増えている理由

近年は特に、若い人を中心として「清潔志向」「スメルハラスメント」などといった、他人の臭いに対して非常に敏感で、あるがままに受け入れることが難しくなっている風潮があります。

 

自己臭恐怖症の改善法・治療法

 

あまり敏感になりすぎない社会であればいいのですが…

そうもいっていられませんね。

 

そこで、

クサい臭いの原因とされるものに適切な対策を打つことが大事になってきます。

 

・お風呂に毎日入り、ちゃんと頭・体を洗うこと

・脂くさい臭いには、専用の石鹸を用いること

・脂っこい食事を控え、お酒の飲みすぎに気をつけること

・加齢臭専用の洗浄料を使用すること

 

など

 

自己臭恐怖症は、自分がくさいと思い込んで日常生活に影響を及ぼす非常につらい病気です。

自分もそうかな、と思ったら、気軽に精神科で相談してみてください。

 

 


最終更新日:2017/11/30