わら人形で呪ったら逮捕?何罪?

 

2017年1月、女性の名前を朱文字で書いた“わら人形”を放置したかどで、群馬県在住の男性 (50代) が逮捕されました。

この20cmほどの “わら人形” は、女性を呪うつもりだったのか、長さ6.5cmの“二寸釘”が背中まで貫通するかたちで打たれていたといいます。

 

容疑者に朱文字で名前を書かれたのは、容疑者が常連客となっていたゲームセンターの経営者で、通い詰めているうちに女性に好意を抱くようになったのでしょう。

ただ、ある時期を境にストーカー行為に及んでいた男性は、女性の車のタイヤをパンクさせたりするなどの嫌がらせ行為に走っていたようです。

そして、年が明けてのわら人形騒動…

 

 

 

ストーカーたちの心理とは

いったい、その “わら人形” はどのようにして発見されたのでしょうか?

 

それは…

女性の駐車場に放置…

 

せっかく贈り物をしたのに素っ気なく返品されてしまった男は、「くそ〜、ふざけんな〜!」と逆ギレし、歪んだ愛情表現ともいうべき異常行動に及んでしまったようです。

この事件を知って思い出されるのは、2016年5月、東京都小金井市のライブハウス前でシンガーソングライターの冨田真由さんがストーカー男に襲われ、胸や首など全身二十カ所以上を刺された事件のこと。

彼女は、ファンを名乗るストーカー男からプレゼントされた時計と本を送り返したのがきっかけで襲われてしまったのです。

 

犯人はツイッターで何度も冨田さんに話しかけていました。

「腕時計をプレゼントする意味を知っていますか?」

「愛情なんていとも簡単に憎悪に変わっちゃうけど、僕は普通にトミーさん(冨田さんの愛称)のこと好きですよ」
「郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本三冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ? ほんと、嫌な女」

 

幸いにも冨田さんは一命を取り留めましたが、入院は4カ月にも及び、退院した現在も後遺症を抱えているといいます。

 

冨田さんを襲った犯人はプレゼントを送り返され、冨田さんを襲うためにわざわざ京都から上京して犯行に及んだのです。冨田さんをあれほど慕っていた思いは、殺意へと変容してしまったのです。

 

 

 

近年相次いでいるわら人形事件

今回、わら人形に二寸釘を打ち込んだ容疑者もプレゼントを返されての愚行でした。

愛情なんていとも簡単に憎悪に変わっちゃう…

 

考えてみると、長崎県では別れた元夫が元妻を滅多刺しして殺害するという悲惨な事件も発生しています。歪んだ愛情の持ち主は、時に「愛」だと信じ込んでいた一途な思いをいとも簡単に殺意や呪いに変貌させてしまうようです。

ちなみに、「ギフト」という言葉には “贈り物” のほかに “才能” という意味もあるのですが、語源のゲルマン語には “毒”という意味もあるようです。

 

きっと、世界のどこにも贈り物には人の心を縛る魔力があるのでしょう…

 

 

しかし、このデジタルの時代に“わら人形”を使って呪いをかけるなんて、なんて古風な…と思わなくもありませんが、実は近年、同様の事件が相次いでいるのです。

 

名古屋でも、わら人形を使った嫌がらせで逮捕者が出ています。犯人は、私立高校の非常勤講師・37歳。人形の頭部に女性の顔写真を貼っていたそうです。そして、それを女性宅の敷地内に置いて逮捕されたのです。

容疑者は昨年夏から執拗にこの被害女性 (20代) にメールを送り続けており、警察署から警告を受けていたのですが、ついに、交際を断られた腹いせにわら人形を使ったようなのです。

 

 

一方的な感情が爆発し、どうにもやるせなくなりわら人形に釘…

自分の気持ちを鎮めるために…

 

 

 

 

わら人形事件の罪状は?

専門家によると、「わら人形そのもので罪に問うとしたら“名誉毀損罪”と“侮辱罪”だろう」とのことですが、仮に被害者本人にわら人形を見せた場合には “脅迫罪”も適用されるようです。

つまり、呪いをかけたことが問題になるのではなく、相手に「お前もこのわら人形と同じような目に遭わせるぞ」と見せつける行為が脅迫罪に該当するのです。

 

 

 

 

終わりに

ネット上にはわら人形セットを販売するサイトも散見され、価格は数百円から数千円と様々です。ということは、世の中にはわら人形を購入する人がそれなりにいるということなのでしょう。

しかし、果たしてそんなものに効果はあるのでしょうか?

 

そして、驚くべきことに、“呪術代行業” といったサービスまで存在しているのです。そうまでして、誰かを恨み、呪い、虐げたいと願うものなのでしょうか?

普通の人であればちょっと考えてわかることですが、呪術の力を借りて憎む相手に厄災をもたらしたとしても気が晴れるわけがありません。むしろ、惨めなだけ…

 

ともあれ、呪いの儀式は丑三つ時に行なわれ、その姿は決して誰にも見られてはならないようです。もし、わら人形に釘を打ち込む異様な姿を誰かに見られてしまったら、その呪いは“倍返し”で返ってくるらしく、怖いことしかありません。

 

わら人形を使い、仮に “呪った相手が不慮の死を遂げた” としても殺人罪に問われることはありません。刑法上は “不能犯”と言われるこの行為、呪いと殺人の因果関係を科学的に立証できないのが罰せられない理由です。

 

だからといって、安易に人を呪いわら人形を使うことなかれ。

 

 

関連記事: