大女優秋吉久美子さんは福祉活動に興味あり!
「握力が弱く学校教育9年以下だと認知症のリスクが2倍に!」という話を聞き、愕然としました。
私の母も…
さらに、糖尿病や心臓病、脳疾患の持病がある人も認知症を発症するリスクが高いのだそうです。
結局のところ、様々な要因が認知症を引き起こす原因となっているわけですが、「普段から頭を使い、生活習慣病とうつ病を予防し、体力維持に努めることが重要」だということなんです。
さて今回は、認知症と介護、終末期などの問題を、芸能界で長く活躍している女優の秋吉久美子さんの活動に絡めて話していきたいと思います。
子供の頃から福祉に興味あり
子供の頃から通信簿に「正義感の強い子」と書かれていた秋吉さんは、張り切ってベルマークを集め、十数万円分も貯めてお菓子を買い、老人ホームに慰問に出かけていたそうです。
老人ホームの慰問では、「肩を揉んで話し相手になればおじいちゃんおばあちゃんに喜んでもらえる」…と思っていた秋吉さん。
しかしそんなある日、いつものように張り切って老人ホームに出かけていくと、突然、おじいちゃんおばあちゃんたちに囲まれてしまったのです。
びっくりする秋吉さん。
手を握ったままのおじいちゃんがなかなか手を放してくれません。
正直、どうしたらいいかわからず、少し恐怖すら感じます。子供の頃から夢描いていた福祉の体験が、この出来事で崩れ去ってしまいそうになりました。
人肌に触れたくなる人間心理
そもそも、人間を含めたあらゆる動物たちは、他者と触れ合うことで安心し安らぎを得る生き物です。
高齢者だってそうなんです。家族とうまくいかなくて施設に入り、誰も来てくれなくて、寂しくて寂しくて…
そういう時に慰問してもらえると、嬉しくて嬉しくて握手した手を離したくない気持ちもよくわかります。
特に、医療や福祉の世界では、肌と肌が触れ合うことはすごく大事なことだとされています。そうはいっても、「どこまでが許される範囲なのか」ってとっても微妙なところではありますよね。

ベテラン看護師の上手い対応
子供の頃の秋吉さんは、このおじいちゃんがとった行動にびっくり仰天してしまいましたが、ベテランの看護師さんともなると慣れたものです。積極的に手を握ることで、上手に患者さんたちに満足を与えているのです。
人と人、肌と肌が触れ合うことってすごく大事なこと。そのことを顕著に示しているデータがあります。
それは、、、
近年、老人保健施設などに若い男性の介護士さんたちが増えてきたことで、おばあちゃんたちが少しずつ元気になってきているということ。
幾つになっても、異性に抱くほんわかとした気持ちは大切で、「手を握ること」や「背中にそっと手を添えてあげること」などは、高齢者たちの生きる力にもなっているわけです。
ベテランの看護師さんたちは、高齢者たちの「肌に触れたい」「手を握っていたい」という気持ちを上手く病気を治していく一つの武器に使っていらっしゃいます。
私たちも日頃から実践していかないといけませんね!
部屋の空気が大事
病院や施設に入っている高齢者たちはなかなか外に出ることができません。そこで大事になるのが部屋の空気。
これは何も換気に限ったことではありません。病室の中の空気、温かな雰囲気、そこに行き交う言葉がとても大事なんです。
お互いを大切に思う優しい言葉が飛び交っているかどうか、ということ。
これもまた案外難しく…
という元気で明るい声があるだけでホッとする人もいれば、難病やガンなどですごく不安に思っている人の場合には、あまり明るい声で話しかけない方が良かったりもします。
見習うべきベテラン看護師の対応
とっても気配り上手なベテラン看護師Aさんは、ある日私にこう話してくださいました。
「普段は目線を合わせて話すように心がけていても、何か大事な話をするときはわざと目線を外して、2人で窓の外の景色を見ながら話したりするんですよ。」
そうすることで、ポツポツと自分のことを、気になっている病気や家族のことを話し出してくれるそうなんです。
こういった患者さんの本音が聞けると、「大丈夫だよ。一緒に治そうね。」などと声掛けしてあげることもできますし、不安で元気のなかった方が一気に翌日から元気が出てきたり、笑顔が出てきたりすることがあるそうなんです。
言葉、スキンシップ、空気ってすごく大事なんですね!
秋吉さんが考える医療福祉の心得
秋吉さんは、医療や福祉の世界に儒教で言う「仁」や「愛」というものを強く感じると言います。
「医療・福祉の分野に携わっている人は単に修理する人ではなくて、心とか愛とか、そういうものがあってこそではないかと思うんです。」
人間は年をとるし、いつか必ず死んでいくというのが定め…
だからこそ…
温かさが必要なんです!
例えば、手術によって命を救われた人がいるとします。周囲の目からすると「助かってよかったね!」と手放しで喜ぶかもしれません。
でも、手足が不自由になったり、麻痺が残ったまま生きざるを得ない人の悲しみを、今の医療や福祉はきちんと聞いてあげていないようにも思うんです。
秋吉さんも、そんなことを考えながら福祉というものを見つめていらっしゃるようです。
長男を亡くした秋吉さん
2015年1月、秋吉さんの長男が病院の敷地内で転落して亡くなりました。
遺体が発見されたのは3日後のこと。しかも、窃盗して逃げている途中に誤って転落したとみられているのです。何とも悲しい最期です。
こういったことからも、秋吉さんは子供の頃から興味のあった福祉のことを尚更真剣に考えるようになってきているのかもしれません。
(高齢者も含め)障害を持ちながら生きている人たちが、それでも生きていて本当によかったと思うためには、何か、ほんのちょっとの温かさが必要なんじゃないかといつも思っています。
例えば、おばあちゃんと話をするときは手を握りながら話を聞いてあげるとか、そんな些細なことでいいんです。
ふとそんなことを考えながら、秋吉さんの今後の福祉活動に期待しています。皆さんも是非、真心で誰かに笑顔を与えてあげてくださいね!