歯の治療を長期化させない方法

 

多くの方が「虫歯の治療はなるべく早く済ませたい」と思っているはずです。ただし、早く終わるか長引くかは虫歯の「症状」「進行度」「治療法」次第!あなたの都合でどうにかなるものではありません。

何より、「早期発見」「早期治療」がとても大事です。つい遅れてしまうと、症状が悪化し大変な治療を長期間続けないといけなくなってしまいます。

 

1回で終わる治療

1回で完治する治療は、虫歯を取り除いた後に光で固まる樹脂を詰める方法です。この場合、虫歯の深さは1〜3mm程度で自覚症状はほとんどありません。「早期治療」に挑んだ場合の特権ですね。また、虫歯でない歯の量が十分に残っていることも大切です。ちなみに、小さい虫歯であれば無麻酔での治療も可能となっています。

 

 

2〜3回で終わる治療

2~3回でおわる治療は、虫歯を取り除いた後に歯の型を取り、その後に被せもの (はめ込み金属) などを取り付ける場合です。虫歯の深さは2〜5mm (自覚症状が全くないかあっても軽度な場合)で、神経の治療を必要としないケースと考えておきましょう。以前に歯の神経を抜いていれば、比較的大きな虫歯であっても2~3回の治療で終了する場合もあります。

 

 

4回以上の治療

神経に達する深い虫歯であれば、おのずと治療回数が増えてきます。治療時点では自覚症状がないこともありますが、それ以前に何らかの違和感やズキズキ感があったことでしょう。というわけで、歯の神経や奥に溜まっている膿を取り除く必要がある、あるいは土台となる基礎を作らないといけないため、治療回数が嵩むのです。

 

 

治療に時間がかかってしまうケース

◆ 抜歯が必要

「虫歯で歯がひどく溶けている」「グラグラしている」・・・放置してしまうとこうなります。末期レベルの虫歯や歯周病になってしまうのです。

 


◆ 神経を取った後の症状再発

歯の根の症状で多いのが、歯と少し離れた部分の歯茎にオデキのようなものができ、膨らんだり引っ込んだりを繰り返す状態です。このような症状が出るのは、以前に一度歯の神経を取っているからのようです。過去の治療で、きちんと取り除けなかった内部神経の一部が残っていて、それが少し炎症を起こしてしまっているようです。治療から数年後に炎症が起こることもあります。治療は、被せものや詰めものを全て取り除き、内部のごくわずかな汚れをきれいにする必要があります。再治療の難易度は最初の治療よりも高まります。さらに、汚れた部分を発見するのは困難でもあります。「一度も歯の内部を治療していない」「初めて歯の神経を抜く」場合は治療時間が短く、術後の成功率も高い傾向にあります。そう、根の再治療は非常に厄介なのです。

 


◆ 歯周病と虫歯が進行している

初期の歯周病であれば歯石を取り除くだけでOKですし、初期の虫歯であれば小さく詰めるだけで完了です。しかしながら、あるレベルを超えてくると治療回数を増やさざるを得ません。歯石が溝の奥の方に入り込んでいたり、ズキズキ痛むような自覚症状のある虫歯であればOUT。治療に時間がかかります。ちなみに虫歯の治療では、神経を治療するかどうかで治療回数が大きく変わってきます。さらに、虫歯や歯周病の細菌が骨にまで感染してしまっている状態 (骨髄炎) だともう大変!骨髄炎になってしまうと、抜歯した穴から膿が出続け、いつまでたっても痛みが改善されません。感染した部分の骨を外科的に取り除く手術をしたり、細菌を殺す抗生物質の服用をしたりして、完治までに数カ月以上かかったりします。

 

 

定期検診が大事です!

虫歯や歯周病の予防法に完璧という言葉はありません。当たり前のことですが、本数が多ければ多いほど治療に時間がかかります。歯は上下で合計28本あります。単純に、1本に3回の治療がかかりそれを10本しないといけないとなると、30回もの治療回数が必要になってしまいます。歯を残したり保存しようとすればするほど、必要な工程が増え、治療回数が増えてきます。

やはり、「早期発見」と「早期治療」が大事です。特に、年齢と共に多くなるのは、歯や歯茎にすでに問題があるのに抜歯するほどではない状態であるということ。とにもかくにも信頼できる歯科医院で、定期検診を行う習慣を持ちましょう。頻繁にチェックすることで、大きなトラブルになる前に治療をすることができます。日常的なケアが、結果的に歯科に通院する時間を短縮するコツなのです。