胸痛で考えられる病気 (原因) の症状別リスト
胸痛という症状を起こす原因として、「心臓」「血管」「肺」「胸膜」「骨」「神経」「筋肉」「消化器」「心因性」など、様々なことが考えられます。一般的には心臓や肺に関わることが多いので、循環器科あるいは呼吸器科を受診すると良いでしょう。
瞬間的にチクチクする痛みはあまり心配する必要がない…とされていますが、継続する場合にはそのまま放置しないで一度診察を受けてみてくださいね。
見逃すと、命に関わる「緊張性気胸」「急性冠症候群」「大動脈解離」「肺塞栓症」「食道破裂」などの病気の可能性もありますので、注意が必要です。
そこで今回は、
自分の症状がどのような病気の可能性があるのかを知るための症状の分類を解説していきます。
危険な胸痛とは…
繰り返しになりますが、胸の痛みには「心臓」や「肺」だけでなく、神経、消化器、心因性など、胸部だけに留まらない多くの原因が考えられます。
例えば、針で刺されたようなチクチクする痛みが1分以内で治まる場合や、短いズキズキが何度もくるような場合には「肋間神経痛」が考えられます。これは肋骨に沿って走る神経が何らかの原因で痛む症状です。
胸の痛みはストレスや気圧の変化、運動不足によって起こることもあります。なので、このような違和感を感じたりして心配な方は、内科を受診してもいいでしょう。
「痛みが長く続く」「息苦しさがある」「徐々に悪化していくような胸痛」・・・
こうした胸痛は、肺や心臓に原因があることも考えられます。できるだけ早く医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう!
乳房が痛いのは乳がんなの?
ガンというのは本来、初期症状では痛みがないものです。張り感や痛みがあっても、そのうち消えるようなものであればホルモンの影響と考えられ、あまり心配はいりません。
乳がんは消しゴムぐらいの硬さなので、自己触診の際にはそれを目安にチェックしてみましょう。ただし、クリッと硬いものに触れる、乳頭から血の混じった分泌物が出るなどの重要なサインがあった場合には、定期検診を待たず乳腺外科の受診をおすすめします。
胸痛から考えられる病気
◉ 心臓や大血管の病気
・狭心症・・・胸部中央から左側にかけて締めつけられる感じや圧迫感があるも、数分で痛みは消失
・大動脈解離・・・突然の引き裂かれるような激痛。亀裂が進むと胸部から頸部、咽頭、下顎、背部、腹部も痛む (要は、背中や手足なども痛む場合があるということです)
◉ 肺や胸膜の病気
・気胸・・・突然の胸痛、息苦しさ、呼吸困難。肺の一部が破れて肺が縮んだ状態。
・(急性) 肺血栓塞栓症・・・足や骨盤内の静脈に血栓 (血の塊) ができ、肺の血管を塞ぐ。
・胸膜炎・膿胸・細菌性肺炎・肺化膿症・・・細菌感染が原因で、発熱や悪寒を伴う。
◉ 神経・筋肉・骨からの症状
・肋骨骨折・・・激しい運動や咳によって肋骨が折れたりひびが入る。
・帯状疱疹・・・水膨れのある発疹が肋骨内側の肋間神経に一致し、帯状に鋭く激しい痛みを伴う。
・悪性腫瘍・・・腫瘍が胸壁まで浸透することで持続性の強い痛みを伴う。
◉ 消化器の病気
・逆流性食道炎・・・胸骨の真ん中あたりの胸痛で、嚥下困難や胸焼けの症状を伴う。
・腹部臓器の病気・・・急性膵炎、胆のう疾患などが原因で、胸部に痛みが放散されることもあります。
◉ 心因性
・心臓神経症・・・検査では何の異常もないが、精神的負荷がかかった時に胸痛が起こる場合
その他:症状からみる、胸痛から考えられる病気
◉ 突然の胸痛
(狭心症、大動脈解離、急性心筋梗塞、肺血栓塞栓症、肺梗塞症)
※ 急性心筋梗塞は、狭心症よりも激しい痛みが30分以上続き、呼吸困難や意識障害を伴います
◉ 呼吸困難、めまい、失神
(肺血栓塞栓症、肺梗塞症)
◉ 激しい呼吸困難・咳・ピンク色の痰・唇が紫色
(急性心不全)
◉ 発熱・鼻水・咳などの風邪症状 + 下痢 + 胸痛 (呼吸困難)
(急性心筋炎)
◉ 飲酒後の嘔吐に続いて起こる強烈な胸痛・上腹部痛
(突発性食道破裂)
◉ 激しい右の上腹部痛
(胆石症)
◉ 激しい左の上腹部痛
(急性膵炎)
◉ 動悸・胸のモヤモヤ感
(心房細動)
そのほかにも、
心臓神経症や肺がん、急性心膜炎、バルサルバ洞動脈瘤破裂、縦隔腫瘍などなど、様々な病気が考えられます。
こんな症状には要注意!
もしも急に胸が痛み出したら・・・
普段から飲酒 & 喫煙をする方や生活習慣が偏っている方は要注意です。「(何かが) いつもと違う…」と思ったら、下記の可能性を考えてすぐに医療機関へと駆け込みましょう。
◉ 胸の圧迫感や息苦しさが3分以上続く(心臓発作、狭心症) → 救急外来へ
◉ 激しい痛みが20分以上続く。吐き気、冷や汗が出る(心筋梗塞) → 救急車を!
◉ 夜中に胸が重苦しくて目が覚める(異型狭心症) → 救急外来へ
◉ 運動中に息苦しさや痛みが増す(動脈硬化)→ 循環器科、呼吸器科へ
◉ 咳をすると痛む。息苦しい(気胸)→ 呼吸器科へ
※ 症状や治療法には個人差があります。詳しくは専門医に相談してみてくださいね
※ 診断に納得いかない、原因不明と言われた、などの場合は積極的にセカンドオピニオンを受けましょうね