ペットも花粉症に!症状と対策

 

くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ…花粉のつらい症状は人間のみならず、犬・猫・猿たちをも悩ませます。彼らは多くのアレルギーを持っているので「花粉症」…と判断するのが難しいのですが、彼らだって花粉症になるのです。

ただし「症状」は若干人間とは異なるようです。例えば、犬の場合はスギ・ブタクサ・イネ科などが分散して花粉症の原因となっているようです。どうやら、スギよりもイネ科に反応する犬が多い…ようです。

 
 

主な症状 & しぐさ

動物たちは、「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・涙目」といった (人に現れる) 症状よりも、皮膚の痒み乾燥肌などの症状が多いようです。人間同様、「アレルギー体質」のペットが増加しているんですねー。

 

《主な症状 & しぐさ 》

  • くしゃみ・鼻水
  • 体を壁や床にこすりつける
  • 顔を掻きむしる
  • 涙が出る
  • 目の周りの毛が抜ける
  • 皮膚が赤くなる

 

 

特に、目の周りの皮膚が痒くなるケースが少なくないようです。目をショボショボしていたり、前足でこすっていたり、壁などに顔をこすりつけていたら「花粉症」かもしれません。眼球を引っ掻いてしまうと、結膜炎や角膜炎になる危険性もあるので注意が必要です。

同様に、後ろ足などで体をかくのも「アレルギー性皮膚炎」を発症したサインの可能性があります。皮膚炎ならば早期に治療を開始して、そのつらさから愛猫や愛犬を一刻も早く救ってあげたいものですね。

 

 

身体をかきまくって皮膚の炎症を悪化させてしまうと、細菌などの二次感染の原因にもなります。ペットが痒がっている様であれば、早めに動物病院へ連れていってあげてくださいね。

(もちろん、くしゃみ連発も花粉症のサインかもしれませんよ)

 

 

近年は、病院でアレルゲンを探る血液検査を行い、スギ・ヒノキ・ブタクサなど、複数の植物の花粉がアレルゲンだと特定される犬や猫も珍しくないようです。特に猫はブタクサのアレルギーが多いようなので、晩夏から秋頃の花粉症にも注意したほうがいいでしょう。

くしゃみがあまりに激しくて、下あごを地面に打ちつけて歯が折れてしまったワンチャンも報告されています。お散歩の際など、十分気をつけましょう。

 

 

 

花粉アレルギーになりやすい犬種

「花粉」にアレルギー反応を示す犬は体質的に「アトピー性皮膚炎」であることがほとんどです。また、皮膚の乾燥によってバリア機能が弱まっていることも示唆されています。

アトピー性皮膚炎の症状は「強い痒み」です。特に皮膚の薄いところである四肢の付け根、足の先、お腹、顔、耳などに現れやすいようです。原因となる環境アレルゲンを完全に解除することはできませんし、完治が難しい病気です。

 

ちなみに、花粉症は花粉の暴露量が影響しますので、どの犬でもなる可能性はあるのですが、「花粉症になりやすい犬種」もあるようなので、以下、参考にしてみてください。

柴犬、シーズー、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、シェットランド・シープドッグ、ダルメシアン、ボストン・テリア、ダックス、マルチーズ、プードル、ビーグル、フレンチブルドッグ、キャバリアなど

 

 

 

対策6つ ☆

もし、あなたの愛犬が花粉症だと診断されたら何をしてあげればいいのでしょうか?以下に、「 花粉症になってしまった愛犬に注意してあげたいポイント」をいくつか挙げておきますので、ぜひ全てをやってあげてくださいね!

 

 

 

1.  花粉の多い時間帯の散歩を避ける

アレルギー対策の基本はアレルゲンとの接触を避けること。併せて、アレルギーの原因となるブタクサやオオバコといった植物が生えているであろう草むらには立ち入らせないようにしましょう。

 


2.  飼い主さんは室内に花粉を持ち込まない

そして、室内飼育の猫や犬たちも、飼い主が外出先から花粉を持ち込んでしまったら接触しないわけにはいきません。可能な限り、玄関前で花粉を落としてから入室しましょう。

 


3.  お洋服を着せて出かけましょう

犬の毛に花粉がつかないようにするために、できるだけ服を着せて出かけると良いでしょう。洋服を着せて出かければ、玄関で洋服を脱がせるだけでOK! 家の中に花粉を持ち込ませない対策になります。花粉がつきにくい素材の洋服もありますよ!

 

 

4 .  外から帰ってきたらブラッシング

散歩から帰宅し洋服を脱がせたら、(花粉を吸着する) スプレーを毛にかけてからブラッシングしてあげましょう。「床掃除用の使い捨てシート」を使って撫でてあげるのもGoodです。併せて、花粉除去機能のついた空気清浄機も使ってあげたいものです。当然、花粉症の時期は特にこまめな掃除が大切です。

 


5.  こまめにシャンプーを!

ブラッシングで落としきれない花粉のためにシャンプーをうまく活用しましょう。ただし、回数を増やすと皮膚が乾燥してしまう犬もいますので、できるだけ優しい成分で作られたものを使いましょう。

 


6.  果物アレルギーにも注意が必要です

(花粉アレルゲンと似ているたんぱく質を持っている) 果物などに、体が間違ってアレルギー反応を示し、口の周りなどが痒くなったり腫れあがる「口腔アレルギー(果物アレルギー)」が発症するケースもあります。

 

そして、

花粉症の犬には、以下のような食べ物に注意してあげてください。

リンゴ・ナシ・モモ・イチゴ・ビワ・サクランボ・柿・梅・キウイ・バナナ・メロン・スイカ・オレンジ・ニンジン・キュウリ・ナス・ピーマン・セロリ・パセリ・トウガラシ・ニンニク・大豆・クルミ・アーモンド・ピーナッツなど

 

 

 

花粉に強い身体を作ってあげよう

花粉症対策として、基本は「花粉を避ける」なのですが、併せて、次のような食品やサプリメントでアレルギーに強い身体を作ってあげることも大事です。最近の研究では、腸内細菌とアレルギー疾患が密接に関わっていることがわかってきています。

 

 

(免疫力アップ)

 善玉菌 (乳酸菌) やそのエサとなるオリゴ糖・バイオジェニックスなどで腸内環境を整えてあげましょう

☆  魚油やアマニ油などには皮膚の炎症を和らげる働きをするオメガ-3脂肪酸が多く含まれています

 ルリジサ油やボラージ油などには皮膚の乾燥を防ぐ働きをするγ (ガンマ) – リノレン酸が多く含まれています

 

 

 詳しくは、かかりつけ獣医に尋ねてみてください

 

 

そして、

(人間同様) 犬猫も、保湿によって皮膚のバリア機能を保ち、アレルゲンの皮膚への侵入を減らしてあげることが効果的!というわけで、セラミド配合の保湿ローション(ペット用)を使ってスキンケアをしてあげてくださいね!

 

 

 

まとめ ☆

「愛犬が皮膚を痒がるようになった」「外耳炎がなかなか治らない」などの症状が見られるようであれば、もしかしたら「花粉アレルギー」なのかもしれません。

人間のように、くしゃみ・鼻水などの症状が出ない場合もあるため、「花粉症」と気づきにくいんです。

皮膚の痒みは、犬にとっても不快で苦痛です。少しでも気になることがあれば、できるだけ早めに動物病院に相談するようにしましょう。