イチローの年金額とイチローが考える大谷翔平の才能

 

2018年5月、MLBのシアトル・マリナーズはイチロー選手とスペシャル・アシスタント・アドバイザーとしての契約を結び、2018年度の残り試合に彼が出場しないことを発表しました (これは現役引退を意味するものではなく、2019年の日本開幕戦での復帰も予定されています)。

日本プロ野球界の場合だと、大物選手の引退となればセカンドキャリアはコーチや監督への就任、もしくは解説者などメディア関連の仕事に就くのが一般的ですが、メジャーリーグではそうした道を歩むスター選手はあまり多くはありません。たいていは悠々自適のセカンドライフを送っているのです。

それを可能としているのは、現役時代の稼ぎ (年俸など) はもちろんのこと、充実した年金にあるのです。

 

 

メジャーと日本の年金制度

メジャーリーグの年金制度では、43日以上のメジャー登録があれば受給資格が発生します。そして、シーズンを重ねるごとに受給額は上昇していき、10シーズンで満額支給となるのです。支給年齢は一般的に62歳から (前倒しも可能) で、死去するまで支給され続けるのです (一般的な年金のように積立金は必要なし)。

支給額は、メジャー歴10年以上の選手の場合、最高21万ドル ( 年間約2300万円) となっています。

 

この満額条件をクリアできている歴代の日本人メジャーリーガーは、野茂英雄、松井秀喜、大家友和、そしてイチローの4人だけです。

ちなみに、かつては日本プロ野球界にも年金制度があったのですが、それは選手たちから一定の積立金を集めて運用益から支給する…という仕組みでした。残念ながらこれは破綻してしまっています。

 

 

 

「メジャーリーガー」= 「アメリカン・ドリーム」

高卒でプロ入りし、数年で自由契約となって渡米し、23歳でメジャーデビューを果たした大家の場合は例外として、普通、日本人選手がメジャーで10年間もの長きにわたってプレイし続けるのは非常に困難なこと。

なぜなら、日本のプロ野球で一定期間プレイした後に「海外フリーエージェント」や「ポスティングシステム」でのメジャー移籍…というのが定番のコースだからです (この場合、20代後半からメジャーデビューとなってしまいます)。

 

 

ちなみに松井秀喜の場合、10年目のシーズンはレイズとのマイナー契約からスタート。その後ちょっとだけメジャー昇格を果たしました。このちょっとしたことが年金受給額の上ではとても重要だったのです (もし、10年目にマイナーのままだったら、年金額は満額ではありませんでした)。

そういった意味で、残念ながら満額に届かなかったのは日本に戻って古巣の巨人で現役を続けている上原浩治(メジャー歴9年:元レッドソックスほか) と、マリナーズなどで活躍した長谷川滋利投手。惜しかったですねー。

 

この夢のような「年金」は、あくまでメジャーリーガーのみが対象となっており、マイナーどまりだった選手たちには1ドルも支払われることはありません。

つまり、メジャーデビューは「名誉」なだけでなく、将来的な生活保障にもつながっているのです。まさにアメリカンドリーム!

 

 

 

イチローが考える大谷翔平の才能

「雰囲気ありますよ、やっぱり。あー、なんかあるなぁと言うのは野球をやっている人間なら感じるでしょうね。」

 

「凄いのは対応力でしょうね。100マイル (約161キロ) 投げるとか、誰よりも飛ばすことよりも、実はこれが大事な能力だと思うんです。」

 

「対戦したいですよ、それはもう。」

 

いつか2人が対戦できる日はやってくるのでしょうか…

 

 

 

おわりに

通算ライブ数4300回を超えた歌手のさだまさしさんは、自身の歌手生活45周年を振り返ってこう述べています。

「イチローの安打数 (日米通算4367本) までもうちょっと…」

 

さださんは45年間を振り返り、「そのうち40年は借金を返す日々。長かったなぁ。最後の3年は本当につらかった。」としみじみ。人生は、何事も一つひとつの積み重ねなんですね。