「テキトー男」高田純次の「明日の1万より今日の千円」って考え方に学ぶこと
「適当男」の名を欲しいままにする高田純次さんの「軽い」ように見える生き方はいま、多くの人にとって「憧れ」の対象となっています。ただ、高田さん本人は「意外と軽くは生きてないんだよ」と反論されていますが (笑)。
そんな高田さんは自分の生き方を、「明日の1万より今日の千円って考え方してるから」と端的に示していらっしゃいます。事実、あのタモリさんをして、「高田を見ていると不安を覚える」と言わしめるほどなのですから。
関根勤さんが「尊敬する人物」として名を挙げている高田純次さん。雨上がり決死隊の宮迫博之さんが、「高田さんのような芸人になるのが目標」としていることからもわかるように、高田さんは皆の憧れでもあるのです。
アンタッチャブルの柴田英嗣さんは昔からの憧れのカリスマとして高田さんの名を挙げていますし、島田紳助さんは「高田さん格好いいでしょ。唯一の欠点は他人の話を聞かないこと」と評しています。
このように、コメディアンとして優れたセンスを持ち、芸人からの評価が異常なほどに高い高田純次さん。
今回は、そんな高田さんを少しだけえぐって、学ぶべきものを抽出してみたいと思います (笑)。
「高田さんは、厚みをなくそうとか目指してないように見えるんだよね。だからすごいんですよ。こっちは多少、目指してるところあるから」
「ああいう人がちゃんと成立する分野がないと、やっぱり社会はおもしろくない」
こういった評価を得ている高田さん。絶賛の嵐です (笑)。その魅力とはいったい何なのでしょうか?
実は、高田さんは芸能人としては“遅咲き”です。挫折、挫折の人生だったといいます。高校も大学も、第一志望の学校に入ることができませんでした。
「それで少し斜に構えて見てるところがあるのかもしれないね。期待しすぎないというか」
デザインの専門学校に進学したものの、就職は決まらない。そんな時、たまたま観た演劇に感銘を受け、彼は役者を志すのです。自由劇場の研究生に合格した彼は、しかしここでも芽が出ず、同じ研究生だったイッセー尾形さんと劇団を立ち上げるも鳴かず飛ばずの日々…
やがて、夢を諦め宝石デザイナーとしてサラリーマン生活を始めると、「新進気鋭のデザイナー」と高評価を得ます。そんなある日 (30歳) のこと、劇団時代の仲間だった柄本明さんやベンガルさんと偶然再会するのです。
「『魔が差した』としか言いようがない」(笑)
高田さんの胸に役者の夢が再燃し、会社を辞めてしまうのです。
高田さんが注目されるきっかけは、不慣れなバラエティの世界に飛び込んだ「笑ってる場合ですよ!」でした。そして、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で大ブレイクを果たしたのです。
「とにかく、目の前のものに食いついていこうとしていました。だからこそ、たとえ新しい波をつかまえることはできなくても、いつの間にか波を乗り越える船に乗り合わせていたんでしょうね。」
人は過去の栄光に浸ったり反省したりしながら、未来を思い不安や希望を抱くものです。それが人としての重みとなり、生きる糧となるのです。
しかしながら、高田の場合は少し違います。彼は挫折を繰り返し、先の見えない日々を送ってきたことで、「過去や未来を考えても仕方がない」という境地に至ったのではないでしょうか。
高田さんが一見「軽く」見えてしまうのは、目の前のことだけに懸命だから…なのかもしれません。それは案外、普通の人間にとっては怖いことであり、なかなかできるものではありません。
高田流の「適当」は、今を刹那的に生きる覚悟のことなのかもしれません。
最後に、以下に挙げる高田さんの発言を読み返してみてください。バカバカしくって笑ってしまうこと間違いなしですよ
・「俺はイタリア語がペラペラなんだけど、意味はわからないんだ」
・「君、若いねー。19か20か21か22か23ぐらい?」
・「俺は100mを9秒で走れたよ。バイクで」
・「その服高かったでしょ?え?そうでもないの?じゃあ安かったんだね」
・「朝からいい男ですいませんねぇ」
・「僕は小心者だから、カレーかウンチかを確かめてから食べるよ」
・「パリは寒い時に行くといいよ。行ったことないけど」
・「世の中わからないことが多いけど、街中を裸で歩いてはいけないってことだけはわかっているんだ」
・「俺は寝ている時は真面目だよ」
・「俺は人の話を聞かないんじゃなくて、人の話に興味がないだけなんだ」
・「俺は癒し系じゃなくて、イヤラシ系が好きなんだ」
・「俺が好きな言葉は『木も見ず、森も見ず』だよ」
・「外国に行って『これください』って言ったら、『それ、メニューって書いてあるんだよ』って言われたことあるよ」
・「やっぱり人間は難しいことに挑戦した方がいいよ。俺は嫌だけど」
以上は全て、1947年1月21日生まれのこの男性の発言です ☆