アンジー・ブラピ離婚の背景にある「トラウマ」の正しい克服法
大きな精神的ショックや恐怖が原因で起きる心の傷のことをトラウマといいます。交通事故や家庭内暴力、性的虐待、ネグレクト、戦場体験など…。
人はそうした恐ろしい経験によって、絶望的なまでに過去に囚われてしまうことがあります。もともとの体験はもう何年も前のことだというのに…
いまだに悪夢に悩まされたり
フラッシュバックに襲われたり
爆発的な憤激や感情の麻痺に陥ったり
しかし、
そのようなトラウマを負っている人たちは実際、どのような状態にあるのでしょうか。そうしたトラウマはどうしたら治療できるのでしょうか。
あなたの心にブレーキをかけているトラウマ、呪縛するトラウマから解放されるために、、、
今回は、アンジェリーナ・ジョリー & ブラッド・ピットの離婚問題と親権争いを例に「トラウマの解決法」をみていきたいと思います。
アンジェリーナの元乳母クリサンさんは、「アンジェリーナが実母から受けたのと同じように、彼女も子供たちにトラウマを与えているのではないか」と懸念を示しています。
アンジェリーナの母親ミシェリーヌ・ベルトランさんは卵巣がんにより56歳という若さで亡くなりましたが、夫ジョン・ヴォイト (役者) の浮気により、アンジェリーナの生後間もなく別居。
これがトラウマとなり、幼少時代のアンジェリーナは自虐行為を繰り返し、父親を憎み続けてきたと言われています。
(その後父親とは共演しているので、この幼少期のトラウマは緩和させているのではとも思われるのですが)
クリサンさんは、アンジェリーナが3歳の時、彼らと一緒に居ることが辛く、また手のつけられない状態になったため乳母を辞めてしまったそうですが、その後もミシェリーヌさんとは近しい友人だったようです。
そんな彼女は、「アンジーのことをとても心配しているの。お願いだから、子供たちの生活からブラッド・ピットを排除しないでください。子供たちを離婚するための武器に使って、ご主人を悪魔に仕立てあげないで」と強く訴えています。
「アンジーのやり方は、あなたの母が夫を子供たちから遠ざけたのと全く同じ方法なんです。そのため、あなたは孤独でトラウマを持った幼少時代を過ごしてきたのです。」
「それと同じ苦悩を子供たちに負わせたいの?アンジーがミシェリーヌと同じ過ちを繰り返そうとしているので心配です。手遅れになる前に、思いとどまってほしい」
アンジェリーナは母ミシェリーヌを今でも敬愛しており、男性に対する不信感やトラウマ、そして両乳房切除及び再建手術、子宮及び卵管摘出手術に踏み切ったこともすべて、今は亡きミシェリーヌの影響なのです。
トラウマは脳に痕跡を残します。扁桃体に悪影響を与えているのです。
扁桃体とは、情動反応の処理において特に重要な役割を果たしている脳内の重要な部位です。この扁桃体が過敏に反応することで、トラウマに悩み苦しむ患者たちは必要以上に危険を感知し、「ストレスホルモン」が頻繁に分泌されてしまうのです。
他にも、トラウマと深く関係している脳部位に前頭前皮質があります。前頭前皮質は、「危険だよ」と感知した扁桃体の情報を判断する役割を担っています。
仮に扁桃体による「連発する警報」を受けたとしても、前頭前皮質がこれを「誤報だ」と判断すれば、ストレス反応はじきに抑制されるのです。
つまり、脳内の扁桃体か前頭前皮質のどちらか一方が「正常」であってくれれば、トラウマ性ストレスに深く悩まされることはなくなるわけです。
具体的な対処法として、以下の3つが挙げられます。
① マインドフルネス瞑想・ヨガ
② 深呼吸・適度な運動
③ カウンセリング
これらを日常的に行うことにより、自律神経系が再調整され、脳内の機能が正常化し、トラウマへの過剰な反応が減少していくのです。
2016年秋、単独親権を取得していたアンジェリーナ・ジョリーと6人の子供たちが、FBIによる聞き取り捜査を受けたそうです。
ブラッドは暴力を否定しています。
離婚を申請されてから数回、ブラッドは子供たちと面会しています。当初、長男マドックスだけはブラッドとの面会を拒否していたようですが、その後しっかりと面会を果たしています。
相変わらず、親権を巡る2人の協議は互いの弁護士を通じて行われているようですが、マドックスは完全にアンジェリーナの味方なのでしょう。
共同親権を求めるブラッドはマドックスとどんな会話を交わしたのでしょう?
いずれにしても、この離婚劇の背景にはアンジェリーナの過去のトラウマが大きく影響しているようです。
トラウマには、これぞという「選り抜きの治療法」はないと考えるセラピストが多いようです。当然、根本原因は人それぞれ異なるため、その人にあった方法で治療を進めていかなければなりません。
ただ一つ、「患者が良くなるためであれば、何だってやる」という姿勢が大切なのではないでしょうか。
EMDR、ヨガ、内的家族システム療法、ニューロフィードバックなどなど。
脳と心と体に痕跡を残しているトラウマ…
一筋縄ではいきません。「今、どんな状態にあるのか」を見定めた上で、それぞれの場合に適した治療法を選択し、それらを組み合わせ、対処していかなければならないようです。
アンジーのケースでは、ブラピはよく頑張ったのではないでしょうか。ただ、より適切で専門的なカウンセリングを施さなかったことがトラウマの緩和に結びつかなかったのでしょう。
長男マドックス君が、「パパは自分のことを真剣に考えてくれていた。だから厳しく接していたんだ。」と気づき、ママにそのことを伝えてあげることができれば、状況は好転するかもしれません。
ただ、家族の関係性は当人同士にしか分かり得ないもの。問題は表に出てきているものだけではないのでしょう。
私たちには、ただ温かく見守っていくことしかできませんが、もし、あなたの周りにトラウマで悩み苦しんでいる人がいたら、できる限りの方法で助けてやってほしいものです。