笑顔を葬り去る飲酒運転事故はなぜなくならないのか?

 
福岡市で幼いきょうだい3人が犠牲となった飲酒事故から10年。事故を起こした受刑者(32)からは今も遺族への謝罪の言葉はないといいます。

耐えがたいはずの遺族にとって、傷は今も生々しく残り、けっして昔話にはできません。辛い出来事に遭ったとき、人は「どうか夢であってほしい」と願うもの。

 

それは、遺族にとってはもちろん、事故を起こした本人も、もしかしたらいまだに悪夢を見ている心持ちなのかもしれません。

「なんて不幸なんだ。自分は生活も将来も失ってしまった」と。

 

 

 

 アルコール依存症と飲酒運転の関係 

 

「今思えば、アルコール依存症だった頃の自分は飲み方が異常だった」

 

とある公民館で開かれたアルコール依存症からの回復を目指す自助グループの会合。数人の仲間を前にAさん(40代男性)は落ち着いた表情で淡々と振り返ります。

飲酒運転で2度逮捕され、2回目は執行猶予付きの有罪判決を受けました。友人宅で朝から浴びるように飲み続け、追加のお酒を買うために近くのスーパーまで車を走らせました。正常に運転できているつもりでした。

 

ガシャーン…

対向車線の車と衝突💥

 

警察官による呼気検査で基準値を超えるアルコールが検出され、その場で逮捕。

 

大学卒業後、父の会社を継ぎ、切り盛りしていけるか不安で重圧から逃れるように勤務中に酒をたしなむようになっていったといいます。

気がつけば、就寝中以外は常に酒を口にする生活に。家族の勧めで断酒を試みますがうまくいかず、入院した病院でアルコール依存症と告げられたのです。

 

飲酒運転とアルコール依存症との間には深い相関関係があります。事実、飲酒運転で摘発されたドライバーのうち半数ほどは「依存症疑い」と診断されているのです。

 

 

 

 完治することのないアルコール依存症 

アルコール依存症の現実と治療法

 
ある専門家は

「断酒を続けられれば回復はするが、依存症の頃の飲み方を脳が覚えてしまっているので、完治することはない」と断言。

 

警察庁によると、飲酒運転で摘発されたドライバーに医療機関での受診を促しても、約2割ほどしか受診していないそうです。

 

依存症は本人が認めたがらない「否認の病」

 

入退院を10回以上繰り返しているBさん(50代男性)は、退院直後にコンビニに寄って缶ビールを購入。離婚した時も、「これで自由に飲める」とむしろ安堵したといいます。

 

ところが、2年前に自助グループに参加して以降は、酒を一滴も飲まなくなりました。

「自分の体験を人前で話すことで、駄目だった頃の自分を受け止められるようになった」と自らを分析するBさん。

 

野球は1人で素振りするよりも、みんなで練習した方が続けられる。一緒に頑張る仲間がいるというのはやはり大きいのです。

 

 

 

 おわりに 

冒頭の、事故を起こした受刑者は、きっと今でも悪夢を見ていると感じているに違いありません。だからこそ、心には罪の意識を抱く隙間さえないのかもしれません。

 

悲しむ人がいなくなるように、ドライバーが目を覚ますようにとこの10年で飲酒運転への処罰は厳しくなりました。これにより、ある一定の効果はありました。

 

ありましたが…

それでも、常習者の目はなかなか覚めません。

 

飲酒運転で摘発される半数は「アルコール依存症」

 

被害者と加害者の双方に「笑顔」が戻ることは永遠にないであろう飲酒運転事故…

 

 

私たちはこの問題に対してどう対処していかなければならないのだろうか?

 

是非考えてみてください。
 
 

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