【人工透析】余命・治療費そして「運動」について

 

腎臓の機能が低下し、人工透析を受ける患者が増え続けています。慢性腎臓病の初期段階で気づき専門医の治療を受けていれば、患者にとって負担の大きい透析に頼らずに済んだケースケースも少なくはありません。

 

しかしながら、

「透析大国ニッポン!」

 

人工透析が必要な人にとって、日本は「幸せな国」と言えるかもしれません。通常、透析には月40万円ほどの費用がかかるものなのですが、日本では、患者の負担は1,2万円で済みます。残りの費用は全て国が負担してくれます。

おかげで日本では、多くの患者が透析を受けることができ、長生きすることができているのです。本人の生活の質は高まり、家族は安心できています。幸せな人たちが増えていっているのです。

 

一方で、長谷川豊さんは「自業自得の人工透析患者は殺せ」と悪魔のような発言をしています。これはいけません。誰だって透析せざるを得ない可能性はありますし、自己管理を怠ってなってしまったわけではないのです。

あなただって来年腎臓病になるかもしれませんし、あなたの大切な人がそうなってしまったら、果たして長谷川さんのような酷いことを平気で言えたりするのでしょうか。

 

と前置きはこのくらいにしておきましょう。

今回は、そんな透析患者がどんな生活を送っていったらいいのかを、「運動」との関係からみていきたいと思います。

 

 

 

 

透析人口における平均余命

全国腎臓病協議会によると、「透析患者の平均余命は9年」。

 

これからはもっともっと技術が進化していくでしょうが、現時点において、腎臓悪化の原因もまちまちの、老いも若きも男も女もみんな混ぜこぜの、全部ひっくるめて平均した余命は9年…ということのようです。

もちろん、30歳で透析を始めた人と60歳で始めた人とでは余命に違いが出てきますがそれらをひっくるめて平均9年。。。ということのようです。

 

ただ、私の周りには50代から透析を始め、70代となってもなお元気に暮らしている方が大勢いらっしゃいます。そういった意味では、余命は9年ではなく、20年とも30年とも言えるのではないでしょうか。

 

 

 

毎日を活動的に ♡

かつては「安静第一」とされていた慢性腎臓病の治療ですが、現在は「運動不足はよくない」ことがわかってきています。その結果、「腎臓リハビリ」(運動療法) が注目され始めているのです。ご存知でしたか?

病気が進行して人工透析となった患者たちにも、運動の恩恵は大きいのです。

 

50代から透析を続けているAさん (70代男性) は、週3回の透析後にはさすがに身体がしんどいものの、無透析日には必ず散歩をし、庭いじりをしたりしています。

 

 

 

仮に「何もしない」という選択をしていたら、きっとこんなに長くは生きていられなかったでしょう。「むくみがあって歩くのがつらい」と運動不足に滑車がかかっていたことでしょう。

 

しかしながらAさんは、自身で腎臓病について調べに調べあげた結果、「運動は続けなければならない」ことを知ったのです。

おかげで、今でも従事した日々を過ごすことができています。

 

 

 

研究報告

かつて、腎臓病患者に安静が推奨されていたのは、「運動をするとタンパク尿が出るなど、腎臓の悪化を思わせる現象がみられた」ためでした。

しかしながら、このタンパク尿は一過性のものであり、長期的には運動した方が腎臓に良い影響があることが明らかになってきています。

 

腎機能が著しく低下した透析患者についても、「定期的に運動する患者はしない患者に比べて生存期間が長い」ことや「運動すると透析で老廃物を除去する効率が高まる」ことがわかっています。

 

 

ただし…

 

注意すべきことも…

もちろん、透析患者は健常者ではありませんので、運動をする上で注意しなければならないこともあります。まずはじめに、透析患者は心臓の機能が低下している、貧血になりやすい、ということを覚えておきましょう。

この前提のもと、運動による事故を防ぐためには個々の運動能力を把握した上で、「軽い運動」にとどめておくべきなのです。

 

特に、透析終了後は血圧低下の恐れがあるため運動は避け、体調が悪い日は安静にしておくよう心がけましょう。体調と相談しながら、臨機応変に無理のない程度に運動を続けていくべきなのです。

高齢化、合併症、好きな食事ができない、旅行に行けない、といった様々な問題もあるでしょうが、そうはいっても現実には透析治療が必要です。

 

テレビをつけ、ストーブの前でうとうと。。。

立ったまま寝てしまうことも。。。

寝床に行けない。。。

 

強い睡眠薬を飲まないとなかなか眠れない。。。

身体中が激しく痒い。。。

歩くのも辛い・・・

 

 

とはいえ、

人生に「やり残し」のないよう、充実ライフを目指して可能な限り元気に生きていきましょう。