睡眠不足以外の「日中の眠気」原因は病気?

 
近年、十分な睡眠をとっているにも関わらず、昼間の眠気が強く、仕事中に居眠りをしてしまう人が増えているそうです。これは「過眠症」という睡眠障害の一つで、不眠症と対極に位置しています。

 

 

 

日中の眠気は病気のサインかも!

昼間に眠くなる原因は大きく分けて4つあります。一番の原因は慢性的な睡眠不足です。世界的な調査では、健康成人の平均睡眠時間は6〜8時間とされていて、5時間を割ると…それがたとえ1日、2日であっても、血圧が上がるなどの影響が出てくるのです。

睡眠不足が4日も続けば、もともと健康な人であっても、血糖値のコントロールが悪くなるというデータも出ています。

 

以前は「睡眠は8時間がいい」とされていた時代もありましたが、最新の研究では、25歳で7時間、45歳で6~5時間、65歳では6時間の睡眠で「健康的な生活が送れる」ことがわかってきています。

 

 

というわけで、

日中の眠気に関しまして、一番の原因は「睡眠不足」です!

 

 

いやいや、自分はよく寝ているよ。でも、昼間にどうしても眠くなってしまうんだよ!という方は以下を参考に、思い当たる項目があれば一度医師に相談されてみてください。

 

 

 

睡眠不足以外の「日中の眠気」原因3つ

 

① 覚醒を保持するホルモンの低下

ひとつは、覚醒を保持するホルモンの低下が考えられます。人の覚醒状態は様々な神経伝達物質により支えられているのですが、その全体を統御し覚醒を保持するのは「オレキシン」というホルモンなのです。

近年よく耳にする、突発的に眠ってしまうナルコレプシーという病気は、このオレキシンが低下し、覚醒を保てなくなることで起こってしまうのです。万国共通のこの病気は、1500~3000人に1人の割合で発症すると言われています。

 

そして、いまのところ対症療法しか治療法はありません。発症のピークは10代なので、社会人になってから急に居眠りしてしまうようになった人は、ナルコレプシーである可能性は低いと言えるでしょう。

 

 

ただし、ナルコレプシーは「立って作業しているときは症状が出にくい」ので、軽度のナルコレプシーを発症していた人の場合は、管理職になってから、机の前に座っている時間が長くなってから、病気を自覚するということは十分にあり得るわけです。

 

 

② 薬の副作用

アレルギーを抑える抗ヒスタミン薬や抗不安薬、抗うつ薬、パーキンソン病の薬などを飲んでいる人は、薬の副作用として眠気が起こってしまいます。

 

③ 睡眠の質が悪い

睡眠の質を落とす代表的な原因は、むずむず脚睡眠時無呼吸症候群です。

むずむず脚はその名の通り、寝ているときに脚に不快感が生じるもの。睡眠時に限らず、じっとしているときに症状が出てきます。発症は人種によって差があり、白人は5~10%ほど、黄色人種は3%前後とされています。

生活習慣の改善によって治まることもあれば、投薬治療を行うこともあります。

 

 

 

一番怖いのは睡眠時無呼吸症候群です!

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠が浅くなったりイビキをかいたりするだけでなく、様々な疾患のリスクになってしまう万病の元です!

 

■心臓病、脳卒中、糖尿病を引き起こします!

 

不整脈や冠動脈疾患のような心臓病にも、睡眠時無呼吸症候群が大きく関わっています。健康な人であれば、睡眠中に心臓も休息できるのですが、呼吸が止まり、息が苦しくなってくると、脈拍が上がってしまいます。つまり、(睡眠中であっても) 心臓は休めないのです。

その結果、循環器系の問題が生じ、血圧が上がり、動脈硬化や脳卒中などの深刻な病気を引き起こすのです。さらには糖尿病とも関係しているのです。

 

 

ちなみに、成人男性の4%、成人女性の2%が睡眠時無呼吸症候群だと言われています。あなたは大丈夫ですか?

 

 

 

睡眠時無呼吸症候群の自覚症状と治療法

 

自覚症状としては、

  • 朝起きたときに口が乾いている
  • 朝、胸焼けがする

 

など様々あります。

 

 

治療には、

まずCPAP (持続陽圧呼吸) 療法が挙げられます。

 

これは、睡眠時に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道が狭くなるのを防ぐ治療法です。ほかにも、マウスピースを使用して気道を確保したり、肥満の人であれば減量したり、寝酒をしない…といった生活習慣の改善も効果的です。

睡眠時無呼吸症候群でなくても、夜中になかなか寝つけなかったり、睡眠が浅かったり、何度も目が覚めてしまったりする人はどうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

ストレス社会を生きるということ

現代人は交感神経が活性化しっぱなしで、副交感神経が高まらない、つまり、常にテンパった状態にある人が多いようです。その原因を一言でいえば、ズバリ!ストレス社会だからです。

 

 

自律神経を整えようと思っても、頭でコントロールはできません。自律神経への適切なアプローチ方法は体を動かす運動 & 行動です。自律神経が乱れにくい行動を心がけましょう☆

 

近年の調査では、寝つきが悪かったり、夜中に目が覚める不眠の症状がある人とそうでない人を比較すると、4年後に高血圧を発症する確率が2倍も違ってきます!さらに、寝つきが悪い人の8年後は、糖尿病になる確率が (そうでない人の) 3倍も高くなるというデータもあります。

そこで、睡眠のリズムを正常に保つためにまずやるべきことは「朝起きて陽の光を浴びる」ことです。

 

しかし、どんな人でも起きたらすぐに日光を浴びるべきかというと一概にそうとは言い切れません。それは年代によっても変わってきます。個人差もありますが、高齢者の中には、朝起きてすぐに朝日を浴びたことによって、夜がいつもよりも早く眠たくなり、起床時間がさらに早まり、睡眠のリズムが崩れてしまうケースもあります。

 

なので、全ての「健康に関する情報」にも当てはまることですが、あれが良い、これが良いとニュースや情報番組で流れても、100%それを鵜呑みにしてはならないのです。

 

一番大事なのは、その方法があなたに最適かどうかなのですから…

 

 


最終更新日:2017/12/01