接触皮膚炎の原因・症状・対処法

まずはじめに、接触皮膚炎は「身のまわりにあるほとんど全ての物質が原因になり得る」ということを覚えておいてください。

アクセサリー (指輪・イヤリングなどの貴金属類)、腕時計、化粧品、香水、ヘアケア用品、衣類、洗剤、医薬品、家庭用化学薬品、動植物、小麦粉などなど。

 

原因となる主な植物

上述した原因物質以外にも、多くの植物が原因物質となり得ます。たとえば、、、

 

◉   山野の植物 (ブタクサ・タンポポ・杉・松・ヨモギ・ドクダミなど)

◉   園芸植物 (アイリス・ラナンキュラス・ひまわり・水仙・ゼラニウム・菊・マーガレット・ヒヤシンス・ユリ・チューリップ・クリスマスローズなど)

◉   街路樹 (イチョウ・いちじく・ジンチョウゲ・ヤツデ・ノウゼンカズラなど)

◉   室内植物 (セントポーリア・シクラメン・ポトス・ベゴニア・ポインセチア・シンビジウムなど)

 

 

◉   野菜 (大根・人参・セロリ・ほうれん草・ブロッコリー・レタス・玉ねぎ・ピーマン・ネギ・こんにゃく・クルミ・長芋・ニンニクなど)

◉   果物 (柑橘類・桃・パイナップル・パパイヤ・マンゴー・キウイフルーツなど)

◉   香辛料 (唐辛子・生姜・胡椒・レモングラス・バニラ・ローズマリー・シナモン・ナツメグ・ローレルなど)

◉   精油・生薬 (ジャスミン・ベルガモット油・ウコン・モッコウ・ハッカ油・ユーカリ油・ラベンダー油など)

 

 

その他の意外な原因

他にも、アッと驚く意外な原因が!

それは「光」です。体質によっては、光に当たっただけで皮膚炎を起こしてしまう人がいるんです。赤くなったり、ブツブツができたり、水膨れができたり。。。

日焼け止めの成分 (紫外線吸収剤) でも起こる場合があるのでそんな体質の方は十分に注意しましょう。

 

また、口の中の粘膜に果物などの食べ物が接触することで口の中がヒリヒリしたり、痒くなったり、腫れたりすることがあります (口腔アレルギー)。

口の中だけでなく、身体中に蕁麻疹ができたりアナフィラキシーショックが起こったりする場合もありますので注意が必要です。

シラカバ花粉症の人はリンゴ、イチゴ、キウイなど、スギ花粉症の人はトマトなどで口腔アレルギーが起こることも。

 

 

症状

原因となり得る何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となって痒みを伴う湿疹 (かぶれ) へと発展します。

紅斑が現れ、ひどい時には腫れ上がったり水疱ができたりするのです。

 

そして、痒みやかぶれくらいで済めばまだいいのですが、場合によっては顔が腫れ上がったり、血圧が低下したり、呼吸困難になってしまうこともありますので、異変を感じたら速やかに専門医療機関を受診しましょう!

接触性皮膚炎で陰部が痒くなる…なんてことも。

 

 

治療法

病院に行くと、原因と推測される物質を塗布した絆創膏を背中に貼られ、反応を診られることでしょう (パッチテスト)。

原因がわかったところで、「その物質と接触しないように」と言われ、短期的にステロイド外用薬が処方されます。痒みが強い場合には、併せて抗ヒスタミン薬 (内服薬) などが追加処方されます。

 

何かに触れた後 (あるいは食べた後)、同じ場所に皮膚炎が生じた場合はそれが原因の可能性大です。それにはなるべく触れないように心がけましょう。そして皮膚炎が起きた場合、そのままにしておかないで早めに専門医に治療してもらうことが大切です。

長く放置すると 自家感作性皮膚炎 (全身に赤いぶつぶつが広がる) になってしまい、痒みや症状が長引く可能性が高くなります。