「言葉遣い」と「聞き上手」は昇進に関係するの?

 

ビジネスパーソンが身に付けるべきスキルはたくさんありますが、そのすべての根幹にあるのは間違いなく「言葉遣い」です。一流の人ほど言葉遣いには繊細なはずですが、たった1つの発言 (失言) で失職してしまった官僚や政治家を何度見てきたことか。

また、「聞き上手」であることも仕事を円滑に行っていく上で大事になってきます。

 

そこで今回は、「言葉遣い」「聞き上手」「昇進」を関連づけて考察してみたいと思います。

 

 

 
 

「言葉遣い」乱れる現代社会 

多くの企業において、新人研修の一環として「言葉遣い」や「マナー」を取り入れていますが、例えば、このような言葉遣いを耳にしたことはないでしょうか。

 

◉ アドバイスをくれた上司に対して

「参考にします」

◉ 取引先への電話で

「〇〇様はおられますか?」

◉ 来客にお茶を差し出すときに

「お茶になります」

 
実は、これらは失笑を買うべきレベルの明らかな誤りです。

 

 

「参考にします」は、目上の相手に使うのは失礼です。「勉強になります」が正解です。このように、表面上は丁寧に見えても、実は相手を下に見ている言葉遣いというものがあります。

ほかにも、自社のことを「×当社 (〇弊社)」と言ってしまったり、上司や取引先の発言に対して「×そのとおりです (〇おっしゃるとおりです)」と言ってしまったりするなど、知らずに相手を格下扱いしている例は少なくありません。

 

2つ目の例でいえば、「おる」は「いる」の謙譲語なので自分に使う言葉です。相手の所在を問うときは、尊敬語の「いらっしゃいますか?」を使うのが正解です。

 

ほかにも、取引先との会話で「×ご承知ですか (〇ご存じですか)」「×鈴木課長がおっしゃっています (〇上司の鈴木が申しております)」など、ウチとソトの違いを適切に表現できていない言葉遣いが多く見受けられます。

 

3つ目は、「お茶でございます」が正解です。また、飲食店などで「×こちらのほうは (〇こちらは)」「×早める方向で (〇早めるように)」などのように、語尾をぼかす若者言葉を聞くとがっかりしてしまいます。

これらは、何となくソフトな印象を与えるのですが、文法的には誤りで、イラッとする人も多い間違いです。

 

 
 
 

「言葉遣い」と昇進の関係は?
厄介なのは、いずれの場合においても自分では「丁寧な言葉遣いができている」と勘違いしていることです。歳を重ねるほどに誤りを指摘されることもなくなってくるので、正す機会を逸すれば、この先何十年と信頼を失い続けることになるのです。

 

 

怖いですね〜
 
そして、ここで質問です。

 

仮にあなたが管理職だとして、言葉遣いが丁寧な部下とそうではない部下、どちらに仕事を任せたいと思いますか?能力に大差がなければ、当然前者で決まりです。言葉遣いのなっていない人物に、責任ある仕事は任せられません。

 

このように、誤った言葉遣いは、キャリア形成にも大きくマイナスに作用を及ぼすのです。

 
 

 

 

「聞き上手」になろう!

正しく美しい言葉遣いは、誰でも何歳からでも身に付けられます。ぜひ頑張ってくださいね!併せて、多くの人は「自分が発する言葉だけに意識が向き、「聞く力」が足りていません。

 昇進のためには、実は「言葉遣い」と共に「聞き上手」であることも求められるのです。知っていましたか?

 

そもそも、ビジネス会話の基本は「相手の話をきちんと聞く」ことです。会話が苦手と感じている人の多くは、「話し方」でなく、実は「聞き方」に問題があります。

 

流麗な言い回しやしゃれた切り返しなど必要ありません。大切なのは、誠実な受け答えで「相手の気持ちを受け止める」こと。それだけで相手に満足感を与えられ、評価が上がります。

 

ここで、「聞き上手」であるための実践的なテクニックを3つ紹介しておきましょう。

 

 
 
 

 1 「相槌」はしっかりと打つ!

相づちは、相手に「話をしっかり聞いている」ことを伝える重要なサインです。人は誰でも、自分の話を聞いてほしいもの。相手の承認欲求を満たし、会話が弾ませるためにも「相槌」を研究し、しっかりマスターしておきましょう。

 

 2 「返事」は臨機応変に変化させる!

業務上の返事が「わかりました」「ありがとうございます」だけではもったいないことです。「わかりました」は「承知しました」「かしこまりました」に、「ありがとうございます」は場合に応じて「恐れ入ります」と言い換えてみましょう。これができるだけで、相手に「うむっ、任せられるな」と思わせることができます。

 

3 話の最後に「確認」する!

例えば、あなたが上司や取引先から業務内容の説明を受けた際、頭の中で内容を理解できていたとしても、必ず最後に「承知しました。では〇日までに××をお送りいたしますね」と声に出して確認しましょう。これだけでミスは激減し、相手は確実に伝わったことに安心します。

 

 

 

 

終わりに

忘れてならないのは、「言葉遣いは心遣い」だということです。敬語を覚えることも大切ですが、本当に心のこもった受け答えができていれば、多少の間違いは目をつぶって許されるものでもあります。

反対に、上辺だけの相づちは、馬鹿にされた気分になる最低なコミュニケーションだということはもうおわかりですよね?

 

言葉遣いには、その人が仕事や他人に対して心の中でどのような目を向けているのかがはっきりと表れます。

つまり、言葉を口にするとき、あなたの心の中は丸裸にされているようなものなのです。

 

あなたが真の「聞き上手」「話し上手」になって、良き家庭や良き会社、良き社会を築いていってくれること、昇進して力を持ち、良い日本にしてくれることを心から願っております ☆

 
 


最終更新日:2017/12/02