薬に頼らない「うつ」の治療・改善法☆
最新の医療現場では脳内の血流の流れを画像化するなど、新しい技術が次から次へと出てきており、うつ病を客観的に診断できるとして注目を集めています。
このように、これまでは心の病として扱われてきたうつ病が、脳の病として扱われつつある現在…うつ病は本当に脳の病なのでしょうか?
もし今後、うつ病が脳の病として目に見える画像やデータをもとに治療されていく方向にあるとしたら、診察の際、本人の訴えが置いてきぼりにされてしまう恐れはないのでしょうか?
「言っていることを信じてもらえない」「仮病扱いされる」なんてことが起こらないを祈るばかりです。
ところで、うつ病患者の脳は (健常な人なら脳の活動が低くなる安静状態でも)、正中線領域という部位が活発に活動しているそうです。こういった点からも、脳の研究が大事なのは間違いないようです。
「うつ病」を本気で治したいのであれば、まずはその「敵の正体を知ること」が大切になってきます。
今さらですが、「うつ病」は憂鬱な気分になることです。しかし、誰だって落ち込むことはあります。そういった「正常の憂鬱」と「病気としての憂鬱」はいったい何がどう違うのでしょうか?
そんなことをあれこれ考えながら、薬に頼らない「うつ」の改善法について考えてみたいと思います。
ここで、「うつ病」の特徴をいくつか挙げてみましょう。
・楽しみも悲しみも感じない
・悲観的な考えから脱け出せない
・自己否定の妄想にとらわれる
・意欲が湧かない
・眠れない、もしくは眠くてたまらない
・食欲が湧かない
・何となく体の具合が悪い
・憂鬱感が晴れない
・人付き合いが悪くなる
・趣味・気晴らしもつらい
しかしながら、本来、うつ病はこのように簡単に説明できる病気ではありません。「メランコリー型うつ病」や「現代うつ病」「気分変調症」「季節性うつ病」「双極性障害」などなど、うつ病(やそれと似ている心の病)は数多く存在し、また個人差もあります。
そして、現代のうつ病の治療法は「薬物療法」「精神療法」「生活療法」の三つを併用しながら取り組んでいるのです。
このストレスフルな現代社会においては、いつ誰がこの病にかかってもおかしくはありません。そういった意味でも、うつ病になる前に正しい知識を持って備えておくことが大切なのではないでしょうか。
うつ病人口が増大し続けている世の中にあって、究極のところ、その背景 (原因) をよく知り、うつにならない (なりにくい) 生活習慣や思考法を学ぶことが一番です。
うつに関しては、巷間ささやかれている常識の中には極論も混ざっています。例えば、抗うつ薬の効果に関する情報や、激励禁忌(「励ましてはいけない」)の神話、長期療養の問題などなど。
これらの中には、実は学界ですでに否定されているものもあるのです。時代遅れなもの、一部の患者にしか妥当しないものなど。
こういったことを総合的に考えてみると (症状等には個人差があるため一概には言えないのですが) 、まずは薬よりも心の健康を保つために睡眠時間を確保することが重要なのです。
「薬に頼らない」方法とは、「絶対に薬を飲まない」ということではありません。必要以上には飲まない、という意味です。良い医師であれば、「その必要がない」と判断し、極力薬の量を減らします。
事実、実際に「たくさんの薬が必要」なケースはけっして多くはないのです。
薬を使わなくても済むケースが多い理由としては、都市型うつの病理の本質が心身の疲弊にあるからです。それは、薬を使えば治るようなものではなく…
むしろ、疲弊を解消する睡眠をいかにしてとっていくかの問題だけなのです。どうしたら毎日7時間の睡眠を確保できるのか。。。
もちろん、都市型の生活は忙しさに満ち溢れています。その渦中にあって、7時間の睡眠を確保することがいかに難しいことか。
ただ、睡眠さえ確保できれば、心身の疲弊は解消されていきます。あとは、「心身の活力の回復」の足を引っ張る (であろう) 薬剤をさっさとやめた方がいいのです。薬を減らして、いっそのことやめてしまった方がよほどきれいに治るのです。