高齢・長期化する「ひきこもり」の社会復帰を考える

 

近年、「大人の引きこもり」と言われる事象が社会問題になっています。
 
「大人の引きこもり」とは、「家から一歩も出られない」「家族とも顔を合わせない」というこれまでの引きこもりとは異なり、「外に出る」こと自体はできているケースも多いようです。

 

家族とは普通に交流できる「引きこもり」…

 

※ こうした人々を定義する言葉として「SNEP(スネップ・solitary non-employed persons」という概念もあるようです
 
 
 

増加する大人の引きこもり

「大人のひきこもり」 について考えさせられる出来事が発生しました!
 
兵庫県・淡路島で5人を殺害し逮捕された男は、20年以上も前から引きこもり状態を続け、逮捕時の年齢が40歳という働き盛りの年齢だったことが世間を騒がせたのです!

 

実は、世界的にみて日本の引きこもり人口は桁違いに多いと言われています。その大半は30歳以上…そう、「大人の引きこもり」です。
 
社会的プレッシャーからのストレス、家庭環境など、原因はいろいろ推測できますが、働けない大人の引きこもりはここ数年増加の一途なのです。
 
 
 

長い社会的ブランク

引きこもりの人は、まったく家の外に出ない場合もあれば、夜間や近所であれば外出する場合もあります。しかしだいたいは家族以外の人との交流がありません。家族との交流すら断ってしまう場合もあります。
 
精神疾患などの要因や、いじめ過労などの社会的要因などで、周囲とうまく適応できなくなってしまった時に引きこもりは始まり。。。そして長期化していくのです。

高齢化・長期化する「引きこもり」の社会復帰を考える
 
 
 

SNEPとニートの違い

ニートの定義は「35歳以下で仕事がなく就労の意志もない人」、SNEPの定義は「20歳~59歳で仕事をしておらず家族以外と交流がない人」とされています。

そして
未婚・無職の道へ・・・
 
 
 

働くことが難しくなってしまうSNEP

SNEPには、家族と交流のある「家族型」と、家族と交流のない「1人型」に分類されます。
 
SNEPになる人の中には、過酷な勤務を続けたために心身ともに疲弊してしまっていたり、本人の意に沿わない配置転換や転勤、心の病気などが理由で会社に行けなくなってしまったり、というケースが多く見られます。
 
 
働けない…
 
以上のような理由から仕事を辞めてしまった人たちは、就業時の嫌な記憶や辛い体験が足かせとなり、再就職活動が難しくなってしまうのです。「働くこと」以外なら普通にできるのに…
 
 
 

コンプレックスが増幅

自分が「働いていない」ことを気にするあまり、それが負い目となって人間関係を築きにくくなり、コンプレックスとなり、人間関係の構築に消極的になる、という悪循環に。。。

高齢化・長期化する「引きこもり」の社会復帰を考える

 
 
 

実家暮らしの家族型SNEP
特に、実家暮らしの家族型SNEPに対しては「親に甘えている」という批判が相次いでいます!

 
でも
 
 
批判してはいけません。
 
世の中には「引きこもり」のためのサポート組織や相談窓口がありますが、実際には、本人ではなくその家族が相談に訪れるケースが多いようです。また、親身になって対応できる支援員が少ないため、なおさら足が遠のいてしまうという悪循環に…

 

燃え尽きてしまった「引きこもり」の人たちの意欲を復活させるためには、まず、適度な距離を置き見守っていくことが大事なのです。
 
急かさず、本人の気持ちが少し上向いてきた時にそっと手を添えてあげるのが良いのです。責めないであげてください。
 
 
 

高年齢化・長期化に加え、女性の引きこもりも急増中

「引きこもり」の平均年齢は30〜35歳、平均期間は10年と言われています。そして近年、「高年齢化」と「長期化」が顕著になってきました。
 
ちょっと前までは、いじめや不登校などが要因で引きこもる若年層が取り上げられていたのですが、昨今では、社会に出てから就労し、失業や会社での人間関係のもつれなどでつまずきを経験して引きこもる30代・40代の事案が増えており、見過ごせない問題となっているのです。

 

また、最近では女性のSNEPも注目を集めています。20歳~59歳の未婚で無職、家族以外とのコミュニケーションをとっていない孤立無業者が増えているのです。
 
介護や離婚、失業などが引き金となり社会から孤立…

高齢化・長期化する「引きこもり」の社会復帰を考える

 

 
 

自治体の支援体制

また、引きこもりが高年齢化することによりその両親の平均年齢も上昇することから、年金生活など経済状況の困難化も始まっています。
 

まさに今、総中流時代から格差社会へと変遷中なのです!

 

そんな中、厚生労働省は引きこもりに特化した専門的な一次相談窓口となる地域支援センターを全国に設置しました。地方においてはより深刻な引きこもりの高年齢化に対し、今やっと、各自治体は取り組みを開始し始めたばかりなのです。
 
引きこもりになる要因は人それぞれ!官民一体となって、個々に応じたきめ細やかなサポートが望まれます。
 
さて

ここで改めて引きこもりの原因について考えてみましょう。
 
 
 

引きこもりの原因は脳の症状にあり?

「ひきこもり」は社会との接点を失ってしまうため、長引かせると状況は悪化していく一方です。当の本人は「1日でも早く抜け出したい」と思っているのですが、どうしたらいいのかわからず途方に暮れてしまいやすいもの。

 

実は、そんなひきこもりの原因は上述したものばかりではなく、脳の症状が関わっている可能性もあるのです。脳の病気や軽度の発達障害の可能性だってあるのです。
 
特に、職場での人間関係が原因の場合は発達障害によるコミュニケーション不全が影響していることが予想されます。

 

発達障害かどうかは、脳の状態を調べることでわかります。日常生活に支障がないレベルの発達障害(自閉症スペクトラム障害)やうつ、双極性障害の場合は表面化しにくいため、大人になるまで気づかれないことも多いのです。

高齢化・長期化する「引きこもり」の社会復帰を考える
 
 
 

脳の症状が原因であれば…

投薬ではなく、脳機能が正常になるよう誘導していく治療法があり、その効果が期待されています。投薬ではないためほとんど副作用がなく、早めに対処すれば仕事に復帰することも不可能ではありません。

 
 
 

終わりに

一度ひきこもりになってしまうと、病気としての治療が難しいだけでなく、社会制度が「社会復帰」を難しくさせてしまいます

 

例えば、不登校であれば年齢が若く脳も成長期にある段階なので治療による効果も期待でき、進学や転校などを機に人間関係をリセットすることが比較的簡単なのですが。。。
 
大人になってからのひきこもりは治療効果が現れにくいのです。社会人でドロップアウトした人を救う手段が少なく、再就職などで社会復帰することが難しい現代社会…
 

問題です!

 
これらの事情を踏まえた上で、周囲の人たちは非難することなく温かく見守ってあげてください。だって、一番苦しんでいるのは本人ですし、「どうにかしたい!」と思い続けているのですから。
 
人生、生きていれば必ず良いことがあります。今は「闇の中」だと思えても、いつか必ず光は射します!
 
 
その日まで、「笑顔」を意識して、めげずに生き抜いていってください。絶対に自殺を考えてはいけません。
 
まずは1日1回「笑うこと」を目標に (^ ^)

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