増える「無縁墓」「荒れ墓」!暮石の不法投棄まで…

 

「日本各地で暮石の不法投棄が相次いでいる」というショッキングなニュースを耳にする時代になってきました。この背景には、「人口減少」や家族との繋がりが失われている「無縁化」といった問題などがあります。

全国的に「墓じまい」は定着しつつあります。墓参りする人がいなくなり、墓自体を処分するしかないのです。

 

「墓じまい」には至らずとも、雑草に覆われてしまっている「荒れ墓」や、使用者不明の「無縁墓」は年々増え続けています。荒れ放題にしないため、各自治体は「墓守代行」や「レンタル墓」などのサービスを展開していますが、それでも、少子化や過疎化など荒れ墓を生む要因が大きく変わるわけはないのです。

引き継ぎ手のいない墓は今後さらに増えていきます。あなたの肉親や近親者のお墓は大丈夫でしょうか?

 

 

 

「墓じまい」の現場

先日、とある市営墓地で「墓じまい」が行われました。今にも雨が降りそうな日のことです。墓地に隣接する道路に4トントラックが横付けされ、作業は始まりました。

重さ約1.5トンの墓石にベルトを巻き、クレーンでつり上げます。墓石が荷台に載ると、露わになった (墓石の下にある)「納骨室」にはたっぷりと水が溜まっています。20分ほどかけてそれを排出し、いくつかの骨壺を取り出します。

 

納骨室もクレーンで荷台へと移動させ、整地をして作業は終了です。約1時間の作業でした。

(遺骨は後日、乾燥させて砕き、海に散骨されました)

 

 

「子どもに迷惑をかけたくない…」

「墓じまい」の依頼者は80代の男性でした。「自分の代で墓を “無” にしてしまうのは気が引ける。けれど、墓の管理で子どもに迷惑はかけたくない…」

苦渋の選択でした。「無縁墓にはしたくなかった」そんな思いから、思い切って「墓じまい」を決断したのです。この男性は、更地になった様子を見て、正直ホッとしたそうです。

 

 

「墓じまい」希望者はここ数年増加傾向にありますが、「将来、荒れ墓になるであろうことを危惧して」依頼される方が多いのだとか。

参考までに、「墓じまい」後の遺骨は、「合葬墓や納骨堂へ移す」「親族所有の墓に納める」「海や山への散骨」といった方法で供養されるそうです。

 

 

 

まさに荒れ放題の「無縁墓」も…

長い年月をかけて墓地のほとんどが藪になり、うっそうたる薮の先に数百もの無縁墓が存在する地域も少なくなく…

不名誉ながら有名になってしまった熊本県人吉市の「荒れ墓」。市有と私有の墓地にある市内計1万5128基の墓のうち、その4割強が「無縁墓」、つまり「最近お参りされた形跡のない墓」だったのです。

 

いかに無縁墓の多いことか…

墓石を処理し、更地にする費用は一般的に「1平方メートル当たり10万円程度から」「1基当たり、およそ30万〜40万円」とされています。ところが、「荒れ墓」と化した、藪に覆われた箇所には重機も入れないため、費用はさらにかさみます。

これ以上無縁墓が増えませんように…

 

 

 

自治体の手で実施される「墓じまい」

例えば、宮崎県宮崎市では2008年度から「無縁墓対策」が実施されています。具体的には、使用者が特定できない墓に看板を設置し、一定期間連絡のなかった墓は更地にする…などを実行してるのです。その代わり、「合葬墓」が設けられました。これこそが「行政による墓じまい」の形です。

 

 

 

この先一気に増える「無縁墓」

少子化が急速に進む中、旧来型の「家」制度に沿った墓の維持は困難となってきています。

 今の60〜70代の人たちは、「大家族」「同居生活」ゆえの親近感からよく墓参りに行っていました。ところが、核家族化が進行した現在、その子どもたち世代が実際祖父母に会うのは年に1、2回程度。。。

 

さらにその子ども(孫) 世代が墓守になる頃には、墓参りする人はぐんと減り、一気に無縁墓が増えるのは必然…とも言えるでしょう。特に、過疎の地域ほどこのスピードは速いはずです。

 

 

無縁墓や荒れ墓を防ぐにはどうしたらいい?

友人同士や老人ホームの仲間…といった血縁のない人たちと一緒に墓に入り、お寺やNPO法人、企業、自治体などが管理していく社会システムが確立されていけば、荒れ墓になる心配はないのかもしれません。

 

今後、「墓守代行」「墓守サービス」といった代行ビジネスはますます定着していくことでしょう。そのサービス母体は様々ですが、実際、障害者施設がサービスを行なっているケースも出始めています。

それとは違う民間の代行業者に問い合わせてみたところ、週1回の作業で生花を毎回生け替える場合、(依頼者は) 年間11万円かかるそうです。この団体には年間契約が数十件もあり、その多くは遠方在住者かつ高齢者なのです。

 

本当は本人が墓参りしたいはずなのに、「遠方在住」かつ「高齢」。。。足腰が弱くなって1人での墓地管理は到底無理…という声もよく聞きます。

(高齢者にはそぐわないサービスですが、遠方の方向けに「ふるさと納税」を活用した墓守代行サービスなるものも登場してきています)。

 

 

 

「納骨堂」を活用しよう

繰り返しお伝えしていますが、年々、「荒れ墓」「無縁墓」「墓じまい」は増え続けています。子々孫々で継承していく従来の墓が負担になってきているのです。では、社会の変化に合った墓とはいったいどのようなものなのでしょうか?

その答えの一つは「納骨堂」なのかもしれません。特に、都会では墓地の増設はもう不可能で、迫り来る「多死社会」に対応できないという現実もあります。

 

ただ、「墓守代行」や「レンタル墓」、そして「納骨堂」などが荒れ墓を防ぐ策の一手段と言っても、それらは多くの人たちが「墓」というものに関心を寄せてこそ!

これからの人たちが、墓自体に関心を持たなくなってしまったら…いったいどうなるのでしょうか?

 

 

 

終わりに

 

 

都内に住むAさん (30代男性) は、「うちの墓が今実際どういう状況にあるのか、正直まったく興味ありません」と本音を明かしてくれました。おそらく、Aさんと同じような考えの方たちは少なくないでしょう。

そもそも、墓に入っている人たちを直接知らない現代の若者たちにとって、墓参りは熱心にできるものではないのかもしれません。「自分が入る墓は要らない」と考えている人たちも確かに増え続けているのです。

 

一般的に、墓を継ぐ者が途絶えそうになったら、普通は墓を親類と一緒にしたり、「墓じまい」をしたりします。こういった「改葬」件数は、ここ数年で驚くほど急激に増えているのです。

この先、日本では本格的な人口減少が始まります。それに伴い、「墓守不足」がさらに深刻に進んでいきます。手入れの行き届いた墓の間に「無縁墓」が混在する社会。。。そして。。。

 

日本の墓は今後、どうなっていくのでしょうか?

 

関連記事: