舛添ベッキーを袋叩きにする病的ニッポン

 

東日本大震災 (2011年) や熊本大震災 (2016年) 後のつぶやきや行動で、多くの芸能人たちがバッシングされたりされなかったり。明暗がはっきりと分かれてしまいました。

例えば、俳優の高良健吾さんや歌手の森高千里さん、タレントのスザンヌさん、SMAPの中居正広さんなどは賞讃された側ですが、一方で多くの人たちは大バッシングを受けてしまったのです。

 

「これで発信やめます。これ以上の辛さは今はごめんなさい。」

 

熊本地震で自宅が全壊する被害に遭ったタレントの井上晴美さんは、震災直後のブログにこう綴りました。被災地の状況や避難生活の心中などを綴っていただけなのですが、「愚痴りたいのはお前だけじゃない!」などとネット上で強い批判が集中してしまったのです。

 

被災者にまで誹謗中傷の声を浴びせる異常な社会…

 

 

被災者のために500万2千円を寄付したタレントの紗栄子さんは、ブログに振込受付書の写真を投稿したことで「好感度アップのための作戦か」などと猛烈に非難される事態に。

 

女優の藤原紀香さんの場合、ブログで被災地にエールを送る中で、「火の国の神様!どうかどうかもうやめてください」と綴った内容が炎上。。。「地震は天罰と言いたいのか!」と反発する声が溢れてしまったのです。

 

相次ぐ芸能人のブログ炎上

 

 

 

横行する「不謹慎狩り」

女優の西内まりやさんに対しては、「九州の方だけではなくみーんな、備えあれば憂いなし。頑張ろう。支え合おう。(ハートマーク)」と、自撮り写真を添えてツイートしたところ、「軽いノリで腹が立つ!」と批判コメントが殺到。「不快な気持ちにさせてしまっている方々ごめんなさい」と謝罪にまで追い込まれてしまいました。

 

苦しんでいる被災者に対する「配慮」という正義をふりかざし、「笑顔」さえも許さない歪んだ「不謹慎狩り」が横行してしまっている現代の日本社会…

 

いったいなぜ?

 

 

 

 

失敗は許されない?

女優の長澤まさみさんや山田優さんも、地震発生直後に笑顔の写真をインスタグラムに投稿しただけで「不謹慎だ!」「空気読めなさ過ぎ」などとバッシングされ…

「良いこと以外はしてはいけない」という極端な価値観・風潮が社会を満たし始めているのです。

 

そして、被災地支援活動の一部が、この「歪んだ」監視や批判のために自粛せざるを得ない、という由々しき事態を生んでいるのです。

 

ストップ!被災地支援の自粛

 

震災とはまた別の話ですが、不倫騒動を巻き起こしたタレントのベッキーさんや矢口真里さん、都税を公私混同してしまった舛添要一前都知事やいろいろあったみのもんたさんは「どうしてここまで…」と思えるほどに世間から厳しい集中砲火を浴びてしまいました。

 

(舛添さんは許されるものではありませんが…)

 

大バッシングを受けたベッキーと矢口真里

 

このような社会風潮を受けて…

 

 

 

学校における指導が異常事態に

日本社会では、一度転んだらもう二度と立ち上がれないのでしょうか?

 

東京都内の公立小学校では、父兄向け研修でこんな指導が行われています。

「SNSにお子さんの名前、写真、行動履歴は絶対に残さないでください。本人に実名での発信もさせてはいけません」

 

書き込んだ「たった一度の過ち」が炎上すれば、中学受験や高校受験、就職にまで響きかねない、というのです。こんなことくらいで一生を棒に振ってしまうなんてことがあっていいのでしょうか?

 

一生を棒に振る

 

 

 

なぜ妬みが蔓延しているの?

一説には、「働き方やライフスタイルが多様化したことから、互いに終わりなき闘争に陥っている可能性がある」と言われています。

「既婚か未婚か」「正規か非正規か」「子どもがいるかいないか」「共働きか専業主婦か」。。。このような「差異」が無数に生まれ、妬み蓄積の原因になっているというのです。

 

富裕層から貧困層まで、社会や経済環境が目まぐるしく変わる今、長期的なビジョンを描ける人は少なく、「競争に勝てるのか?」「働き続けることはできるのか?」などと社会には不安がたくさん充満しているわけです。

そんな「不安定な個人」が大量に生まれた結果として、炎上が起こってしまうのです。

 

 

ただし、

炎上加担者はごく少数…

 

ネット上で執拗に攻撃する人はごくごく少数で、同一人物が複数回書き込んでいる悪質なケースが多いのです。つまり、炎上被害者は「社会全体を敵に回している」ように見えて実はそうではないのです。

 

とはいえ、やはり、今の日本には妬みが充満しています。ただ、「出過ぎた杭は打たれません」。

あの堀江貴文さんや壇蜜さんを叩く人はもういないのではないでしょうか。彼らは出過ぎ続け、攻撃の外へと脱出することに成功したのです。

 

バッシングされやすかったホリエモンこと堀江貴文氏

 

 

 

一般社会でも起こり得る“炎上”

2015年、アルバイト従業員が食べ物を入れるショーケースや冷蔵庫の中に入ったり、食べ物を扱う容器の近くで不適切な行為をした写真をTwitterに投稿し、ネット上で非難が相次ぎ、企業が謝罪するという「バイトテロ」が多発しました。

また、復興庁の参事官が不適切なツイートを行い、大きな批判を浴び、懲戒処分を受けた事件もありました。

 

このような事態を招いたのは当の本人たちなので、「炎上」には同情の余地もありませんが、、、その代償の大きさは計り知れません。

 

“炎上”が怖くてツブヤケない… そんな方へ!

 

そんな事例を受けてか、ソーシャルメディアでの投稿監視を行う「つぶやきマネージャー」なるシステムが開発されました。これは、ツイートをTwitter上に投稿する前に、あらかじめ登録しておいた関係者のみに内容を送信。不適切なツイートかどうかを確認してもらい、承諾を得た上でないとツイッター上に投稿することができないというシステムです。

 

“炎上”が怖くてつぶやけない方、利用してみては?

 

 

 

 

おわりに

不適切?なツイートによる炎上は、個人の問題だけでは済まされず、学校や企業、社会全体の問題にまで大きく発展してしまう可能性もあります。

ドラえもんに登場するしずかちゃんが、どんなに汚い言葉でも、さわやかにお綺麗に変換してくれるアプリ「しずかったー」が話題になりましたが、彼女ほど上手に言い換える自信のない方や、学生や社員を守りたいという経営者・責任者の方々は、こうしたサービスの利用を検討してみてもいいのでは。

 

そもそも

妬み非難からくる炎上は鬱々とした気分が具現化したもの。

 

健全な社会の中で明るく楽しく暮らしていくためにも、イジメが蔓延らないためにも、うつ病患者を増やし続けないためにも、この歪んだストレス社会を改善させていく施策があらゆる方面からなされていくべきなのではないでしょうか。

 

 

 


最終更新日:2017/11/28