「死ぬときは一人で」の覚悟と勇気を持とう!

 

世界で最も高齢化が進んでいる日本において、私たちはこれから「老い」や「死」というものをどう受け止めていけばよいのでしょうか。

(少し生々しい言い方かもしれませんが) もうしばらくすると、650万人もの団塊の世代が一斉にこの世から退場していくわけです。大量の要介護老人と、大量の死者が周囲に溢れ返っている時代。。。やってくるんですよ。

 

これはまさに未曽有の事態です。かつて、歴史で経験したことのない、”解決法” も “ノウハウ” もない事態が起こってきます。手探りでやっていくしかありません。

そこで皆さんに考えていただきたいことは、”個人” としての老いや死を見つめていくだけでなく、社会全体で “死” というものをどう受け止めていくか、です。

 

そこには、政治・経済・宗教の問題だけでなく、スピリチュアルのような集団的思想も含めて、様々な問題がクローズアップされてくるのではないでしょうか。

そこでまずはじめに言っておきたいことは、老いや死に対して「安らかな」「落ち着いた」境地がある…というふうに想像するのは幻想だということ。年老いるというのは、必ずしもそんなにきれいなものではないのです。

 

 

結局のところ、身体が次第に崩壊していく中で、肩身を狭くして生きていくことなのですから。一昔前までは、大家族で子供たちが多い中、高齢者が少なかったからこそ大事にされてきましたが、これから先、若者よりも高齢者の方が多くなってしまえばそうはいかなくなります。

さて、年を取ってから負う障害について考えてみましょう。そのきっかけの一因は「転ぶ」ことにあります。そして、「転んで」問題なのは骨折するかどうかよりも先に、「どうしてこんなところでつまずくんだろう…」と心が傷つくことなんです。

 

「老いてなお元気!」あるいは、死が突然訪れてくれれば簡単なことなのですが、多くの場合においては、自分が崩れゆく過程をまざまざと体験して死に向かっていかなければなりません。

(宗教観・死生観などの価値観は人によって様々ですが) 今の日本人にとって、強い宗教意識は昔ほどないのではないでしょうか。今は「あの世」「極楽」「天国」「地獄」といった観念があまりリアルではなく、その代わりに、「死ねば宇宙のゴミになるだけ…」くらいな感覚なのではないでしょうか。

 

 

ちなみに私の個人的な解釈はこうです。「死ねば身体はなくなり、魂は残りこそすれ、その魂に故人の意思は存在しない」というもの。

こうしたこと (自分なりの死生観) を時々考えながら、自らの人間的、肉体的な崩壊 (衰え) に日々直面していかなければならないのです。それこそが人生というものでもあるのです。

 

おそらく、介護を受けている人たちも、こうしたある種の失意や心の痛みを感じているんだろうなと思います。だからこそ、「認知症は天の恵み」「神様からのプレゼント」などと言われたりもしているのでしょう。

近代歴史において、戦争を知っている人たちは大量の死に直面してきました。両親や家族を早くに亡くし、死を日常的なものとして受け止めてきました。今では考えられないことですね。

 

 

話は少し変わりますが、高齢者の孤独死の中で死因が “餓死” というケースもあります。彼らはきっと体が不自由になり、あるいは希望をなくすに至る何らかの事情があって、自らの意思で「食べなきゃいいだろう」と考えてしまった結果、餓死したに違いありません。

水も摂らず、自ら枯れていけばいいんじゃないかと。こうした死に方を「それは自殺じゃないか」と非難する人もいるでしょうが、緩慢な退場というか、そういうのができればいいなーと思っている方も、実際には少なくないのではないでしょうか。

 

現代社会において、多くの人たちは家族との絆が薄れてきています。一方で、自らの老いや死と真剣に向き合わねばならない時代と言えるかもしれません。

子や孫に囲まれて静かに息を引きとる…といったことではなく、「最期は独りでこの世を去る覚悟を持たないといけない」時代とも言えるでしょう。

 

 

そもそも人は生まれてくる時も死ぬ時も、突き詰めて考えてみると「一人」なわけです。私は、老いさらばえていく姿を誰にも見られたくない。そういう意味では「単独死」「孤独死」を悲惨だとは思いません。

 

日本では戦後、寿命が延び、高齢化が急速に進んできました。現在、日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が87歳。人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は26.7%(2015年)と、世界で最も高い数字を叩き出しています。

当然、高齢者が増えた後には「多死社会」がやってきます。1年間に亡くなる人の数は、1970~80年代は70万人台だったのに対して、2015年には130万人に達しました。人口の多い団塊の世代(1947~49年生まれ)が全員80歳以上になる2030年には、160万人を超える…とみられています。

 

そんなことをふと考えつつ、あなた自身の「最期」について少しだけ想像してみてはいかがでしょうか。

あなたはどんな最期でありたいですか?

 

 

関連記事: