大人になっても続く「イジメ後遺症」との向き合い方

 

近年、子供の頃にイジメを受けた人が大人になってもその後遺症に苦しんでいるという実態が明らかになってきました。日本の教育現場や会社などで、折にふれて問題となる「いじめ」ですが。。。

イジメによる心の傷が深ければ、トラウマやPTSDとなり、人生に大きな影を落とすこともあります。枠しつなケースの場合では、最悪、被害を受けた子供の自殺にもつながってしまいます。

 

イジメは、たとえしばらくの期間を乗り切れたとしても、同級生からいわれなく向けられる悪意や敵意は、その後の人格形成に大きな影響を及ぼすことになるのです。

 

東日本大震災の被災地である宮城や福島などから移り住んでいる地で「被爆者」などとイジメを受けている生徒たちが思いの外多いという現実に胸を締めつけられる思いなのですが、この「イジメ」による後遺症は一生ついてくるものなんだという事実をしっかり理解していただきたく、今回の記事をまとめてみました。

 

以下、順を追って読み進めていってもらえればと思います。

 

 

 

イジメ後遺症とは

「イジメ後遺症」とは、イジメを受けた子供たちが成長した後も様々な後遺症に苦しむことを言います。

 つまり、子供の頃にイジメを受けたことのある人は、その後うつ病不安障害になる確率が高まってしまうのです。イジメを受けたときの苦しみが大人になっても続き、日常生活に支障をきたし、やがて、うつ病・対人恐怖・摂食障害などの精神疾患を発症してしまうわけです。
 

当時、とてもつらい思いをしていたにも関わらず、大人になってからも苦しみ続けなくてはならないなんて…あんまりです。

 

 

パニック障害になってしまった方…

ついすみませんと言ってしまう方…

人と会うことや電話で話すことも難しい方…

 
 
学生時代に「顔面凶器」と書かれた紙を投げつけられた記憶がトラウマとなり、今でもマスクで顔を隠さないと生活していけない人もいます。

「自分は価値のない人間なんだ」と思いこまされた忘れ難き記憶…

 

残念ながら、こういうことはどこの小学校や中学校でもあることです。「私みたいにならないで。ちゃんと誰かに愛されて。」と心から願う方もいらっしゃいます。

一概には言えませんが、専門家の間では「いじめる子は攻撃的な子が多く、いじめられる子は優しく受け身なタイプの子が多い」と言われています。

正直者がバカをみているようで嫌ですね。

 

 

 

 

イジメで脳にダメージを受けることも

子供の頃、太っていたことが原因でいじめられ、それが社会人になってからも思い出され、ついには人の目が恐ろしく感じられるようになり、仕事を辞め、家に引きこもってしまった方もいます。

子供って本当に残酷です・・・

 

このように、当時と同じ状況や関連する状況がきっかけとなって「イジメ後遺症」になることもあるのです。

悪しき記憶が蘇らないようにするための治療がある…ということなので、悩んでいる方は一度、専門医に相談してみるのがいいかもしれません。

 

 

ちなみに、暴言・虐待を受けたことのある方は、聴覚野という脳の部位が約14%も増えている…というデータがあるそうです。これで何が問題なのかと言えば、「人の言葉が入ってきにくくなる」そうです。つまりは「防衛本能が過剰に働いてしまう」んです。

他にも、厳格な体罰を受けると前頭前野が19%減る、扁桃体が変形するというデータもあります。

 

このように、イジメは目に見えない部分でも人に大きな影響を与えているんです。被害者は、心身ともに大きなダメージを受けることになるんです。

ですが、適切な治療を受けさえすれば、元に戻る可能性もあるとも言われています。他の部分を活性化することで機能回復が可能らしいです。諦めず、ぜひ一度専門医に相談されてみてください。

 

 

 

イジメが原因で起こる様々な症状

 

一例を以下に記しておきます。

 

①ストレス発散に悩む

イジメられた経験により「ストレス発散の方法がわからなくなってしまった」人が多いんです!

気分転換などを考える自由な心の動きが、思春期の体験で縛られてしまったのかもしれません。

 

②「自己嫌悪」の傾向が強い

自分への自信や誇りが、イジメによって傷つけられ損なわれます。「自分の顔を見たくない」…なんて可哀想すぎます。被害者への継続的な支援やカウンセリングがもっと充実することを願うばかりです。

 

③強迫性障害に苦しむ

お風呂で、目をつぶって頭を洗っているとき、ふと「後ろに誰かいるのではないか…」、そんなホラー映画のような恐怖感を覚える人が一定の割合で存在しています。

このような強迫的な心理も、いじめられた経験のある人に多くみられるようです。

 

 


 

 

ちょっと変わった人を排除し、それによって他のメンバーの団結力を高める。いじめは、群れる生き物である人間の奥深くにある心理なのかもしれませんが…

我々は動物であると同時に人間です!何とかこの悪しき動物の本能部分を抑え込むことはできないものなのでしょうか?

 

 

他にも

 

 

対人恐怖症を引き起こします

イジメによる典型的な「後遺症」として、対人恐怖症が挙げられます。いじめられた経験が傷となり、フラッシュバックで頭の中で再現され、人の輪に入っていけない。街を歩いていても、学生服の集団とすれ違うと恐怖に駆られて隠れてしまう。

そこまでいかなくても、不安を抱いたり、恐怖心を抱いたり。同世代と人間関係を作りにくいといった特徴もあります。これは、学校の教室で生じたトラウマが原因です。このように、イジメは、現代の日本で最も多くの心的外傷後ストレス障害(PTSD)をもたらす温床なのです。

 

 

 

実際に、イジメを受けて数十年もの年月を経たのちにようやく医療機関に相談に来る方も少なくないようです。イジメ発生時には適切な対策をとってもらえず、卒業してからは放置され、そのまま「生傷」を胸に抱み。。。

引きこもりの当事者がまれに自殺する例がありますが、これは過去のイジメのトラウマが原因だったりするのです。被害者は、イジメに関して口にしにくく相談しにくいものなのです。「誰も自分の苦しさを理解してくれない…」と絶望感が一生つきまとう場合もあるのです。

 

 

 

日本社会のいびつさを直視し改善を目指そう!

薄々感じている方も少なくないとは思いますが、先に述べた東日本大震災の被災者に対する多発するイジメ。。。

これは、「ちょっと変わった人を排除しそれによって他のメンバーの団結力を高める」という動物の心理から起こっていることなのかもしれません。

 

しかしながら、どんな理由があろうとも、イジメは良くないことですし、いじめられた被害者の方がその後の人生をずっと苦しみ続けなければならないなんて…

このような日本社会のいびつさは、例えばアメリカと比べるとよくわかります。アメリカでは、いじめの加害者こそ社会の「不適応者」扱いされるのです。逆に、なぜか日本の場合には、やられた側が問題視されてしまう傾向にあります。

 

「被害者の発達に障害がある」とか「空気を読めないから悪い」とか。。。

何かがおかしいのです。

 

 

 

後遺症が出ないようにするには?

これには家族の協力が必要になってきます。イジメ被害者が勇気を持って告白してくれたら、批判的なことは一切言わずに100%味方だということを伝えてあげましょう。

たとえ1%でも批判してはダメです。それがどんなに被害妄想のようなものであったとしてもです。

 

加えて、学校側にも協力が必要です。一般的に、学校側がよくやるのは、被害者と加害者を会わせ、話し合わせ、握手をしておしまいという表面的な取り繕いになるのですが、これではダメ!

直接対話で解決しようとするのであれば、少なくとも1年間は毎週時間を設け、教師立ち会いの下で話し合わなければなりません。1回会って握手するのは単なる儀式にすぎません。加害者に対して圧倒的に軽い処罰では、問題の根本的な解決にはならないのです。

 

 

 

 

治療法は?

まず第一に考えられる治療法は、心療内科などの信頼できる専門医を受診し、話を聞いてもらうというものです。回復のためには、「自分が悪いからいじめられる」という考えから「自分は被害者なんだ」という認識に変える必要があるのです。

そうして、少しずつ自分を肯定できるようになり、前向きになれればしめたもの。「認めてくれる」誰かがいるということはとても大切なことなんですね。

 

 

心療内科などで行われる治療法としては、他にも「いじめ模擬裁判」という方法をとることもあるそうです。先生が裁判官となり、聞き手になって、悪かったのは相手の子だということをわかってもらう治療法です。
 

・相手の悪かった点
・加害者の顔を描く
・相手の嫌なところ
・相手に求める求刑
 
などを書かせます。

 

この治療法の良いところは、今まで受け身だったものが書かせることで能動的になれること。

これは気持ちの整理の1つの方法なので、ノートに書き出すことが肝心です!

 

 

 

まとめ

基本的に、イジメ後遺症に悩まされている被害者たちは同世代の中で傷つけられたトラウマに苦しめられているわけなので、同世代との (新たな) 親密な人間関係を上書きすれば、記憶は解毒できるんです。

トラウマとは有毒な記憶のこと。

 

新しい人間関係で解毒できるんです。だからこそ、新しい環境をけっして恐れないでほしいんです。トラウマの治療法はほかにもいろいろありますが、一言で言えば、「人の中で傷ついた病気は人の中で癒やすのが一番」なのです。

いじめの被害者たちは自分を承認されずに傷ついてきたわけで、他者からの承認を繰り返し投与することで癒やすことができるのです。

 

最後に、

 

加害者が「本当に申し訳なかった」と心から思い被害者に謝罪することがなければ、どのような罰を与えたところで意味がありません。加害者が罪を自覚し謝罪して、その気持ちを具体的に表現する手段として罪を受け入れる。そういった過程があって初めて被害者は納得することができるのです。

 

 

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