軽度知的障害の治療法って存在するの?

 

一口に軽度知的障害といっても、知能テストではIQ50〜69と幅があり、中度知的障害寄りの場合もあれば、健常者寄りの場合もあります。

ですから、能力は人それぞれですし、得意・不得意も異なります。症状の出方は千差万別なのです。

 

最近では、自閉症スペクトラムやADHDなどの発達障害が疑われた後、病院を受診し、知能検査を受けて初めて「軽度の知的障害」と発覚する場合が多いようです。

 

   軽度知的障害は知的障害の中で一番軽い部類で、知的障害者全体の8割を占めます

 

誤解されがちですが、障害が軽いからといって困りごとが少ないわけではありません。一見健常者に見えるため、困っているにも関わらず必要な支援が受けられないこともあるのです。

 

 

 

 

 知的障害の治療法はあるの? 
 
まずはじめに、基本的には、知的障害を治療する手段はありません。そもそも、障害を引き起こす原因の8割が不明とされているのです。

 

※   先天性代謝異常などの病気が原因の知的障害の場合、早期に病気を発見し病気自体の治療を行うことができれば、知的障害は防げる可能性もあります

 

しかし、それ以外の原因のもの、あるいは原因不明の知的障害に関しては基本的に一生治りません。

成長と共に、知能が周囲に追いつく場合もありますが、逆に遅れが広がる場合もあります。

 

 

 

 

 訓練でスキルを高めることが大事 
 
軽度知的障害者の治療法とは
 
軽度知的障害の人が健常者のようになれる治療はありませんが、療育などで社会性やコミュニケーション能力を高め、少しずつ社会に適応できるように訓練することは可能です。

 

本人のためにも…

 

「周囲の人たちとどう関わっていけばいいのか」「困った時、どうやって助けを求めればいいのか」など、通常であれば自然と身につけるはずのスキルを、特別な訓練を通して身につける必要があるのです。

 

訓練によって、本人は自分なりの生きやすさを模索し、生活における制限を軽くすることが十分可能なのです

 

ですから、できるだけ早くハンディキャップを抱えていることを認識し、いろんな体験をさせ、本人のペースで社会性を身につけることが重要となってくるのです。

 

そうすることで、自立して生きていけるようになるのですから…

 

 

 

 

 まとめ ☆ 
 
繰り返しになりますが、

残念ながら知的障害を治す治療法はありません。ただ、どれだけたくさんの経験を積み、どれだけ質の良い訓練を受けてきたかによって将来の自立度は変わってくるのです。

ですから、軽度知的障害が疑われる場合には、できるだけ早く専門家に相談しましょう。また、心理的な問題を抱えている場合には、カウンセリングも併せて受けるようにしてください。

 

大事なのは周囲のサポートです!

 

何より大事なのは、

彼らが社会の中で自立し逞しく生きていけるようにサポートしてあげること。

社会適応力とコミュニケーション能力を高め、生きにくさを軽減させていくこと。

 

そして、自然と笑顔生まれる生活を送っていくことなのですから。

 

 


最終更新日:2017/12/03