軽度知的障害の原因と特徴について

 
世の中には、自分が軽度の知的障害を抱えていると気づかぬまま、普通に社会生活を送っている人たちがたくさんいます。彼らは、一見普通に暮らしているのですが、健常者に比べるとやはり不得意なことがたくさんあるのです。

軽度であるがゆえ、気づかれないまま大人になり、社会生活で苦労している人がたくさんいる、そんな現状なのです。

 

ですので、もしあなたの周りに「もしかしたらあの人は軽度知的障害かもしれない」と思える人がいたら、早くそれを理解してあげてください。

彼らにはあなたのサポートが必要なのです。自分では誰かに助けを求めるようなことはしませんが、きっとあなたの「助け」を待っているのですから。

 

今回は、軽度知的障害の「原因」と「特徴」ついてまとめてみました。是非最後までお付き合いくださいね。

 

 

 

 

知的障害のIQについて
まずはじめに、

知的障害は、IQによっていくつかのランクに分けられています。同じ年齢の人の平均IQを100とした場合、以下のように分けられます。

・IQ70~80…ボーダーライン
・IQ50~69…軽度知的障害
・IQ35~49…中度知的障害
・IQ20~34…重度知的障害
・IQ20未満…最重度知的障害

 

 

 

幼児期には発見されにくい

軽度知的障害の場合、幼少期にはなかなか発見されません。大人になって、うつ病などの二次障害がきっかけとなり気づく人が多いのです。「そういえば子供の頃から何か違和感があったなぁ」…そう感じている人が案外多いのです。

軽度の知的障害の場合、ぱっと見では判断できないため、二次障害を起こすまで気づかないことがけっして少なくないのです。

 

健常者寄りの軽度知的障害者は大人になるまで気づきにくいのですが、中度知的障害者寄りの方の場合、小学校に入学し、勉強するようになったときに発覚することがあります。

 

軽度知的障害の原因と特徴について

 

 

 

知的能力は小学校高学年くらい

一般的には、成人しても小学校5〜6年生くらいの知能にとどまることが多いと言われています。

 

 

軽度知的障害の原因

☆ 染色体の異常

染色体異常の代表的な障害としてはダウン症が知られていますが、(ダウン症にはならず)知的障害だけが現れる場合もあります。

 


☆ 妊娠時のトラブル

① 妊娠前・妊娠時

親がフェニルケトン尿症やテイ・サックス病、甲状腺機能低下病などの遺伝性疾患を抱えている場合や、染色体の異常がある場合、子供の軽度知的障害の原因になることがあります。

 

② 妊娠中

妊娠中、母体が重度の栄養不足・低栄養にあったり、「太るのが嫌だ」と無理なダイエットをしていると、子供が軽度知的障害になる原因となり得ます。また、母体が感染症にかかっていることも原因事項として挙げられています。

 

他にも、

妊娠中の

・アルコール、たばこ、鉛など
・服用している薬
・妊娠高血圧腎症
・多児妊娠

などが原因となる場合もあります。

 


☆ 乳幼児期の感染症や頭部外傷

例えば、乳幼児期に受けた脳外傷や感染症、出血、出産の際の障害などが原因となるケースもあります。

 


☆ ほとんどが原因不明

実は、全人口の1~3%が知的障害を抱えていると言われる世の中で、知的障害の8割は原因不明なのです!  

 

知的障害の原因は不明

 

つまり、

子供がお腹にいる時にいろいろ気遣うことは大切なのですが、それよりも、生まれた子供が軽度知的障害であるとわかっても、諦めることなく適切にサポートしていく心構えを持っておくことが一番大事なことなのです。

 

 

 

 

軽度知的障害の人の特徴

・感情のコントロールが苦手
・理解力や表現力が乏しい
・物事を理解するのに時間がかかる


・複雑な意思決定が苦手
・自分の気持ちを表現するのが苦手
・素直で他人の悪意に気づきにくいため騙されやすい

 

これらはほんの一例です。

全てが該当するわけでもなく、当然個人差があります。

 

場の雰囲気を読んだり、他人と自分を比較したり、簡単な計算をしたりすることはできるとも言われていますが、これにも個人差が見られます

 

軽度知的障害の原因と特徴について

 

 

 

 

訓練次第で自立可能

残念ながら、基本的には一生治らない軽度知的障害ですが、「訓練をする」ことで社会性やコミュニケーション能力を高めることはできます。

 

自立する上で一番大切なこと…
 

それは、「社会に適応する力」と「コミュニケーション能力」を養うことです。ですから、軽度知的障害であるとわかった場合にはすぐに専門家に相談し、早期の段階から訓練を行って行ってくださいね。

 

そうすることが、本人のためでもあり、支える家族のためでもあるのですから。

 

 


最終更新日:2017/12/03