知的障害に付随する発達障害の特徴

 

知的障害の約85%を占めているのは「軽度知的障害」です。就学するまで気づかれにくく、小学校高学年程度の知能を成人期までに身につけます。成人後は適切な支援を受けながら生活し、家族を持つこと・簡単な仕事に就くことが出来るとされています。

ただ、この85%のうち「知的障害」と認知され適切な支援を受けているのはほんの一握り。多くは生きづらさを抱え、支援どころかイジメを受けながら、生活せざるを得ないのです。

 

ちなみに、「軽度知的障害者」のIQレベルは50~70、「中度知的障害」の
IQレベルは35~55、「重度知的障害」のIQレベルは25〜35、「最重度知的障害」のIQレベルは20〜25以下とされていますが、

必ずしも「IQが低い = 知的障害」という訳ではないことを覚えておいてください (事故などによる後天的障害がIQに影響を与える場合もあるということです)。

 

以下、参考までに「軽度知的障害」以外の特性も簡単にみておきましょう。

 

軽度知的障害の症状、原因、対処法

 

「中度知的障害」

知的障害の約10%を占める「中度知的障害」は、言語能力と運動能力の発達は遅れますが、そのほとんどは言語を習得し十分なコミュニケーションをとれるようになります。

最終的な学力は小学校2,3年生程度となり、成人期には周りからの社会的・職業的支援が必要になります。
「重度知的障害」

知的障害の約4%を占める「重度知的障害」は、3~6歳の知能まで発達するため、簡単な会話は出来ます。適切な訓練をすれば自分の身の周りのことが出来るようになりますが、出来ないことも多いため、常時の監督・保護が必要とされます。

そのほとんどには器質的な病因(ダウン症・フェニルトン尿症・脆弱X症候群・レット障害などの遺伝的要因、幼児期の後天的要因、出生前の病気など)があるとされています。
「最重度知的障害」

知的障害の約1~2%にあたるのが「最重度知的障害」です。3歳未満の知能を身につけ、言葉を使ったコミュニケーションは困難ですが、喜怒哀楽の表現は可能で見慣れた人は覚えることが出来ます。

運動機能の遅れに加え、歩行も難しいことが多く、他の神経症状・身体障害・てんかんなどを伴うことが一般的です。常時の援助・世話が必要になります。

 

知的障害の原因、症状、特徴、対処法

 

以上のように、知的障害は大きく分けて4段階に区分できるわけなのですが、場合によっては「その他の障害」を併せ持っている可能性もあります。

 

 

知的障害に伴うその他の様々な障害
◯ 広汎性発達障害

自閉症・アスペルガー症候群・レット障害・特定不能の発達障害などを含む総称を「広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)」といいます。

広汎性発達障害というのは色々な種類の発達障害を含む総称なので、その症状も様々です。最近では「自閉症スペクトラム障害」という名称が広汎性発達障害とほぼ同義語で使われています。

 

知的障害と発達障害の相関関係

 

「広汎性発達障害」の主な症状は
1.対人関係に関する障害
2.コミュニケーション障害
3.パターン化した行動・興味

 
「自閉症」の主な特徴は
1.他者との社会的関係を作ることが難しい
2.言語の発達が遅れている
3.興味関心が狭く特定のものにこだわりを持つ

 

…ということです。

 

 

「他人に興味関心を持たない」「コミュニケーションを上手く出来ない」「変化が苦手」「決まりや法則にこだわりを持つ」「変わった行動を繰り返す」…などの傾向があります。

(自閉症は3歳くらいまでに「何らかの症状」が現れるとされています)

 

発達障害と知的障害の相関関係

 

「アスペルガー症候群」

アスペルガー症候群は、コミュニケーション・対人関係を苦手とし、限定したパターンに興味を持って行動・活動するという特徴があります。自閉症と同じ症状ですが、アスペルガー症候群に関しては「明らかな言語発達・知的能力の遅れを伴わない」ことが大きな特徴です。

(この障害は、広汎性発達障害・自閉症スペクトラム障害に含まれます)

 

アスペルガー症候群では幼児期における言語発達の遅れが見られないため、障害の発見がとても難しく、成長するにつれて対人関係の問題が現れてくるのが特徴です。

症状の例としては、自分のことばかり話してしまう・一度話し出すと制止されるまで止まらない・大好きなことに関しては専門家顔負けの知識を持つ…などがあります。

 

自分のことしか考えていないように見えるため、周囲の人から「相手の気持ちを考えない自分勝手でわがままな人」と思われがちです。しかし、得意分野を磨き上げれば素晴らしい能力を発揮します。

(芸能人やアスリートなど、特殊な職業の人に多いようです)

 

自閉症の症状特徴と治療法

 

「学習障害」

学習障害とは、全般的に見たところ知的発達に遅れはないのに、聞く・話す・読む・書く・計算・推論の6つの能力のうち「どれか特定の能力だけ」に著しい困難が見られる障害です。

目・耳から脳に送られた情報が上手く伝わらず、耳で聞く・話すことに困難がある障害を「聴覚性」、読み・書きに困難がある障害を「視覚性」、計算に困難がある障害を「算数」と呼ぶことがあります。

 

(学習障害であっても、その他の学習能力は劣っていないため、一般の教育機関や大学への進学も可能な場合があります)

 

自閉症と発達障害の相関関係

 

 

 

知的障害は顔に特徴が現れる?

重度の知的障害の場合、「顔の上部の領域が狭くなる」特徴があります。これは染色体異常が原因です。知能の遅れが原因でなるわけではありません。

「顔の中間部分が上下に短くなっている」「鼻の下から口までの領域が広くなっている」といった特徴が出る場合もあります。

 

このように、顔に特徴が現れたりもするわけですが、「人の顔・性格は十人十色」です。「なんとなく似ている」「そんな気がする」…といった見た目だけの判断は、偏見や差別に繋がり相手を傷つけてしまいます。

豊かな社会づくりのためには、人格を持った一人の人間として平等に接することが大切なのではないでしょうか。

 

先天的であれ後天的であれ、人は何らかの障害 (病気) を抱えながら生きていくものなのですから。

 

 

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