大人のADHDの症状と治療方法 〜 完治するの?改善するの?

 

「大人のADHD」が少しずつ知られてきていますが、医療機関を受診して「ADHD」と診断されたらどうすればいいのでしょうか。大人になってからでも治療ができるのでしょうか。そもそも、治療をすれば治るものなのでしょうか?

まずはじめに、ADHD(注意欠陥多動性障害)は発達障害の一種で、「注意の障害(不注意)」と「多動傾向」を主な症状としています。

 

 
その具体的な症状として、

 

《不注意》では、

「集中できない」「ケアレスミスが多い」「物の紛失、忘れ物が多い」「片付けが苦手」「約束を守れない」など

 

《多動傾向》では、

「落ち着きがない」「一方的に話す」「激高したり、イライラしやすい」「衝動買いをよくする。金銭の計算が苦手」などがあります。

 

 

長いこと「子供の病気」として考えられていたADHDですが、最近では「大人の病気」でもあり、むしろ大人の方が深刻なのです。

「ADHDは突然発症するのではなく、子供の頃から症状が見られます。ただ、周囲のサポートなどでなんとか不適応を起こさずやってこられる人もいます。それでも、、、成人して以降、社会との不適応が際立つようになる方も多いのです。

 

 

 

 

発見の鍵は小中学時代の成績表

 
「ADHD」の成人患者数は3~5%。うつ病と同等かそれ以上と考えられています。つまり、20人に1人ほどは社会の中にいる…ということなのです。思った以上に多くないですか?

そして、その症状は子供と大人では多少異なります。「多動傾向は成長の過程でコントロールできるようになるため、大人では目立ちにくいのですが、不注意は継続します。」

 

 

あなたの周りにも、「重要な書類を置き忘れたり」「約束をすっぽかしたり」と普通では考えられないミスを頻発するような人はいませんか?

 

こうした状況からも「もしかしたらADHDかも…」と疑うことができるのですが、実はもう一つ、小中学校の頃の成績表を見ればわかる場合があるのです。成績表の備考欄に、上述した「ADHD」の特徴が記載されていませんか?

『落ち着きがない』『忘れ物が多い』といった担任のコメントが、ADHDを発見するカギとなるのです。

 

 

 

 

 

「大人のADHD」の負の副産物…

 
ADHDによる不注意で、能力はあるのに低い評価を受けてしまう。対人交渉が苦手うつ病を発症する。。。

また、多動傾向はなくなるわけではないので、それに関連した衝動性からアルコール依存症薬物依存に走る人もいます。

 

 

他にも、「複数の仕事を並行してこなせない」「仕事中に同僚に話しかけられると、何をしていいか分からずパニック状態に陥る」などもあります。

 

 

 

 

 

ADHDは完治する?改善するの?

 
ADHDは生まれ持ったその人の特性であり、発達障害のひとつです。そのため、治療しても根本的に治るというものではありません。

しかし、医療機関で正しい診断を受け、適切な治療を行えば、本人を取り巻くつらい状況が徐々に改善され、精神的にも落ち着いて毎日を過ごせるようになります。

 

 

そもそもADHDは、不注意・多動性・衝動性といった症状から、職場や家庭において様々な困難が起こります。いろいろなことが上手くできないため、自分を責めたり、落ち込んだりすることも度々です。

そして、このような状況が続くことによって「うつ病」や「双極性障害」(うつ状態と躁状態を繰り返す)などの二次的な障害を引き起こしてしまう場合があるのです。

 

そういった悪循環い陥らないためにも、適切な治療は受けるべきなのです。

 

「周辺環境の整備」

「薬による症状の緩和」

 

これらにより、ADHDの症状の影響を少なくすることが大事なのです。困難な状況を少しでも改善し、悪循環を断ち切り、ADHDの症状を自分の特性として上手く付き合っていければ、人生は好転していくのです。

確かに、治療の効果はすぐには現れませんが、自分だけでなく周囲の人にもADHDの症状について理解してもらい、適切に対処することで少しずつできることを増やすと自信につながります。

 

その結果、気持ちは楽になります。

 主な治療法は服薬と認知行動療法と心得、少しずつ改善させていきましょう☺️

 

 

 


最終更新日:2017/12/14