ADHD (発達障害) の「ストレスに強い体質改善方法」と「仕事の選び方」
多くの発達障害者は、それなりに普通に学生時代を過ごし、就職活動もまあまあスムーズに進み、社会生活を営んでいます。
ただ、忙しい社会人生活に慣れてきた頃、なんとなく仕事にストレスを感じ始め、そのうち休みがちになってしまうことも少なくないようです。
「何かがおかしい」
そう思って病院で診てもらうと、自分には縁がないと思っていた「発達障害」の診断が。一気に、将来の見通しがつかなくなってしまうのです。
発達障害には自閉症、ADHD、アスペルガー症候群、学習障害といったものがありますが、日本人の約6%は発達障害だとされています。
実際にはもっといるはずです。
社会人になってから突然「あなたは発達障害です」と言われ、その特性に苦しめられる人たち…
案外多いのです。
中には、自覚していないだけで「仕事がたまらなくツライ」と感じている潜在的な発達障害の人が随分といるのです。
今回は、そんな発達障害 (特にADHD ) を抱えた人たちが、どうしたらストレスを抑えて暮らしていけるのか、どういう風に仕事を選んでいったらいいのかをまとめてみました。
参考になれば幸いです。
仕事をしていく上で、「なんだかツライ」と感じてしまう大人になってから発達障害であることに気づいてしまった人たちは、発達障害との付き合い方がわからないために過剰なストレスを溜めてしまい、体調を悪くしたり、うつ状態に陥ってしまうなどの二次障害を発症してしまいます。
この問題にはどう対処していったら良いのでしょうか?
まず、そう簡単なことではないかもしれませんが、「精神的に自立すること」が大事です。
発達障害だと自覚している人は、とかく周囲からマイナスの影響を受けやすく、ネガティブマインドのスパイラルに陥りやすいのです。
例えば、上司から「そんなやり方じゃダメだ」とやり方を押しつけられた場合、発達障害の人は「自分が悪い」「自分が発達障害だから…」と自分のせいにしてしまう傾向にあります。
しかし、ここで精神的に自立している人であれば、「実は上司の考え方の方が間違っているんじゃないか?」とも考えることができるのです。
自責の念だけでなく、客観的に物事を捉える術が働くわけです。
そこで、ここで声を大にして言いたいのは、
「まずは視野を広げて物事をいろんな角度から見るようにしてみましょう」ということ。
上司 (他人) の考え方なんて、どうせ自分でコントロールできるものではありません。だったら、それはそれとして、自分の考え方を大切にするのもアリなのではないでしょうか。
こうあるために効果的な方法は、たくさんの人と会って会話をしたり、講演などを聞きに行ったり、ワークショップイベントに参加してみたり、多くの本を読むことです。
他者の思考の動きをいろいろと想像してみること!
つまり、これらの行動は全て「認知行動療法」に近いものがあります。私の周りにも、これらを続けた結果、ストレスに強い体質に変わっていった人たちがいらっしゃいます。
自信を取り戻すために、騙されたと思ってどれか一つだけでも実践してみてはいかがでしょうか。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人の特徴として、
・落ち着きがない
・せっかちでイライラしやすい
・突然キレる
・衝動買いをする
・重要なことを独断で決める
・片付けや整理整頓が苦手
・身だしなみが苦手
・仕事でミスや忘れ物が多い
・約束を守れない
などがありますが…
このようなADHDの特性は、大人になると変化し、多動性が弱まって不注意が際立ってくる傾向にあるようです。
変化に伴い、生活のし辛さを感じ、不登校になったり出社拒否を起こしたりする場合もあるのですが、近年では、ADHDの研究が進められ、薬物療法が急速に広まっています。
完治こそ望めないまでも、改善は期待できるようです。
もちろん、そういった治療法に頼るのもひとつの方法ですが、できれば、薬がなくても安定した生活を送れるよう工夫していくことが大事なのではないでしょうか。
例えば、ADHDの特性として「目の前のことしか見ていなくて失敗する」というものがあります。これを、過去の経験をもとに改善させていくことができるのです。
自身の失敗経験を踏まえ、「何をしておけば失敗しなくて済んだのか」を洗い出してみましょう。
具体的には
(1)時間を管理すること
(2)物を管理すること
(3)きちんと計画を立てて行動すること
「そんなことできたら苦労しないよ〜」とおっしゃられるかもしれませんが、
例えば、遅刻が多く締切に遅れがちな人は、「時間の感覚が弱い」ため、時間割をきちんと作る必要があります。片付けが苦手でよく物を失くす人は、管理すべき物の量を減らし定位置を決める必要があります。
いつもドタバタ焦ってミスをする人は、やるべき優先順位を事前に決めておく必要があります。約束や大事なことを忘れがちな人は、記憶のメモリーが小さいため、「覚えておこう」と頑張りすぎず、メモをとる習慣をつけましょう。
初めは大変に感じるかもしれませんが、これらをキチッと行うだけで、仕事も日常生活もどんどんスムーズになっていきます。
さて、
これらの方法で「ストレスに強く」なり、「生活しやすく」なったとはいえ、もともと向いていない仕事に従事すると大変なことになってしまいます。
そこで、
自分の (発達障害の) 特性に合った仕事選びが大事になってきます。
発達障害の有無に限らず、自分の特性に合った仕事を選ぶことは大事です。では、自分の特性を理解するためにはどうすればいいのでしょうか?
働き方を見直して復職するにはどうしたらいいのでしょう?
例えば、ADHDの方の得意分野は、臨機応変に作業する仕事、自主的に動き回ったり新しい情報を求めたり、移動や身体を動かすことが多い仕事、ひらめきや企画力を求められる仕事などが良いのではないでしょうか。
逆に、文字や数字の細かな確認が多い仕事や、長期的な計画を立ててじっくり進める仕事などは不得意かもしれません。
このように、自分の得意不得意を専門家と相談しながら洗い出してみてください。今の職場で心身の不調をきたしている場合には特に必要な作業となってきます。
過剰なストレスを抱えることなく、長く働き続けていくために、自分の特性に合わせた働き方を見直していくことはとても重要なのです。
発達障害の人でも、社会で活躍している人は世界中にたくさんいらっしゃいます。発達障害の特性によって生きづらさや働くことの難しさを感じてしまうのはもったいないことですよね。
少しずつでもいいので、自分に合った仕事を見つけ、生き生きと暮らしていってもらいたいなと心から願っております。