「毎月分配型投信」で注意すべきこと!まさかのハイリスク・ローリターンに!?

 

いきなりですが、あなたの投資信託はうまく「分散投資」できていますでしょうか?

新しい投資信託が次々と生まれ、ネット証券では (公表される) 人気ランキングが目まぐるしく変わる中、「自分が保有している投信は本当に大丈夫なのかなぁ」と不安を抱えている人が案外多いようです。

 

そこで今回は、特に多い「毎月分配型投信」に関する悩みについてみていきましょう。

どうやら、「高分配の投資信託を複数本持っているんですが、減配が続き、受け取る分配金が減り、とっても困っているんですよー」という人が多いようなのです。

 

 

 

「毎月分配型投信」で注意すべきこと

まず第一に、「毎月分配型投信」で注意しなければならないのは、「投資信託自体の利子配当収入以上に分配金を払い過ぎていないか」ということです。もし、分配金の払い過ぎが続いているようであれば、基準価額は下落し、投資した元本は目減りしている可能性があります。

この場合、現状の分配金水準を変えることなく、投資信託の入れ替えと分散の比率を変えることにより、リスクを抑えることができるケースもありますので、該当する人は「入れ替え・比率の見直し」を検討した方がいいでしょう。

 

過去に好成績だったこともあり、「毎月分散型投信」の一つ、リート型に固執する人も多いのですが、毎月分配型にはリート型以外にもたくさんのタイプがあります。うまく分散させましょう!そうすることで、リスクを抑え、安定的な分配金を受け取ることができるようになります。

 

 

 

知らず知らずにリスクが偏り、真の分散になっていない場合も

こんなところでいきなり「そもそも論」になってしまいますが、投資信託を選ぶ際に最も大切なのは、「何を目的に投資信託を保有するのか」…を明確にすることです。

 

 

これを明確にできていないと、

 

・月々安定的に分配がほしいだけなのに、リスクを取りすぎてしまったり

・将来に向けて資産を増やす目的なのに、複利効果が期待できない毎月分配型を保有してしまったり

といったちぐはぐが生まれてしまいます。

 

そして、たとえ投資信託を複数本組み合わせていたとしても、1つの資産への比重が大きくなるとリスク過多につながるので注意が必要です。例えば、バンクローンとハイ・イールド債を組み合わせている場合など、実は似たようなリスクを取っているため、本当の分散になっていないケースもあるのです。

資産を安定的に増やすことを目的にする場合には、「毎月分散型」よりも「為替ヘッジ型」を検討した方が良いかもしれません。

 

 

 

「分散投資」の事例①
定年後の小遣いを目的に高分配投信を3本保有しているAさん (50代男性) は、そのすべてが減配になっているため、不安を感じています。リスクが高い商品ばかりなので、値動きが気になって仕方がないとのことです。

 

 
 

◉ Aさんが保有する投資信託

1.   野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクト)
      <毎月分配、投資比率:50%、購入方法:複数回>
2.   野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドル)
  <毎月分配、投資比率:33%、購入方法:一括>
3.   野村テンプルトン・トータル
     <リターンDコース、投資比率:17%、購入方法:一括>
 

例えばこのAさんの場合、リスクを半分程度にしても今の分配水準を維持できるでしょう。3本とも、投資信託自体が受け取る利子・配当収入以上に分配金を出していたのですが、2016年に2~3度の減配を行なったことで払い過ぎが解消されています。

 

しかし、リスクの高さはやはり問題でしょう。3本合計で株式の比率が80%を超え、残りの債券も新興国債券となっています。
 

もしも「リスクを下げたい」とお考えでしたら、投資信託の入れ替えによりリスクを下げてほぼ同じ分配金を受け取ることも可能です。
 
例えば、日本株型20%、先進国株型30%、為替ヘッジの債券型30%、そして、リスクが高いので20%に限定して、通貨選択型の「三井住友・米国ハイ・イールド債券・ブラジルレアル」などを組み合わせてみるのも良いでしょう。

 

 

 

「分散投資」の事例②
リート型の投資信託を中心に保有しているBさん (60代女性) も、やはり減配に不安を抱えています。

 

 
 

◉ Bさんが保有する投資信託

1.  フィデリティ・USリートファンドB (為替ヘッジなし)
       <投資比率:66%、購入方法:分割>
2.  ワールド・リート・オープン(毎月決算型)
      <投資比率:34%、購入方法:分割>

 

このように、Bさんのような「リート型」だけだと減配の可能性大です。2本とも、投資信託自体がリートから受け取る収益に対して、過大な分配金を出している点が問題です。2本合計の収益の利回りが3.1%であるのに対して、分配利回りは20%。投資したリートが毎年17%値上がりしないと基準価額の維持は困難です。

 
このような状況から、今後減配の可能性は高いので、リート以外にも分散し、過払いをある程度解消させる必要があります。
 

高分配を維持したいのであれば、どちらかを売却し、配当利回りが8~9%ある米国の「BDC」(中小型株や新興株に投融資する企業) への投資が一つの方法です。

 

 

 

おわりに

 

いかがでしたか?

 

現在保有している「投資信託」に、何かしらの不安を抱えている方はけっして少なくないでしょう。ただ、心配ばかりしても仕方ありません。

 

 
 

Cさん (30代女性) の場合、「子どもの教育資金のために積み立てているのですが、まだ含み益がないし大丈夫なのかしら?」などと不安に思っていらっしゃいます。中長期 (15~20年)で大きく増やすことを目標に…
彼女の保有投信2本を見てみると、どちらも好成績で問題ありませんでした。継続し、下落時に買い増しをすれば良いでしょう!

 

Cさんに敢えてアドバイスをするとすれば、仮に基準価額が大きく下落したとしても、積み立てをやめないことです。むしろ、下落局面では投資額を増やすことが資産を増やすコツなのです。
 

投資信託では、複数銘柄の積み立てをしている人も多いと思いますが、良かれと思って作ったポートフォリオに問題がある可能性もあるのです。少し面倒に感じるかもしれませんが、一度ご自身のポートフォリオに問題がないかをチェックしてみましょう。

そして、定期的な見直しも必要かもしれません。頑張って資産を増やしていってくださいね☆

 

 


最終更新日:2017/12/01