8割の人が損をする「株式投資」と「心理学」の関係

 

「この株、絶対に上がると思っていたのに!」
投資をしていると、このような投資家の言葉を聞くことが多々あります。が、得てして彼らは「損をしている8割の一般大衆」だったりします。投資の世界では、「8割の人が損をする」のです。つまり、彼らの逆を行けば利益につながると言えるかもしれません。

 

株価の動きに一喜一憂する投資家の心理(恐れ、欲望、願望)や人が無意識のうちに陥ってしまっている思い込みを知れば、あなたは2割の勝者になれるかもしれないのです。

 

 

そこで、ここでは投資家心理についてみていきましょう。投資をするときに重要なのは「銘柄分析」や「売買タイミング」だけではないということがわかるはずです。

 
 
 

投資をする際に考慮するべき6つの投資家心理

投資をしていると、「あの時どうしてあんなことをしてしまったんだろう?」と悔いてしまうことがあります。後で振り返ってみて、「どうしていつまでも上がらない株を持ち続けていたんだろう?」と思うこともしばしばなのです。

このような投資失敗の背景には、必ず人間の心理が絡んでいます。

 

 

そこで以下に、6つの投資家心理を記しておきます。いずれも重要なものなので、全て覚えておきましょう!
 
 

1 プロスペクト理論

「プロスペクト理論」は、行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授らによって提唱された理論で、不確実性下の意思決定において人間の心理がどのように働くのかを論じたものです。

この理論を投資に当てはめてみると、儲けたときの満足感と損したときの不快感を比較した場合、不快感のほうが大きく感じられるということになります。

 

例えば、利益を得たい心理が働く一方で損失リスクを避ける心理が働き、それがかえって大きなリスクを背負うことに繋がる現象が起こるとしましょう。

具体的には、株価が下落したときに、何の根拠もないのに損失が確定してしまうことへの抵抗感からその株を塩漬けにしたり、ほんの少し株価が上がっただけで (下落による利益の目減りを恐れて) すぐに利益確定売りしてしまう、といったようなケースがこれに該当します。

 

 

この理論をもう少し簡単に説明してみましょう。

(二択の質問が2つあります。それぞれ1つ選んでみてください。)

 

まず一つ目、A.  無条件で100万円もらえるB.  コインを投げて表が出たら200万円もらえる、裏ならもらえない次に、200万円借金していた場合、

C.  無条件で100万円分の借金が無くなる

D.  コインを投げて表が出たら200万円借金が無くなる、裏ならなくならない

 

 

一つ目の質問では多くの人がAと答え、二つ目の質問では多くの人がDと答える傾向があります。つまり、人は損失を回避するためにはリスクを取りたがるものなのです。投資にも同じことが言えます。利益は早く確定してしまうのに、損失は戻るまで待つような行動を取ってしまいます。さらに痛みを被ってしまう「リスクテイカー」になってしまうのです。

 

 

 

2 アンカリング効果

まず、「アンカー」とは船の漂流を防止する「いかり」を意味します。つまり、アンカリング効果とは、過去の値段から現在の値段がどのような状態なのかを判断し、投資の材料にしてしまうこと、判断の際に自分が知っている物事や数字にこだわってしまう傾向のことなのです。

 

例えば、最初に経験した売買がハイリスクだった場合、その後の売買リスクが相対的に低く見えてしまい、リスクを正しく判断できない場合などがその例です。株式投資においては、過去の高値を意識しすぎるあまり、さらに値上がりするだろうと思ってしまう「高値覚え」や、さらに値下がりするだろうと思ってしまう「安値覚え」なども、アンカリングが作用した結果だと言えるのです。

 

ある銘柄が200円から300円まで上昇したとしましょう。200円の時点からその銘柄の動きを見ていた人は、すでに50%も値上がりしているため、「株価は上昇しすぎだ」と判断し、逆張りを仕掛けたくなってしまうかもしれません (株価が大きく下落したときも同じことがよく起こります)。このような、一種の思い込みをアンカリング効果と呼びます。(実際には過去の値段と現在の値段は関係がないはずなのに…) 

ちなみに、投資手法の一種であるテクニカル分析では、このアンカリング効果がよく使われます。多くの投資家がこうなると思った通り行動し相場が動くことを前提にテクニカル指標は作成されているのです。

しかし、多くの投資家が想定し同じような行動をする場面で、その想定を大きく超える売り需要、買い需要が実際に発生しているようなときは、アンカリング効果が全く効かず、相場は一人歩きをしていきます。

 

 

 

3 認知バイアス・追認バイアス

バイアスとは「判断の偏り」のこと。

 

まず、「認知バイアス」とは現実を直視できなくなる心の動きのことです。その中でも、常に正常な判断が求められる投資に悪影響を及ぼすのが「正常性バイアス」と「自信過剰バイアス」と呼ばれる2つの心の動き!

 

「正常性バイアス」とは、現実を過小評価し、自分の認めたくない情報を無視することによって「まだまだ大丈夫」とか「自分だけは大丈夫」などと考えることです。投資の世界でこれが働くと、損切りのタイミングを失うことに繋がり兼ねません。

「自信過剰バイアス」は、根拠もないのに自分の能力や判断に自信を持ってしまうこと。投資の場面では、成功体験ばかりが記憶に残り、「自分には特別な才能がある」などと思い込んでいるような状態がこれに該当します。

 

そして、明確な投資方針を持っていない投資家によく見られるのが追認バイアスです。

「追認バイアス」とは、自分が起こした投資行動に肯定的な情報ばかりを集めようとしてしまうことをいいます。例えば、建設株に追い風の材料がニュースで発表された後、ある建設株を購入したとします。その後、株価は上がらず、下げの一途をたどるような場合であっても、市場に集まる「建設株追い風関連ニュース」ばかりを集めてしまうのです。 
ちなみに、この追認バイアスは誰にでもあります。投資においては、どれだけバイアスを排除できるかが勝負になるのです。

 

(行動にはこのような心理も働きます)

 

 

4 所有効果

名前の通り、持っているだけでその株式に愛着が湧いてしまう現象です。そこから、何のプラス材料もないのに「上がるだろう」と勝手に期待の感情が膨らんでしまうのです。

 

ところがこの「所有効果」には、損失が大きくなっても平気になってしまうという厄介な性質があります。そのため、損失をずるずる引きずったり、安くなればお買い得と言わんばかりに再び買ってしまうのです。

 

 

5 フォン・レストルフ効果

人の記憶には、好みとは関係なく「印象深いもの」や「目立つもの」が残りやすいものです。これを、最初の発見者である心理学者で小児科医のヘドウィク・フォン・レストルフにちなんで「フォン・レストルフ効果」と呼んでいます。

株式投資では、新規のIPO銘柄や最近大きな値動きを見せている銘柄など、大きな話題となった銘柄が記憶に残りやすいものです。そうした記憶が、銘柄の正しい選択判断を誤らせてしまっていないかどうか、十分な注意を払っておく必要があるのです。

 

 

 

6 ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)

誤謬とは、簡単にいうと間違い、勘違いという意味です。コインを適当に投げたとして、表が5回連続で続いた場合、次に出るは裏だと考えてしまう。このような傾向をギャンブラーの誤謬といいます。

株に置き換えると、「株は上げ下げを繰り返しながら動くもの」という考え方がある投資家の多くは、上昇が連発している銘柄に対しては「そろそろ下げだ」と判断してしまうことが多いのです。

 

しかし、その思い込みは株式投資の世界では危険なこと。そのような思い込みは投資家個人の経験や勘によるものがほとんどなのです。

統計的に「下げが有利」などということはなく、上昇が3日続いたとしても、次に日に上がるか下がるかの確率は2分の1なのです。

 

 

 

 

まとめ
相場を動かしているのは人間の心理です!

 

そのため、相場は理論通りにはいかず、人間の心理状態が優先され、本来あるべき株価からかけ離れているのが普通です。いずれ本来あるべき株価に近づいていくとしても、人間心理を考慮に入れず投資を行ってしまうと思わぬところで痛い目をみてしまいます。

 

今回紹介した6つの「投資心理学」以外にも、人の心には様々な「心理的な罠」が潜んでいるものです。

 

人間の心の動きにはクセがある!

 

それらを把握しておくことで、投資の際に冷静な判断ができるよう自身をコントロールすることができるのではないでしょうか。「投資家が持ちやすい心理」と「投資行動」をあなたの投資に是非活用してみてくださいね。

 

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