もしも国民年金保険の支払いを拒否したらどうなるの?

 

国民年金への加入は国民の義務とされていますが、「将来ちゃんと支払ってもらえるか不安」と、保険料を納付していない人も少なくありません。

もし、何らかの理由で年金保険料の支払いを拒否したとしたら、資産を差し押さえられたりすることもあるのでしょうか?

 

【Aさん (20代男性) の相談】
 
自営業です。私は年金制度に疑問を持っているので一度も支払ったことがありません。老後は国に頼らず貯金で賄いたいと思っています。しかし、知人の話だと、年金を払わない場合、年金機構が強制的に資産を差し押さえにくるというのです。支払いを拒否していると、本当に差し押さえられてしまうのでしょうか。
 
【回答】
 
国民年金法では、厚生年金の被保険者やその配偶者以外で20歳以上60歳未満の者を被保険者として、保険料を納める義務があるとされています。従って、自営業者はもちろん、就職していない学生でも、原則として国民年金の保険料を支払う義務があります。

その上で滞納者がいる際には、厚労大臣の名で支払いを求める督促状が送られてきます。それでも、指定の期限までに保険料の納付がなされない場合には、国税滞納処分の例による滞納処分が課されたり、滞納者の居住地や財産所在地の市町村を通して、滞納処分の請求がなされます。
 
責任を持ってこの滞納処分を遂行するのは年金機構です。具体的には、滞納者の預貯金や不動産を差し押さえる手続きも行われます。不動産の差し押さえがあると、当該不動産は公売に付されて換価され、その代金から税金や保険料が徴収されます。

ただし、国民年金法102条では、国民年金の保険料を徴収する権利は2年で消滅時効することとされています。なので、2年を経過した保険料は滞納処分の対象とはなりません。

 

 

というわけで、

自身のポリシーに従って、支払う・支払わないを決定したらよいのではないでしょうか (^ ^) ただし、後者を選択した際には自己責任でお願いしますね。

 

 

 

 

国民年金は満額払うべき?

私たちが納めている国民年金保険料は毎月1万6260円ほど。これを40年間コツコツ払い続ければ、将来、年間78万円ほど“の老齢基礎年金”を受け取れるわけですが (平成28年度の場合)、これはあくまで “満額” を支払ったケースです。

当然、保険料に未納があれば減額されてしまいます。

 

 

現実問題として、

最近の年金納付率は6割程度。つまり、4割の人たちは未納状態なんです!

ちょっとびっくりじゃありません!?

 

「うちは夫が会社員だから、厚生年金が天引きされていて、未納したくてもできないわ~」とおっしゃるあなたも安心することなかれっ!

確かに、会社員やその妻は、厚生年金保険料を払うことで自動的に国民年金を納めたことになりますが、学生時代、「年金なんて払うのムリ!」なんて滞納していませんでした?昔のことだからって忘れたままにしていたら、後で大変なことになるみたいですよ~。

 

 

 

国民年金ほどお得な保険はない?

老齢基礎年金を満額で受け取れるのは、20~60才までの40年間、合計480か月分の保険料を完璧に納めた人だけです。未納や免除期間があると減額され、老後の収入は減ります。

加入期間に関しては今後条件が緩やかになり、多少支払い期間が短くても受給資格がなくなってしまうことはないでしょうが、当然受給額は大きく減らされてしまいます (最低加入期間は10年)。

 

加入期間は、毎年「日本年金機構」から誕生月に送られてくる “ねんきん定期便” か “ねんきんネット”(登録が必要)、年金事務所で確認できます

滞納分を後から支払いたい方は後納制度を利用しましょう。過去5年間(平成30年9月まで)は遡って支払うことができます

 

 

ただし、経済的に厳しいなどの理由で免除や猶予申請をしている場合、10年以内は追納が可能となっています。

 

 

でも…仮に追納できたとしても、保険料をまとめて払うとなると相当な額よね。ぶっちゃけ、それでも払うメリットってあるの?

 

 

仮に、あなたが「85歳までは生きる!」と考えてみましょう。

40年間の総払込額は約780万円。仮に85歳まで20年間年金を受け取り続けると、約1560万円になります。単純計算でほぼ倍額をもらえるわけです。

そう考えると、絶対に満額支払った方が得ですよねっ!?

 

これは、民間の個人年金保険ではとても実現できないほどに “お得”な額なんです。さらに、保険料は所得から全額控除されるので節税効果も大きいっ!そう考えると、国民年金ってやっぱりかなりお得な制度なんですねっ!

 

 

 

受給額が増える裏ワザとは?

保険料を納めた方がいいのはよくわかったわ!でも…現実問題として、免除申請してないしもう万事休すでしょ?

 

いえいえ、実は、裏ワザ…つまり、最後の救済措置があるんです。それは、“60才以上での任意加入”。国民年金の納付義務は60才までですが、その後も任意で加入でき、未納期間のカバーにあてられるんです。

この任意加入は未納期間が満了になった時点で終了し、最長65才まで延長できます (加入期間がどうしても足りない場合は70歳まで延長可)。今のところは…です。

 

さらにこんな耳寄りな裏ワザも!

 

国民年金加入者には、付加年金という超お得なオプションがあります。月々400円の掛け金で、払い込んだ月数×200円が年金に上乗せされ、一生受け取れるんです。

例えば、10年間付加年金に加入すると、払い込み総額は4万8000円で、年金に2万4000円(年)を上乗せできる。つまり、2年で元がとれ、あとは丸儲けってことです。

 

これはお得ですねっ!気になった方はさっそく近所の年金事務所に相談しに行ってみてくださいね♡

 

 


最終更新日:2017/12/01