中高年「ピロリ菌と胃腸の悩み」 Q&A

 

私たちは生きるために必要な栄養素を食事から摂取しています。これは健康と長生きのためにとても重要なことです。

でも時々、胃痛や腹痛を起こし、食べられなくなってしまう事ありますよね?そうならないために、大切な胃腸を健康に保つためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

そこで今回は、気をつけるべき胃腸の不快な症状など、胃腸に関する疑問・お悩みを Q&A方式でみていきたいと思います。

すご〜く大事な臓器のことですから、ここらで一度「胃腸の基本」を学び、ケアの仕方を心得ておきましょう!

(あまり難しい話はしませんのでご安心を) 

 

それではさっそく始めまーす!

 

 

 

Q1. 胃腸の働きについて教えてください♡
 
A. 了解です ☆

まず、食べ物は口の中で咀嚼 (そしゃく: 噛み砕くこと) され、食道に入ります。食道は蠕動運動をしながら胃へ食べ物を送る働きをしています。胃は食べ物が入ってくると大きく膨らみ、消化の第一段階を行います。胃から分泌される胃液には、塩酸やたんぱく質を分解するペプシンという消化酵素が含まれていて、ここで消化の大半が行われ、かゆ状液となります。

 

 

このかゆ状液は少しずつ小腸に送られます。小腸は十二指腸、空腸、回腸に分けられ、十二指腸で膵臓から分泌される膵液と胆嚢から排出される胆汁がかゆ状液に混合されます。さらに小腸から分泌される 腸液が加わり、完全に消化が行われます。 そして小腸で、糖質やたんぱく質、脂肪など体に必要な栄養素が吸収されます。

 

 

どうですか?ここまでは大丈夫でしょうか (^ ^)/

 
さあ、続けて読んでみましょう!
 

食べ物に含まれる水分や胃液・腸液など大量の水分もほとんど小腸で吸収されます。食べ物が口に入り小腸の下端にくるまでの時間は、食べ物の内容などにより必ずしも一定しませんが通常4~6時間程度です。その後、吸収されなかったかゆ状液は大腸に運ばれ、さらに水分が吸収されて便を作ります。便は最終的に直腸に送られ、直腸に便が溜まると脳に伝わり、便意を感じるようになります。

 

 

 

大切にしましょうね!

 

 

 

Q2. ピロリ菌はどういう菌ですか?
 

A. 現在、 60歳以上の約70%が保菌しているといわれる「ピロリ菌」は、慢性胃炎など様々な胃の病気を引き起こす原因となっています。ピロリ菌は食べ物や飲み水などからの経口感染がほとんどで、幼少時に感染し胃にすみつきます。特に衛生環境が整っていない時代に生まれた人の感染率が高く、60歳以上の方に保菌者が多いのはそういう理由です。

 

 

現在は生活環境が改善されているので、ピロリ菌保菌者は減少しています。まずは自分がピロリ菌を持っているかいないかを調べてみてください。もしピロリ菌がいても、1週間薬を飲むだけで除菌できます。そして、ピロリ菌は一度除菌すると再感染することはありません。また、ピロリ菌に感染するのは小児期だけですので、成人してから新たにピロリ菌を保菌することはありません。

 

 

 

Q3. ピロリ菌が原因の胃腸の病気は?
 

A. ピロリ菌が胃にすみついても自覚症状はありません。しかし、様々な病気の発生や進行に関係しているので見過ごすわけにはいきません。中でも、胃潰瘍十二指腸潰瘍はピロリ菌感染が原因となって引き起こされる確率の高い病気なんですよ。

 

 

潰瘍は一度治っても再発率が高いわけですが、ピロリ菌を除菌すれば再発率は低くなります。また、解熱鎮痛剤やストレス、タバコ、アルコールなども関係しているので気をつけましょう。

 

日本人に多い胃がんもピロリ菌が関係しています。胃がんは早期発見と早期治療で治癒が見込める病気なので、定期検診はとても重要です!

 

 

ピロリ菌の感染によってかかる萎縮性胃炎から胃がんは発生しやすいのです!なので、ピロリ菌保有者は早急に除菌してもらいましょう!

ちなみに、ピロリ菌感染の少ない現在の若い世代では、胃がんの発生率が低いことが予想されています。今後、胃がんの患者数は減っていくでしょう。

 

なお、消化器系の病気には様々な自覚症状があります。吐き気、おう吐、胸やけ、胃痛、血便、腹痛など、気になる症状が続く場合は必ず病院で詳しい検査を受けるようにしてください。

 

 

 

Q4. 胃腸を休ませるために気をつけるべきことは?
 

A. まず、アボラっぽいものを避け、おかゆやうどん、白身魚など消化の良いものを摂るよう心がけてください。そして、胃の負担を減らすためにも、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

また、塩分の多い食事は高血圧の心配があるだけでなく、胃がんの原因にもなりますので注意が必 要です。食後は消化を助けるためにもすぐに横になることはやめましょう。適度な運動は胃の蠕動運動や胃液の分泌を高め、胃の消化機能を高めます。毎日30分程度ゆっくり歩くだけでも十分な効果が期待できます。

 

 

便秘の方は野菜や果物など食物繊維を多く含む食事を摂るのはもちろんのこと、朝起きてからお腹をゆっくりマッサージし、腸を刺激するのも効果的です。毎朝、コップ一杯の水を飲むことも実践してみるといいでしょう。

胃腸は休むことなく毎日働き続けています。大切な胃腸を守るため、「無理をさせない、たまには 休息させる」ことが快腸を保つ秘訣です。

 

 

 

まとめ

空っぽの胃に食べ物が入ると、内臓の運動が活発になり、小腸のかゆ状液が勢いよく大腸に流れ込みます。同時に、横行結腸からS状結腸まで大腸の動きが活発になり、便が一気に直腸へと押し出されます。

 

 

朝食後に便意をもよおすのはこの一連の仕組みによるものです。

なので、便秘や大腸ガン予防のためにも朝トイレの習慣はつけておくよう心がけましょう ☆

 

 

 


最終更新日:2017/12/01